ニュース

NVIDIAのArm買収実現は最短でも半年先。英政府、安全保障を理由に2回目調査

 イギリスデジタル・文化・メディア・スポーツ省のナディン・ドリーズ氏は16日、国家安全保障および市場の公平競争に関する立場から、競争・市場庁(CMA)に対し、NVIDIAによるArm買収提案について、詳細な第2回目の調査を依頼する書簡を送付した。

 第2回目の調査は24週間を予定しており、場合によってはさらに最長8週間延長されるため、NVIDIAのArm買収実現は早くても2022年5月以降に先送りされることとなる。

 NVIDIAは400億ドル規模でArmの買収を提案しているが、CMAの第1回目の調査レポートによれば、買収によってデータセンター、IoT、自動車、ゲームアプリケーションという4つの主要市場において、企業間の競争が大幅に減少する可能性があることを指摘。また、国家安全保障の観点からさらなる調査の対象とすべきとした。

 Armは主に半導体の知的財産ライセンスを提供しているが、全世界で数百億のArmチップが採用されており、スマートフォン、家庭、自動車、企業内のさまざまなデバイスにかなりの割合で含まれている。

 デバイス個々に関しては、必ずしもそれ自体が「クリティカル」に分類されるわけではないのだが、セキュリティおよび広範なサプライチェーンの回復は、英国の国家安全保障にとって重要であるとし、「今回の買収による影響を十分に考慮する必要がある」とドリーズ氏は述べている。