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ユーザーのためにシンプルを目指すSurfaceの開発

Surfaceシリーズ

 日本マイクロソフト株式会社は19日、米Microsoftの開発チームらが来日し、試作品の実物などを展示しつつ、Surfaceシリーズの開発に関する考えや取り組みについて紹介するSurface Lab Tourを開催した。

 Microsoftでは、製品開発を行なう上で、それが「シンプルであること」を目指しているという。これは、ユーザーがデバイスを使って何か作業をするときに、デバイスの存在を意識させず、作業に集中して力を発揮できるようにし、生産性を最大限高めるため。その実現に向けて、さまざまな点にこだわって設計を行なっているという。

 製品開発では、ユーザー体験やフォームファクタのプロトタイプを作成し、設計のテストとデータ収集およびフィードバックを繰り返しながら実施。米レドモンドの開発拠点には、3DプリンタやCNC加工、テキスタイル、ウォータージェット加工など、製品開発に必要なさまざまな設備を所有しており、活用している。

 開発の初期段階では、3Dプリントによる試作を行なっているといい、ヒンジ部やペンの試作品も紹介された。実際に製品に使われるものと比べるとサイズが大きく作られているため、可動部や内部構造など細かな部分の研究も重ねながら、その後も最適化や改良を何度も繰り返しつつ、製品を形作っていくとする。

3Dプリントによる試作品
青い3Dプリントはこのヒンジの試作品
左が製品のペン、右が3Dプリントの試作品
サイズが大きいので内部の構造もよく分かる
指1本でディスプレイが開く設計もこだわり
CNC加工で削り出した試作品
タイプカバーもさまざまな色やパターンを試すという
Surface Laptop Studioのプロトタイプ
改良を繰り返しながら製品になっていく

 エンジニアリングの一方で、人間工学や脳科学の面から、ユーザーが製品を快適かつ正確に使えるようにアプローチし、それを製品へと応用していくためのチームも存在する。複数の手法を使ってソフトウェア/ハードウェアの設計を検討したり改善したりする。またこのチームでは、人体の大規模3次元スキャンデータによる製品評価やアクセシビリティに関する研究開発に関する機能も持っている。

脳の働きと目線からユーザーの注意を引くデザインを分析
指1本でディスプレイを開く際の手の動きや力を3次元のモーションキャプチャで計測
耳の3Dスキャンモデル。イヤフォンなどの評価に使われるそう
Microsoft Adaptive Kit。触覚でキーを判別できるようにするステッカーなどがセットになっている

 こうして開発される製品は、ユーザーが作業に集中できるよう、さまざまな点にこだわっているという。たとえば、キーボードであれば、キートップに0.2mmの凹みを施して自然に打ちやすくし、キーボードのストロークや質感、打鍵感なども追求。音についても、ディスプレイを閉じるときの音など、スピーカーだけでなくデバイスから出るあらゆる音に気を配って設計しているという。

 熱設計についても、性能に直結する部分になるため、各チップベンダーと協力しながらデザイン。最高の性能を引き出すとともに、ハードウェアとソフトウェアをシームレスに統合して提供。シャーシからねじに至るまで、ほとんどが自社設計である点も大きな特徴で、分解しやすく修理しやすい設計も採用でき、再生素材の活用とあわせて、サステナビリティへの取り組みにもつながっている。

 あらゆる面から細やかなこだわりを詰め込んで、シンプルでありながら、ユーザーのクリエイティブを後押しするSurfaceの開発が進められている。

分解機も展示されていた
Surface Laptop 5は裏面のねじを外せばキーボードが外れる設計
タイプカバーやSurface Laptop 5には、一部サトウキビの廃棄物由来のアルカンターラを使用している
Surface Pro 9ではアルマイト処理を施した新色が加わった。パーツ同士の色をあわせるのが大変だったそう
ハードウェアへのこだわりはソフトウェアとともに製品へと集約される
左から、Pete Kyriacou氏(CVP of Surface Product+Experiences)、Kaeling Gurr氏(Design Lead)、Edie Adams氏(Human Factors Team)、Carlos Carrasco氏(Surface Product Team)、John Haley氏(Prototyping Team)