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デル、独自タッチパッドが光る2in1「Latitude 9330」を6月発売

13.3型ディスプレイ搭載2in1の「Latitude 9330」

 Dell Technologiesは、2022年5月2日から5日(現地時間)まで、米ラスベガスで同社最大の年次イベント「Dell Technologies World」を開催。会期2日目に行なわれたDell TechnologiesのJeff Clarke副会長兼共同COOによる基調講演では、6月中にも全世界で発売される予定の「Latitude 9330」が公開された。

 3年ぶりとなったリアル会場での基調講演のステージ上には、13.3型ディスプレイ搭載2in1の「Latitude 9330」が置かれ、その最大の特徴となる独自の「コラボレーションタッチパッド」について説明を行なった。

基調講演で公開されたLatitude 9330のコラボレーションタッチパッド
独自のコラボレーションタッチパッドを搭載

 タッチパッド上部に、Web会議時に便利なマイクのミュートおよびミュート解除機能、カメラのオン/オフ機能、Zoomでの画面共有やチャットが行なえるアイコンを表示。会議が終了するとアイコンが消えて、全体をタッチパッドとして利用できる。

 基調講演で、Dell Technologies クライアントプロダクトグループ上席副社長のRahul Tikoo氏は、「多くの人が約2年前から、Zoomを使って、何時間も会議を行なうようになったが、これからもその状況は続くだろう。

Dell Technologiesの副会長兼共同COOのJeff Clarke氏(右)と、クライアントプロダクトグループ上席副社長のRahul Tikoo氏。テーブルの上にあるのがLatitude 9330

 しかも、複数のウィンドウやタブを開いているときは、いまだにミュートを解除するのに苦労しているのが現状だ。Latitude 9330は、Zoomのコントロール機能を指先に集約可能なPCであり、すべての会議で最高の環境を提供できる」と説明した。

 また、Dell Technologiesの副会長兼共同COOのJeff Clarke氏は、「タッチパッドがイノベーションになるのは初めてのこと。今後、ハイブリッドワークが増える中で、コラボレーションはますます重要になり、そうした環境において、Latitude 9330は優れた体験を提供できる」と述べた。

 16:10のInfinityEdgeディスプレイを搭載。第12世代Core i7プロセッサを採用し、Wi-Fi 6Eや5G、4G LTEへのオプション接続が可能だ。また、RGBカメラとIRカメラを別々に備えたフルHDカメラも搭載。Latitudeシリーズの中では、最薄を実現しているという。

Latitudeシリーズの中では最薄となるLatitude 9330

 さらに、Dell Optimizerの最新AI機能を組み合わせることで、パーソナライズ化した環境を実現。インテリジェントオーディオ機能により、バックグランドノイズを削除したり、世界初のマルチネットワーク同時接続機能により、2つのネットワークに同時に接続して、データやビデオのダウンロードを高速化したりできる。また、インテリジェントプライバシー機能では、背後からののぞき見防止を実現。他人が検出されると画面上の情報を隠し、目をそらすと画面を暗くするという。

インテリジェントプライバシー機能では、背後からののぞき見を防止する

 「会議中に、愛犬が背後に来ても愛犬が資料をのぞき見できず、相手には愛犬の声が聞こえない」と、ジョークを交えて紹介した。

 一方で、Latitude 9330では、環境への影響を最小限に抑えるために、製品に持続可能な製品材料を使用したという。

Latitude 9330は最新技術とともに持続可能な製品材料を使用

 キーボード部の44%はリサイクル素材で作られ、キーキャップは75%がリサイクル素材で作られているという。また、バイオベースのゴム製の脚が39%使用されており、ファンハウジングでは、リサイクルされた海洋プラスチックが28%使用されている。そして、100%リサイクルまたは再生可能な材料で作られた新しい梱包箱で出荷されることになる。

 Dell Technologiesで、ノートPCのサステナブルに設計を目指す「Concept Luna」と呼ぶ取り組みを開始しており、Latitude 9330でもこの考え方が生かされているという。

ノートPCにおけるサステナブルに設計を目指す「Concept Luna」
Concept Lunaでは内部にアクセスしやすいようにしている
Concept Lunaのネジは4個だけ

 Concept Lunaでは、マザーボードのサイズを70%削減したり、構成部品を20%削減したりといった設計により、CO2排出量の削減にも貢献。カーボンフットプリントでは50%を削減することを目指した設計としている。

Concept Lunaはカーボンフットプリントの50%削減を目指す
Concept Lunaは構造や部品を見直した

 さらに、筐体内部にアクセスしやすいように設計を変更。100個近いネジを使用していたものを、4個にまで減少。部品の交換作業などが容易になる設計を用いている。

 Latitude 9330では、ここまでのサステナブル化を進んではいないが、Dell Technologiesでは、今後、すべてのノートPCの設計、開発において、「Concept Luna」のビジョンを取り入れていく考えを示した。

 なお、Latitude 9330は、2022年6月に全世界で発売される予定であり、価格は現時点では未定としている。

 一方、開催初日に行なわれたDell Technologies 会長兼CEOのMichael Dell氏による基調講演では、「バンデミックはデジタルテクノロジの重要性をさらに強調することになった。そして、PCは私たちがつながり、どこからでも仕事ができるようになるために欠かせないツールになった。PCは、人々のエンゲージメント、生産性、コラボレーション、創造性の実現をサポートすることができる。Dell Technologiesは、PCではナンバーワンの企業であり、最も回復力が高いサプライチェーンを通じて、製品を提供できる」と述べた。

Dell Technologies 会長兼CEOのMichael Dell氏

 さらに、「いまや、90%の企業がオンプレミスとハイブリッドクラウドを一緒に使用し、75%の顧客が3つ以上の異なるクラウドを使用している。マルチクラウドの時代が訪れている。そして、次の未開拓分野は、データが作られる場所において、競争優位性をつくることである。エッジにおいて、自動化され、知性を持ち、継続的にデータを収集、保存、分析、改善していく環境が求められ、そこには高い性能が必要になる。Dell Technologiesはすでに準備が整っている。これにより、さまざまな社会課題を解決できる」などと語った。

 Dell Technologies 共同COOのChuck Whitten氏は、「PCは生産性を上げるためのツールとしての役割から進化した。PCがオフィスそのものになり、電話になり、Web会議になり、ショッピングモールとなり、エンターテイメントの場にもなった。そして、企業においては、従業員エクスペリエンスのゲートウェイになった。会社が最高のPCを提供してくれないのであれば、他社を探そうと思っている社員も増えている」と前置きしながら、「だが、PCには未解決の課題もある。Web会議は対面での会議に比べて不自然なままである。そして、より高い管理性を持って、セキュリティを実現する必要がある。こうした点を解決していく必要がある」などと指摘した。

Dell Technologies 共同COOのChuck Whitten氏

 なお、Dell Technologies Worldの会期中には、as a Serviceである「APEX」ポートフォリオの強化や、ストレージである「Dell PowerStore」や「Dell PowerMax」の機能強化などを新たに発表している。