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2022年の国内PC出荷は過去2番目の低水準に。12月は過去最低を記録、テレワーク需要は一巡か

 2022年の国内PC出荷台数が、過去2番目に少ない水準となった。

 業界団体である一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が、1月24日に発表した国内PC出荷実績によると、2022年(2022年1月~12月)の年間出荷台数は、前年比22.6%減の686万9,000台となり、同調査が現行方式になった2007年以降、2番目の少なさとなった。

 過去最低は、2017年の677万7,000台で、それをわずか9万2,000台上回る水準に留まっている。

 2017年は、Windows XPの延長サポートが2014年4月に終了する前の買い替え特需による反動が長期化。2015年から2018年までの4年間に渡り、年間700万台前後で推移していたなかで、最も低い水準となった年だ。PC市場を活性化させるための材料がなく、特需にわいた2013年の6掛けの水準にまで落ち込んだ。

 それに対して、今回発表された2022年の実績は、Windows 7の延長サポートが2020年1月に終了したことで特需に沸いた2019年(出荷実績は973万7,000台)、コロナ禍でのテレワーク需要の増大やGIGAスクール構想により1人1台の整備が進んだ2020年(出荷実績は1045万5,000台)の反動を受けたもので、2021年の886万9,000台から、さらに落ち込み、年間700万台を割り込む結果となった。

 とくに、今回発表された2022年12月の月間出荷台数は、前年同月比3.0%減の71万1,000台となり、12月の出荷統計としては過去最低を記録した。年末商戦を迎える12月が過去最低となっていることは、個人向けPC需要の低迷ぶりを示すものといっていいだろう。長いトンネルから抜け出せない状況が浮き彫りになる。

 また、四半期ごとの推移を見ると、2022年10~12月の出荷台数は前年同期比2.8%増の166万2,000台となり、2022年1月~3月の47.7%減の187万4,000台、2022年4~6月の33.5%減の157万4,000台、2022年7~9月の前年並の175万8,000台と徐々に回復基調にはあるものの、前年実績を上回れない状況が続いている。

 だが、注目しておきたい数字もある。出荷金額では、12月の実績が前年同月比3.8%増の736億円となっていることだ。これにより、出荷金額は2022年6月から7カ月連続で前年実績を上回っている。2022年の年間出荷金額では前年比2.4%減の7,338億円と前年割れになっているが、2022年4月以降の9カ月間では、前年同期比7.2%増の5,404億円となっており、出荷台数が減少している中でも大きく増加している。

 とはいえ、これは部材不足や円安の影響で、値上げが進み、PCの単価が上昇した影響だと見ることができる。手放しでは喜べない要素ではあるが、市場全体の出荷金額の上乗せには影響を及ぼしている。

2022年12月のPC国内出荷実績

 なお、2022年の国内PC出荷の内訳を見てみると、ノートPCの出荷台数は前年比24.7%減の573万8,000台。そのうち、14型以下のモバイルノートが27.3%減の262万台、ノート型その他は22.4%減の311万8,000台となった。また、デスクトップPCは、前年比9.5%減の113万1,000台。そのうち、オールインワンが22.8%減の22万8,000台、単体が5.3%減の90万3,000台となった。

 テレワーク需要の柱となっていたノートPCが4分の3の規模にまで縮小していることを考えると、2022年にはテレワーク需要が一巡したと見てもよさそうだ。

 過去2番目に少ない市場規模となった国内PC市場だが、果たして2023年はどうなるのか。PC業界の関係者の声を聞く限り、残念なから、しばらくは低迷が続き、厳しい市況になるとの見方が支配的だ。

 JEITAのPC出荷統計は、業界団体による自主統計となっており、Apple Japan、NECパーソナルコンピュータ、セイコーエプソン、Dynabook、パナソニック、富士通クライアントコンピューティング、ユニットコム、レノボ・ジャパンの8社が参加している。日本HPやデル・テクノロジーズなどは統計に参加していない。