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全世界PC出荷は過去最悪の前年比28.5%減。Gartner調査の2022年第4四半期調査

2022年第4四半期のメーカー別全世界PC出荷台数

 Gartnerは11日(米国時間)、2022年第4四半期の世界PC出荷台数に関する調査結果の速報値を発表した。これによれば、同期の世界PC出荷台数は6,530万台で、前年同期比で28.5%減を記録。1990年代半ばのPC市場調査開始以来、出荷台数が最も減少した四半期となった。通年では前年比16.2%減の2億8,620万台で、こちらも調査開始以来、減少率が最も大きかった。

 メーカー別で見ると、1位がLenovoで1,566.3万台(シェア24%)、2位がHPで1,321.6万台(20.2%)、3位がDellで1,088.4万台(16.7%)、4位がAppleで701.1万台(10.7%)、5位がASUSで487.6万台(7.5%)などとなった。トップ3メーカーの順位に変動はないが、Lenovoは日本以外の全地域で出荷台数減となっており、中でも欧州やラテンアメリア地域では30%以上の減少となった。また、HPとDellについても歴史的な減少を記録した。

 地域別で見ると、米国では前年同期比20.5%減、欧州では37.2%減、日本を除くアジア太平洋では29.4%減となった。特にアジア太平洋地域では、中国政府による予算カットや新型コロナウイルス感染症への政策に対する不透明感などから、中国市場の減速の影響が大きかったという。

 同社では、世界的な不況の予測やインフレの加速、金利の上昇などがPCの需要に大きな影響を与えていると分析。コンシューマ市場では、パンデミック下でPCを新調したユーザーも多く、需要はここ数年で最低の水準まで落ち込んでいるとしている。また、法人向けPCについても、2022年第3四半期から減少へと転じたが、企業がPCのライフサイクルを伸ばし買い換えを先延ばしにしており、2024年までは市場の成長は見込めないとみている。