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匿名化やオンデバイス処理の活用でユーザー情報を保護するGoogleの取り組み

 Googleは23日、同社のプライバシーへの取り組みに関するメディアセミナーを開催。Privacy and Data ProtectionチームのProduct ManagerであるGreg Fair氏より、Googleのプロダクトに関する各種取り組みなどについて説明が行なわれた。

 Googleでは、ユーザーの役に立ち、信頼できるパートナーであることをミッションの中心に据えており、その中でプライバシーやセキュリティに関する取り組みを長年続けてきたという。各製品においては、プライバシーや安全性、セキュリティを常に重要視しているとする。

 そのうえで2021年のGoogle I/Oでは、直近15分の検索履歴をワンタップで削除できる「Quick delete in Search」や、Googleフォトのパスワードロック付きフォルダ、パスワードマネージャの強化など、各種プライバシー関連機能の強化について発表。これらは開発段階からプライバシーを重視し、ユーザーの個人情報は自身が簡単にコントロールでき、高度なセキュリティでユーザーを保護するといった原則に基づいたアップデートだという。

Google Privacy and Data Protectionチーム Product ManagerのGreg Fair氏
これまでの取り組み
Google I/Oで発表した機能強化

 続いて、ユーザーの1日を例にとって様々な情報の取り扱いについて説明。例えば位置情報については、Googleマップでは渋滞などといった交通情報が得られるが、これはユーザーの位置情報を匿名化してGoogleに送信し、周囲の匿名データと組み合わせることで提供している。

 また、同社の主な収入源でもある広告については、パートナーサイトやアプリ上で、検索履歴に基づいたものを表示する場合がある一方で、メールなどのユーザーの個人コンテンツや、人種、宗教などといった機微な情報は利用しないと説明。プライバシーを最優先とし、すべてのステップにおいて必ず個人情報が守られるような仕組みになっている強調した。

 検索結果に表示する広告については、検索内容に関連したものを表示し、広告であることを示すAd、Sponsoredといった表示も付ける。なお、有用なものがない場合は広告自体を表示していないという。これらの広告のカスタマイズは無効化することもできる。また、Googleアシスタントや、各種設定を確認できるプライバシー診断機能についても紹介が行なわれた。

位置情報について
メールのプライバシーについて
検索結果と広告
検索履歴に関連した広告の表示
音声アシスタントは呼びかけない限りスタンバイモードで待機している
広告に関するプライバシー保護の取り組み
簡単に自身のプライバシー設定を確認できる診断機能も用意
様々な匿名化技術でデータを守りながらサービスを提供

 そのほか、COVID-19のコミュニティモビリティレポートに活用した差分プライバシーや、Gboardの入力予測などに用いられるフェデレーションラーニング、字幕起こしやスマートリプライなどをオンデバイスで実現するAndroid Private Compute Coreなどの新たな技術についても紹介。オープンソースで誰でもその匿名性を検証できることからも、利用者のプライバシーを保護しつつ、サービスを提供できているとする。

 データの透明性やセキュリティ、プライバシーへの関心が高まる中で、同社ではユーザーの情報を安全に管理し、保護することが責任だとし、ユーザーに製品を信頼して使ってもらっていることを真摯に受け止めていきたいとした。