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Intel、ArcのDirectX 9/11ゲーム最適化がまだ不十分であることを認める

 Intelは4日、Intel Arc GPUの公式ブログにおいて、「同GPUがDirectX 12およびVulkanで優れた性能を発揮しているのに対し、旧APIであるDirectX 9および11のタイトルでは性能が出ないのはなぜか」というコミュニティからの質問に対し回答を示した。

 このQ&AはYouTubeに投稿された、Arcのマーケティングを担当するRyan Shrout氏と、フェローであるTom Petersen氏の対談で明らかとなっている。Petersen氏によれば、DirectX 11といった古いAPIは、Microsoftはゲーム開発者がより容易に開発できることにフォーカスしており、リソース管理やメモリ管理といった複雑なことはAPI側が担うため開発者はその開発から解放されるというメリットがある。

 そのため、Intelはドライバを最適化し、ゲーム開発者が本来動作検証を行なっているAMDやNVIDIAのGPUに近い振る舞いをする必要がある。しかし、IntelのGPUはNVIDIAのGPUとハードウェア的に異なるため、より多くのDirectX 9/11タイトルが快適に動作するようチューニングを施す段階にあるという。

 その一方でDirectX 12およびVulkanはレイヤーが薄くなっており、リソース管理やメモリ管理をゲーム側やゲームエンジンが行なう必要があるものの、ハードウェアが提供するリソースをダイナミックに、最大限に活用できる。そのためDirectX 12およびVulkanを使用するとIntel GPU向けにも最適化しやすくなり、旧APIとの性能差が大きくなるとしている。

 Intelは7月に、同社のアッパーミドルGPU「Arc A750 Limited Edition」が競合のGeForce RTX 3060を約10%上回るというベンチマークの結果を披露したが、この中で挙げられている「F1 2021」、「Cyberpunk 2077」、「Control」、「Borderlands 3」、「Fortnite」はいずれもDirectX 12対応タイトルだ。既に中国で先行販売されている「Arc A380」を入手した海外レビュワーの多くが、DirectX 12タイトルでは競合を上回るがDirectX 9/11タイトルではスコアが振るわないといった結果を紹介しており、今回のビデオはこれに対する答えだ。