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NICTら、量子コンピュータに必要な超伝導光子検出器の製造に成功

最大12チャンネルの超伝導ナノワイア単一光子検出素子を実装可能なSNSPDシステム

 大阪大学量子情報・量子生命研究センター、浜松ホトニクス株式会社、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、最大12チャンネルの超伝導ナノワイア単一光子検出器(SNSPD)システムを試作し、フィールド実証に成功したことを発表した。

 SNSPDは、受光面に対して超伝導細線を敷き詰めた構造における超伝導現象を利用した単一光子検出器。量子コンピュータ実現の鍵となる技術で、この技術を実装した多チャンネルの超伝導光子検出器であるSNSPDシステムは国産化できておらず、これまで海外からの輸入に頼ってきていた。

 今回開発されたSNSPDシステムは、NICTが開発した超伝導ナノワイア単一光子検出素子を浜松ホトニクスの超低温SNSPDシステムに実装したもので、大阪大学の量子もつれ光子対光源により11個のSNSPDが動作していることがフィールド実証されたものとなる。

 国内の民間企業により製造されたSNSPDシステムは今回が初となり、3者は今後、SNSPDシステムの国産化やさらなる高性能/多チャンネル化を目指し、量子コンピュータはもとより、量子ネットワークや量子センシングなどの量子2.0技術全般に貢献するとしている。