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エレコム、子どもがスムーズにタイピングを学べるキーボード

KEY PALETTO

 エレコム株式会社は、子どものPC学習用に設計したキーボード「KEY PALETTO」を発売した。Windows/ChromeOS対応モデルは、Bluetooth接続の「TK-FS10BMKBK」、2.4GHz無線接続の「TK-FS10DMKBK」、USB有線接続の「TK-FS10UMKBK」の3種類、iOS 16/iPadOS 16対応モデルは、Bluetooth接続の「TK-FS10BMKIBK」の1種類を用意。実売価格は順に4,980円前後、4,480円前後、3,780円前後、4,980円前後。

 KEY PALETTOは、子どもがPC学習をする際に適したものを目指し、大阪電気通信大学との産学連携プロジェクトを通じて開発されたキーボード。2020年度より小学校でのプログラミング教育が必修化されるなど、子どもが学習の一環でPCに触れる機会が増える中、はじめてのキーボードとして使いやすく、教育現場で起こるさまざまな問題を解消するための多くの工夫を施している。

大きな3つの特徴

 「学習がすすむ」、「混乱しにくい」、「長くつかえる」の3つを大きな特徴としている。1つ目の学習がすすむ点については、タッチタイピング時の正しい指の位置が覚えやすいカラーリングを採用。色覚特性で色が判別が苦手な子どもでも見分けやすい配色で、かつ言葉にしたときに齟齬が起きにくい色を選択した。

正しい指の位置を覚えられるカラーリング
色の識別が苦手な人でも識別しやすい配色に
言葉にしたときに分かりやすい色を選んだ

 また、子どもの手のサイズにあわせ、キーピッチを一般的なキーボードよりもやや狭い17mmに設定。文字キー、スペースキー、修飾キーなど、キーの種類や用途に応じてキートップの形状や押し心地を変えており、打ちやすく、かつ区別しやすくした。

 さらに、本体上部には、付属のローマ字入力サポートカードが立てかけられるスタンドも装備。カードを見ながら入力しても、目線移動を最小限に抑えられる。カード用テンプレートはWebで公開予定で、自作のカードを作って装着することもできる。

キーピッチは子どもの手にあわせてやや狭めの17mm
キーの種類によって、形状や押し心地を変え、区別しやすく
本体上部には学習用のカードを差し込めるスタンドも

 混乱しにくい点については、アルファベットに不慣れな子どもでも使いやすいよう、キートップの印字からひらがなを省き、アルファベットの大文字と小文字を併記するデザインを採用。アルファベットや記号の読み方を記載したよみがなシールも付属し、習熟度に応じてキートップに貼り付けられる。

 裏面にはCaps Lockキーの機能をCtrlキーに替えられる物理スイッチも装備。意図せずCaps Lockを有効化してしまい、大文字しか入力できなくなるといったトラブルを防いでいる。

キー印字はアルファベットの大文字と小文字を併記。不慣れな子どもでも分かりやすいデザインに
裏面にはCaps Lockキーの機能切り替えスイッチを装備。既存のCtrlキーと入れ替えるわけではなく、単純に機能のみを変更する

 長くつかえるための配慮としては、ペンなどをキーの隙間に差し込みにくい構造とし、ねじ部分には簡単に分解できないようカバーを装備するなど、いたずらしにくい設計を採用した。スイッチはタッチの軽いメンブレン式で、誤ってキートップが取れた場合でも壊れにくい。

 また、本体裏面には名前を書き込めるスペースを用意し、2.4GHz無線モデルではレシーバ用の名前シールも付属。レシーバ自体の色も、落としたときに目に付きやすいオレンジでカラーリングした。

いたずらしにくい構造を採用
2.4GHz無線モデルの付属するレシーバは目立ちやすいオレンジ色に
名前を書き込めるスペースや、名前シールも付属

 ラインナップは4種類を用意。GIGAスクール構想で導入された端末をカバーしており、用途や機種に応じて選択できるとしている。単3形乾電池1本で駆動し、約2年間の動作が可能。

TK-FS10BMKBK(Bluetoothモデル、Windows/ChromeOS向け)
TK-FS10DMKBK(2.4GHz無線モデル)
TK-FS10UMKBK(USB有線モデル)
TK-FS10BMKIBK(Bluetoothモデル、iOS/iPadOS向け)
パッケージ
中身を取り出すと、使い方のガイドが現れる
付属品のローマ字入力サポートカード(上)とよみがなシール(下)
サポートカードを装着したところ。カードはA4用紙を縦に2回折ったサイズで、A4コピー用紙から簡単に自作もできる
Shiftキーと組み合わせて入力する文字は四角で囲んで分かりやすく
キーの機能などに応じて形状や押し心地が異なる
裏面のCaps Lockキー機能切り替えスイッチ。下には名前の記入欄も
2.4GHz無線モデルでは、乾電池横にレシーバも収納できる
チルトは1段階

子どもたちが楽しく学べるキーボードを目指して開発

プログラミング教育が行なわれる教育現場では、キーボードにまつわるさまざまな問題が発生

 プログラミングを通じて段階的に物事を考える力を高め、子どもたちの思考力の強化やIT人材の育成などを図るため、2020年度から必修化されたプログラミング教育だが、教育現場では、子どもたちがキーボード操作に適応できなかったり、誤入力・誤操作で混乱したりといった、さまざまな問題が発生しているという。また、子どもへのサポート方法や自宅での環境整備など、家庭での不安の声も少なくないという。

 同社ではこういった状況に対し、小学校から大学までの情報科学教育が専門の大阪電気通信大学 副学長 兼宗 進氏をはじめとした監修チームと共同で3年間かけてKEY PALETTOを開発。より高度なプログラミングやPCを駆使する作業において、キーボードは欠かせない存在であることから、子どもたちにスムーズにタイピングができる経験をしてもらい、楽しく学習に取り組んでほしいという思いで、設計開発を進めてきたという。

KEY PALETTOは教育現場の声を反映して開発された