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ドコモ、映像から個人情報を削除して顧客行動を可視化する技術を開発

個人を特定可能な情報を削除して、点と線で構成されたモデルに変換して描画する

 株式会社NTTドコモは25日、映像に映る人物の特徴を削除して三次元情報のみを可視化する技術を開発したと発表した。

 映像に映っている人物の服装や顔など個人の特定につながる情報をすべて削除し、点と線で構成されたモデルに変換して描画する技術。プライバシーの保護を確保しながら、3D空間上で人物の行動を可視化および再現して人物/顧客の行動を分析できるとしている。また、サイバー攻撃された際の情報漏えいリスクも軽減できるとしている。

 ニュースリリースにおいては店舗での導入ケースを例示しており、映像から取得できる人物の情報として、性別、年代(推定)、滞在時間、店内で触れた商品、目線、店内動線、立ち止まり位置、来店人数などを取得し、ヒートマップの作成に活用できるとしている。

 取得した情報の活用例としては、店舗内動線の設計改善や人気商品の特定、リアルタイムの店内サイネージ変更などの高度なマーケティングが可能になるとしている。これまで集積した情報を分析/活用するにあたっては、個人情報保護法の観点から情報の取り扱いに課題があったが、集積したデータから個人を特定可能な情報を取り除くことで、「人の情報」の集積と活用のハードルを下げることができるようになるという。

 また、メタバースと本技術が融合すれば、実空間の行動をバーチャル空間に転写し、バーチャル空間上の人物とともに楽しめるテーマパークといった新しいサービスで活用できるだろうとしている。

 本技術については、4月からコクヨ株式会社とNTTコミュニケーション株式会社のオフィスにおいて、人物行動可視化に関する実証実験を行なうとしており、技術の有効性を検証する。2023年度末の商用化を目指す。

取得可能な情報を可視化する
実証実験では技術の有効性を検証する