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Solidigm、TLC製品の置き換えに向けたデータセンター用QLC SSD

D5-P5430

 Solidigmは、QLC NANDフラッシュを採用したデータセンター向けSSD「D5-P5430」を発表した。フォームファクタはU.2、E1.S、E3.Sで、容量は3.84TB、7.68TB、15.36TB、30.72TB(U.2とE3.Sのみ)を用意する。国内では6月より順次投入する予定。

 D5-P5430は、同社のデータセンター向けSSDの中でも、性能や耐久性、価格のバランスが取れた製品で、メインストリームおよび読み取り集約型のワークロード向けと位置付けている。TLC SSDと同等の読み取り性能を実現しつつ、ストレージ密度を1.5倍向上できるとしており、既存のTLC SSDとの置き換えに最適だという。

性能、耐久性、価格のバランスが取れた製品の位置付け
メインストリームおよび読み取り集約型のワークロードにおいて、既存のTLC SSDの置き換えに最適だとする

 競合のTLC SSD製品と比べ、DWPDは劣るものの、データセンター向けに出荷されるSSDの大半はDWPDが1以下で、かつ定格寿命の15%程度しか使われないため、優れた総PBWによって高い耐久性を提供できるとしている。また、実環境のワークロードにおけるベンチマークでも、遜色ない性能を発揮できたという。

 加えて、SRAMの99%をカバーするフル・データパス・プロテクションや、業界最高水準を謳う無兆候データ破損に対する保護などによって信頼性も確保。実環境を想定した最適化やワールドワイドでのカスタマーサポートなども特徴としている。

 さらに、ストレージ密度が高いため、ドライブ数やサーバー数、ラック設置面積や電力の削減も図れ、年間総コスト(TCO)の削減にも効果を発揮。同社の試算では、オールTLCアレイとD5-P5430との場合で27%、HDDとTLC SSDによるハイブリッドアレイとの場合で39%のコストダウンが可能だという。

競合TLC SSD製品との比較。同等の読み取り性能と高いPBWを実現した
実環境のワークロードにおけるベンチマーク比較
実際の運用などを考慮すると、QLCでのPEサイクルの制限などはリスクにならないという
信頼性の高い設計やワールドワイドのサポートも特徴
オールTLCアレイとD5-P5430の場合の年間総コストの試算結果

 主な仕様は、インターフェイスがPCIe 4.0 x4/NVMe 1.4c、フラッシュが192層3D QLC NAND、最大シーケンシャルリードが7,000MB/s、同ライトが3,000MB/s、最大ランダムリードが97万1,000IOPS、同ライトが12万IOPS。保証期間は5年間。

D5-P5430の主な特徴
フォームファクタおよび容量ラインナップ

大容量化や高密度化でQLC SSDのニーズが増大

データセンターグループ メッセージングおよびコンテンツ担当ディレクターのRoger Corell氏
データセンターグループ プロダクトマーケティングマネージャーのBill Panos氏

 製品説明会では、Solidigm データセンターグループ メッセージングおよびコンテンツ担当ディレクターのRoger Corell氏、データセンターグループ プロダクトマーケティングマネージャーのBill Panos氏が登壇。今回投入するD5-P5430は第4世代QLC製品で、同社と顧客との長期的なエンゲージメントによる知識やノウハウが活かされていると紹介した。

 また、データセンター市場でのトレンドについて、一部のAIワークロードが今後4~5年で1万倍になると予想されていたり、ストレージやコンピューティングがエッジ側へ移行したり、サステナビリティへの配慮にともなって省電力化を図ったりと、さまざまな要因から大容量化や高密度化を進める動きが強まっていると説明した。

 これに対し、QLC SSDはコスト削減や拡張性、ストレージ密度向上といった価値をもたらせるとし、今後もニーズが加速していくとした。同社でも、2023年に出荷するストレージ製品の総容量のうち40%はQLC製品が占める見込みだという。

QLCが大容量化や高密度化のニーズに対応する