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第1節終了時点の首位はv6プラス FAV Rohto Z! ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021開幕! 第1節 Day2レポート
2021年10月8日 15:18
10月5日に開幕した「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021(以下SFL 2021)」。本日は10月5日の第1節 Day1に続くDay2として、2試合が行なわれ、これにて第1節の全行程が終了する形となる。
2020年までのシーズンでは参加チーム数が6チームだったため、1節の全行程を1日で終えていたが、本シーズンでは8チームとなったため、1節を2日に分けて行なう形となっている。Day2の進行と実況は大和周平氏、解説はハメコ。氏で進められた。リポーターは今回も高木由梨奈氏と安藤咲良氏が担当。なお、本文中の選手名については敬称を略している。
Day2の1試合目はコミュファDetonatioN VS 名古屋OJA BODY STAR、2試合目はSaishunkan Sol 熊本 VS v6プラス FAV Rohto Z!ということで早速Day2の模様をレポートしていきたい。なお、配信内容については、アーカイブが公開されており、後からでも自由に閲覧できる。
レモンっぽいアロマで反応速度が向上? アウェイの大将戦を勝ち切るどぐらベガの猛攻
1試合目のホームはコミュファDetonatioNで、出場メンバーは板橋ザンギエフ、ナウマン、竹内ジョン、立川。対するアウェイは名古屋OJA BODY STARで、出場メンバーはMOV、どぐら、あきら、オニキ。アウェイの事前オーダーは、先鋒戦があきらのキャミィ、中堅戦はリーダーMOVの春麗、大将戦はどぐらのベガと発表された。
このオーダーに対してホーム側のコミュファDetonatioNには1分間の作戦タイムが与えられる。コミュファDetonatioNの最初の作戦タイムは、時間いっぱいメンバーたちが話し合いをしている雰囲気で会話が盛り上がっていたが、よくよく話を聞いていると、秘密の切り札である立川ダルシムをどこで出すか、といった話題に終始したまま、1分を告げるブザーが鳴る前にリーダーの板橋ザンギエフから「決まりました」の一声が出て作戦タイムが終了。
先鋒として名前が出てきたのは、作戦タイムで1度も名前の出なかった竹内ジョンのコーディ、リザーブは竹内の名が告げられた。おそらくアウェイのオーダー自体にあまり戸惑いはなかったため、予め立てていたオーダーで行くつもりだからこそのサービストークだったと思われる。
こうして竹内ジョンのコーディとあきらのキャミィによる先鋒戦が火蓋を切った。初戦はテンポよくあきらが1ラウンド先取。2ラウンド目、前半は変わらずあきらキャミィがリード、中盤は竹内ジョンコーディが反撃、鉄パイプを振り回すVトリガー「ダーティーコーチ」などでダメージを稼ぐが、最後は竹内ジョンコーディの隙を見逃さず、あきらキャミィのクリティカルアーツ「クロススティンガーアサルト」でまずは1勝。
2戦目も1ラウンド目はあきらが取得。2ラウンド目は序盤、竹内ジョンコーディが優性ながらも、あきらキャミィの投げ連打で今度は竹内ジョンコーディが追い詰められるが、最後はクリティカルアーツ「クリミナルパニッシャー」を見事に決めて竹内ジョンコーディが取り返す。ファイナルラウンドは間の取り方が絶妙なあきらキャミィながらも、竹内ジョンコーディが終始手堅い守りで主導権を握り、そのまま連勝してタイに持ち込む。
最後の3戦目は竹内ジョンコーディが堅い防御とタイミングのよい強打で押し切り、1ラウンドを先制してリーチ。2ラウンドも強打撃で攻め立てて、あきらキャミィのペースを作らせず、最後はVトリガーの「ダーティーコーチ」で見事に勝利!ホームのコミュファDetonatioNが先鋒戦を勝ち取った。
続く中堅戦はホームのコミュファDetonatioNはリーダー板橋ザンギエフのアビゲイル、アウェイの名古屋OJA BODY STARも同じくリーダー、MOVの春麗との1戦となった。
1戦目、板橋ザンギエフアビゲイルがかなり凶悪。MOV春麗がなす術もなく、連勝からまずは1勝、2戦目も終始板橋ザンギエフアビゲイルのペース!1ラウンドはパーフェクトゲームも飛び出す始末。2ラウンドはMOV春麗の善戦も見られたが、クリティカルアーツ「アビゲイラー」で形勢逆転、とどめの打撃で負けなしの圧倒的勝利となった。
試合終了後は、実況の大和氏が板橋ザンギエフに対して思わず「読み合いお化け」と漏らし、それに対してハメコ。氏からは「画面端に追い詰めて、しゃがみ弱キックから選択を迫る場面が3回あったんですが、全て板橋ザンギエフが読み勝ってるんですよ」と解説。それほどまでに圧巻のアビゲイルだった。
大将戦はホームがナウマンのさくら、対するはどぐらのベガの一戦だ。2連敗の名古屋OJA BODY STARはここで取り返してポイント的にはタイにしていきたいところ。
1戦目、1ラウンドはどぐらベガが力と技で翻弄し、最後は「サイコクラッシャー」後半部分のめくり判定をヒットさせる、サイコテイルで先ずは先取。2ラウンドは駆け引きでうまく読み勝ち、コンボをうまく決めたナウマンさくらが押し切るも、ファイナルラウンドはどぐらベガの立ち回りが手堅く最後は投げ合いからのフォローが決まって勝利し、まずは1勝。とにかくどぐらベガの防御が硬い。
2戦目、1ラウンドはナウマンさくらが果敢に攻めるが削り切れずに守り切り、逆にどぐらベガの反撃で1ラウンド先取。2ラウンド目もナウマンさくらが読み勝つ場面があっても攻めきれず、引き続き守りが堅く、ガード後の駆け引きのうまさで、どぐらベガが2連勝でリーチとなる。
3戦目、1ラウンドはナウマンさくらが慎重な攻めで削り、トドメはクリティカルアーツ「桜の雨」でバッチリ決めてようやく1ラウンド先取。2ラウンドもナウマンさくらのペースで試合は展開するが、どぐらベガが取り返す。ファイナルラウンドはナウマンさくらが「さくら背負い」や「咲桜拳」の削りをうまく活かし、きっちり取って1勝を返した。
4戦目、1ラウンドは戦法を少し変えて挑むナウマンさくらがパーフェクトを勝ち取る。ハメコ。氏によると「先ほどと違い、ちょっと離れた距離から小技が先に触るような素振りが見える」とのことで、これまでと比べるとナウマンさくらの攻撃が目に見えてヒットしまくっていた。
2ラウンドもナウマンさくらのペースで試合は進むが、どぐらベガが対空で迎撃してから一気に形勢逆転、取り返す。ファイナルラウンドは当初どぐらベガのペースだったが、見事なナウマンさくらの攻勢でスタンを奪い、手堅いとどめで2勝目を勝ち取った。
運命の5戦目、1ラウンド目は引き続きナウマンさくらがペースをつかんで攻めるも「咲桜拳」をかわしてからのどぐらベガが一気に攻勢に躍り出る。最後も攻め急がず、堅実な守りを維持してまずは1ラウンド先制。2ラウンド目もどぐらベガが堅実な守りで連勝で大将戦を勝利!スコアは2-2のドローとなった。
コミュファDetonatioNのチームインタビューにて、リーダーの板橋ザンギエフは「最終的にスコアは2-2なので悪くない。段取りも見えたので次に繋げていく。やり口も徐々に見えてくるんじゃないか、そういう取り組みが大事なんじゃないか」と長期のリーグ戦である事のゆとりを感じさせるコメント。ホームである事のメリットを聞かれると「ストリートファイターVは準備ゲーなので、事前準備で出せた物も出しきれなかった物もあった」とした。
ボンちゃんサガットの圧倒的な攻めでアウェイながらも高ポイント獲得
続く2試合目はホームのSaishunkan Sol 熊本とアウェイのv6プラス FAV Rohto Z!のカード。Saishunkan Sol 熊本の出場メンバーは、ネモ、Shuto、NISHIKIN、ヤナイ、v6プラス FAV Rohto Z!はsako、りゅうせい、ときど、ボンちゃん、となっている。
そして事前申請のアウェイ側オーダーは、先鋒はりゅうせいのユリアン、中堅がときどのユリアン、大将はボンちゃんのサガットと発表された。これに対してSaishunkan Sol 熊本の作戦タイムでは、メンバーたちが口々に予想通りとの発言であっさり事前に想定されていたオーダーに決定。リーダーのネモから「いってらっしゃい」の言葉とともに作戦タイムは終了となり、オーダー発表。先鋒戦はNISHIKINのブランカがアウェイのりゅうせいユリアンに挑むと発表される。
1試合目、1ラウンドはユリアンの強力な打撃がガンガン決まってまずは先制。2ラウンドもりゅうせいユリアンのVトリガー「エイジスリフレクター」を活かしたコンボがガンガン決まって2連勝でりゅうせいユリアンが1勝目。
2試合目、1ラウンドはNISHIKINブランカがエレクトリックサンダーをうまく活かして勝利を獲得。2ラウンドはりゅうせいユリアンがVトリガー「エイジスリフレクター」による連携でここを取り返す。ファイナルラウンドは立ち回りでNISHIKINブランカが圧倒し、こちらも1勝となった。
ところが3試合目、1ラウンドはNISHIKINブランカ優勢ながらも、りゅうせいユリアンが逆転して1勝、2ラウンド目はりゅうせいユリアンが接戦を制してアウェイながらも1勝を勝ち取った。とにかくVトリガー「エイジスリフレクター」の使い方が非常に巧みな印象を受けた。
続く中堅戦はShutoのユリアン、そしてアウェイはときどのユリアンというユリアンミラーマッチだ。ユリアンの同キャラ対戦は面倒くさいとハメコ。氏の解説もあり、勝負の行方が気になるところ。なお、カラーリングについては、青がときどユリアンで、紫がShutoユリアンとなっている。
1試合目、1ラウンドはときどユリアンが押し切る形で先取。2ラウンドはShutoユリアンが小刻みに体力を削っていくが、Vシフト「サンクションキック」でかわして「バイオレンスニードロップ」を決めたShutoユリアンが勝利。ファイナルラウンドはときどユリアンの「デンジャラスヘッドバット」で勝利し、まず1勝。
2試合目、1ラウンドは、Shutoがまず獲得。2ラウンドはShutoが削りまくってから待ちで固めての、最後はきっちりVシフト「サンクションキック」で攻撃をかわしてのカウンターで連勝し、1-1のタイへともつれこむ。
最終3試合目、1ラウンドは「メタリックスフィア」の撃ち合いを制してShutoユリアンが1勝し、マッチポイント。2ラウンド目もときどユリアンの果敢なコンボがガンガンと決まるも決定打にはならず。Shutoの固い守りを崩せず、最後は対空で決めたホームのShutoユリアンが中堅戦を勝ち取った。
そして迎えた大将戦、ネモのギルがボンちゃんのサガットを迎え撃つ。解説のハメコ。氏によれば「ギルには投げ以外の攻撃を受け止められるVスキル「ブロッキング」があり、飛び道具合戦をしながら一方的にゲージを貯められるため、飛び道具が強いサガットに対しても優勢に戦える。また自身も飛び道具を持つため、飛び道具合戦でも撃ち負けずに戦えるのが大きなポイント」としている。
いよいよ1試合目、1ラウンドはボンちゃんサガットが飛び道具「タイガーショット」の連打を軸に打撃などを絡めた巧みな攻撃を続け、一方でネモギルの攻撃に対してはうまく防御を入れる事で、ネモギルを端に追い詰めてまずは1勝、2ラウンド目もボンちゃんサガットの丁寧な試合運びで、優勢に試合を運び2連勝で1勝。
2試合目の1ラウンドはネモギルの初手の飛び道具をジャンプでかわすボンちゃんサガットへ対空から攻撃を繋げて大ダメージを取っていく。その後Vトリガーなどを巧みに使い反撃に転じるボンちゃんサガットに対して、ネモギルはクリティカルアーツ「セラフィックウイング」で見事1ラウンドを獲得。
2ラウンドはゲージもMAXなボンちゃんサガットが対空やクラッシュカウンターなど巧みな攻めでネモギルを削る。負けじとネモギルも巧みなコンボなどで端にサガットを追い詰めて削るなど一進一退の攻防が続く。だが、ネモギルが流れを作ろうとしても、その手前でボンちゃんサガットが流れを断ち切る手数の多さで強気の攻めを見せ、このラウンドはボンちゃんサガットが取り返す。
迎えたファイナルラウンド、ボンちゃんサガットがタイガーショットの連打を軸にネモギルを追い詰めれば、こちらはクリティカルアーツで反撃など、ギリギリの接戦が続く中、ボンちゃんサガットの的確な状況判断からタイムギリギリながら2勝目をもぎ取った。
3試合目は1ラウンドをネモギルが、炎属性付与による継続ダメージやコンボによる大ダメージなどで取る。続く2ラウンドも、ボンちゃんサガットの対策を先読みして仕掛けたネモギルが連勝で1勝を取り返す。
そして4試合目、1ラウンドは冷静な立ち回りを見せたボンちゃんサガットが勝利、2ラウンドもサガットが優勢に試合を運び、最後は飛び道具を弾抜けしながらの「タイガーアッパーカット」で連勝、一気に勝負を決めた。
v6プラス FAV Rohto Z!のチームインタビューでは、大将を任されたボンちゃんから「大将戦で挑んでくるであろうネモに対して、ときどとボンちゃんでどちらがネモと勝率が高いかという話になったが、そこでときどから、任せます、と。大将を任されたからには俺がやるしかないということで、勝利できて満足」とオーダー時のエピソードを絡めて大将になった経緯や大将戦を勝ち取った感想を満足げに語った。
先鋒戦、大将戦をアウェイのv6プラス FAV Rohto Z! が制したことで、スコアとしてはホームのSaishunkan Sol 熊本が1ポイント、アウェイのv6プラス FAV Rohto Z! が3ポイントとなった。
次回は10月12日の20時からライブ配信!
以上第1節 Day2の2試合の模様を簡単にレポートしてみた。Day1に続き、今回からの新ルール「ホーム&アウェイ事前オーダー制」におけるホームの優位性が感じられる展開もあれば、ルールを意識したオーダーでアウェイながらもスコアを稼いだ各チームの戦略が楽しめた。
一方で選手たちからも疑問の声が上がっていたのがホームチームに与えられる作戦タイムだ。Day1でも感じられたが、どのチームも1分の作戦タイム、特に中堅戦時の作戦タイムについては、1分は長く感じられるようで、そのことについて触れる選手も見られるなど、新ルール適用直後ならではの困惑も感じられた。
ホームチームはその場でオーダーを決められるという優位性がある反面、歴戦のプロ選手たち同士の戦いのため、オーダーはお互いにある程度予想できるし、板橋ザンギエフの発言にもあったように、色々な準備を事前にしているので、直前で奇抜な作戦などは取らず、練習を前提にオーダーを組むことになる。そのため、最初の作戦タイムで参加選手とリザーブ、使用キャラクターはほぼ決まってしまうことから中堅戦の作戦タイムが単なるチームメンバーたちの雑談のようになってしまう場面も見られた。
一方でDay1のGood 8 Squadのように、想定外のオーダーでアウェイながら全勝をもぎ取った例もあるので、今後もこの「ホーム&アウェイ事前オーダー制」をどう活かすかがリーグ戦のスコアを左右する事になるかもしれないと感じられた。
また、1節を終えた段階での速報値のチームスコアも発表された。このスコアには第1節の試合結果のほか、9月に行なわれた「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021 プレシーズン大会」において優勝を飾ったときど所属のv6プラス FAV Rohto Z!に2ポイント、準優勝の竹内ジョン所属のコミュファDetonatioNに1ポイントが加算された状態となっている。
1節終了時のトップはトータル5ポイントでv6プラス FAV Rohto Z!。2位はGood 8 Squadの4ポイント、3位はコミュファDetonatioNの3ポイント。最下位は0ポイントの魚群となっている。まだ1節、先は長いが、このスコア差が今後どのように影響するのか、今から次の試合が待ち遠しい。
なお、本シーズンでは1節を2日に分けて開催するため、Day2の後にはその節のダイジェスト番組も別途配信していく。
次回、第2節 Day1は来週10月12日20時からの開始で、次回カードは1試合目がホームの名古屋OJA BODY STAR VS アウェイのSaishunkan Sol 熊本、2試合目はホームのv6プラス FAV Rohto Z! VS アウェイの魚群の2戦が行なわれる。
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