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レノボ、次の30年を見据え、幅広いユーザーに向けたノート「ThinkPad Z」シリーズ

ThinkPad Z13 Gen 1

 レノボ・ジャパン合同会社は、Ryzen PRO 6000シリーズを搭載し、モダンなデザインを採用した13.3型ノート「ThinkPad Z13 Gen 1」および16型「ThinkPad Z16 Gen 1」を発売した。価格はそれぞれ31万1,300円から、36万8,500円から。

 ThinkPad Zシリーズは、2022年で30周年を迎えたThinkPadブランドから、次の30年を見据えた新たなシリーズとして投入するノートPC。信頼できる品質や先進性、親しみやすさを軸に、仕事のためのツールとしてユーザーの生産性を高めるといったThinkPadの開発哲学はそのままに、モダンなデザインや、先進的な性能/機能の搭載、環境負荷の軽減を実現した。

 既存のThinkPadユーザーだけでなく、これからの働き方を支える人や、これまでThinkPadを使ったことのない人も意識した製品だとしており、Zの文字には「全く新しいもの」や「これからを担うZ世代」といった意味を込めたという。

ThinkPadの開発哲学は変わらず受け継ぐ
モダンなデザイン、先進的な性能/機能、環境負荷の軽減の3点に重きを置いた

 ディスプレイは縦横比16:10で超狭額縁のものを採用し、約92%の画面占有率を実現。表面仕上げはタッチ対応パネルでは光沢、非対応パネルでは非光沢となる。上部中央にはコミュニケーションバーと呼ばれる出っ張りがあり、マイクやWebカメラなどを収めている。

 打鍵感にこだわったというキーボードは日本語配列と英語配列をどちらも用意。日本語配列については、筐体の端までキーを配置することで、主要キーの一部が幅狭とならないよう設計した。また、矢印キーをキーボード最下列に収めたり、一般的なPCにあわせて左下のCtrlキーとFnキーを入れ替える(BIOSで機能の入れ替えが可能)などといった細かな変更も加えている。

 タッチパッドは幅120mmの大型のものを搭載したが、押し込みを振動でフィードバックする感圧式を採用することで、ムラなく操作が可能だとしている。上部にはトラックポイント向けボタンに相当する操作領域も用意しており、下部のタッチパッド部は無効化し、上部だけ有効化するといった設定も行なえる。

 ハイブリッドワークに向けた機能としては、新たに「Communication Quick Menu」と呼ばれる機能を搭載。トラックポイントをダブルタップすると中央にメニューが出現し、マイクのミュートやモード切替、Webカメラの調整などといった操作を簡単に行なえる。加えて、1080p Webカメラや2基の360度集音マイクを標準搭載とし、ノイズ低減や音量均一化機能などを提供するDolby Voiceにも対応した。

主要キーをシュリンクせず、打鍵感にこだわった日本語キーボード
大型化した感圧式タッチパッド。上部にはトラックポイント向けの操作エリアも用意。指紋認証センサーは矢印キーの左側に配置される
カメラやマイクの設定を簡単に変更できるCommunication Quick Menu
1080p Webカメラを標準搭載。なお内部的にはUSBで接続されているという
Webカメラやマイクはコミュニケーションバーと呼ばれる本体上部中央に収められる
電気的にWebカメラを切断するeプライバシーシャッターも搭載

 プロセッサは、Z13がRyzen PRO 6000シリーズ、Z16がRyzen PRO 6000Hシリーズをそれぞれ搭載。これにより、ハードウェアに近いレイヤーで機能するAMD Memory Guard、Secure Processor、Shadow Stackが利用可能となった。さらに、dTPMとあわせてチップセット統合型のMicrosoft Plutonも内蔵するなど、高度なセキュリティ機能を備えている。

 信頼性および堅牢性については、200種類以上のハードウェア検証テストや700種類以上のソフトウェア互換テストなどを実施。米国国防省の調達基準であるMIL-STD-810Hにおける12のメソッド、および26のプロシージャにも準拠したとする。

 環境負荷軽減の面では、75%再生アルミニウムを筐体に用いたほか、100%再生可能かつ堆肥化可能な素材を使用したパッケージを採用。加えて、Z13のブロンズモデルのみとなるが、再生プラスチックを利用したクラレ製人工皮革クラリーノを天板の一部に使用している。

Ryzen PRO 6000シリーズ搭載によるハードウェアレベルでのセキュリティ機能
数百種類にもおよぶハードウェア/ソフトウェアのテストを実施
MIL-STD-810H準拠の試験も行なっている
筐体からパッケージまで、再生素材を採用することで環境負荷を軽減

 主な仕様はThinkPad Z13 Gen 1の場合、Ryzen PRO 6000シリーズ、16GB/32GBメモリ、256GB/512GB/1TB SSD、13.3型WUXGA(1,920×1,200ドット)液晶/WQXGA(2,560×1,600ドット)有機EL、Windows 11 Pro/Homeまたは10 Proなどを搭載。

 インターフェイスは、USB4×2、Wi-Fi 6E、Bluetooth、1080p Webカメラ(IR対応、eプライバシーシャッター付き)、指紋認証センサー、音声入出力などを装備。LTEモデムもオプションで選択できる。

 本体色はアークティックグレイとブロンズの2種類。サイズは約294.4×199.6×13.99mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.19kgから。バッテリ駆動時間は最大約22.8時間。

ThinkPad Z13 Gen 1の主な仕様

 ThinkPad Z16 Gen 1の場合、Ryzen PRO 6000Hシリーズ(専用のRyzen 7z PRO含む)、16GB/32GBメモリ、256GB/512GB/1TB SSD、CPU内蔵GPU/Radeon RX 6500M、16型WUXGA液晶/WQUXGA(3,840×2,400ドット)有機EL、Windows 11 Pro/Homeまたは10 Proなどを搭載。

 インターフェイスは、USB4×2、USB 3.1 Type-C、Wi-Fi 6E、Bluetooth、1080p Webカメラ(IR対応、eプライバシーシャッター付き)、SDカードスロット、指紋認証センサー、音声入出力などを装備。LTEモデムもオプションで選択できる。

 本体色はアークティックグレイのみ。サイズは約354.3×237.4×15.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.81kgから。バッテリ駆動時間は約25.9時間。

ThinkPad Z16 Gen 1の主な仕様

 会場ではThinkPad Zシリーズのほか、21日発表の「ThinkPad C14 Chromebook Gen 1」も展示されていた。以下、実機の写真をご紹介する。

ThinkPad Z13 Gen 1
正面(ブロンズモデル)
天板にはヴィーガンレザーのクラリーノが用いられている
クラリーノのサンプル
中央上部にはコミュニケーションバー。外側にはZ13(またはZ16)の刻印も施されている
右側面。ヒンジは構造上の都合で135度までしか開かない
左側面
キーボード(日本語配列)
キーボード(英語配列)
タッチパッドは大型化。上部にはトラックポイント用に3ボタンの役割を果たす領域を用意
トラックポイントをダブルタップすると表れるCommunication Quick Menu
底面
底面左下には再生アルミニウムを使用していることを示すマーク
ブロンズモデル(左)、アークティックグレイモデル(右)。側面はスタイリッシュな印象に
竹とサトウキビの繊維を使った再生可能なパッケージ
ThinkPad Z16 Gen 1
正面
天面(Z16はアークティックグレイのみ)
左側面
右側面
キーボード面
底面
コミュニケーションバーは本体色に応じたカラーに
ThinkPad C14 Chromebook Gen 1
正面
天面
右側面
左側面

【7月22日訂正】記事初出時、Z16のUSB4を×3としておりましたが、レノボよりUSB4×2、USB 3.1 Type-Cに訂正されました