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シャープ、国産不織布マスクに「抗菌」タイプ。銀イオン配合で細菌の増殖を抑制

不織布マスク(抗菌タイプ)

 シャープは、6月2日から不織布マスクの新製品として、銀イオン(Ag+)の抗菌作用によってマスク表面の細菌の増殖を抑制する「不織布マスク(抗菌タイプ)」の販売を開始する。

 ふつうサイズと小さめサイズの2種類を用意し、同社のECサイトであるCOCORO STOREで販売する。

 販売方法は従来のマスクと同様に、抽選販売と定期便サービスの2種類を用意。抽選販売の場合には、当選すると、購入時に通常タイプか、抗菌タイプを選択できる。価格は、抽選販売の50枚入りが2,860円(送料別)で、6月2日抽選分の当選者から選択して購入ができる。

定期便サービス(30枚入り)
装着例

 従来の不織布マスクの価格は、1箱50枚入りで2,950円であり、抗菌タイプの方が安くなるが、2箱以上の場合には1箱2,475円となり、抗菌タイプの方が高くなる。また、定期便サービスは、従来の不織布マスクが1,650円であり、単価は55円であるのに対して、抗菌タイプの単価は57.2円になる。

 「不織布マスク(抗菌タイプ)」のパッケージには、「Ag+」のマークが入る。現時点では、マスクそのものには「Ag+」のマークは入らないが、今後、検討していくことになるという。

 銀イオンには抗菌作用があることが知られており、食器やまな板、化粧品、衣類、衛生用スプレーを始めとした幅広い用途に活用されている。

 今回発売する不織布マスク(抗菌タイプ)は、無機(銀)系抗菌剤を外側の不織布に配合することで抗菌効果を発揮する。

 同社では、「外側のスパンボンドに、不織布としての性能を損なうことなく、抗菌作用を持つ無機(銀)系抗菌剤を配合し、マスク表面での細菌の増殖を抑制することができる。抗菌効果によって、より衛生的なマスクを提供できる」と説明する。

 また、従来製品同様に、ウイルスや細菌の飛沫、花粉、微粒子を、99%以上カットするフィルタを採用。「立体三層構造で、花粉よりもさらに小さいウイルスや微粒子からもしっかりガードし、咳やくしゃみによる飛沫拡散を防ぐのにも効果的である。VFE試験やPFE試験でも99%以上の結果を確認している」とする。

 高密度フィルタの採用により、PM2.5や花粉の対策としても利用でき、撥水性を持たせることでフィルタ性能の低下や飛沫の拡散を防ぐ効果も高めている。

 さらに、伸縮性が高く、やわらかな耳ひもを採用することにより、長時間のマスク着用による耳などへの負担を軽減。形状保持力が高く、鼻のラインにぴったりフィットするノーズフィッターにより、マスクと顔の隙間を減らし、ウイルスや微粒子などの侵入を抑制するとともに、メガネの曇りも抑える。

 シャープでは、液晶パネルの製造が可能な三重県多気町の同社三重工場内のクリーンルームで不織布マスクを生産している。

 今回の不織布マスク(抗菌タイプ)の生産に関しては、従来から稼働している11台の設備を、改造せずにそのまま使用。不織布の1層を抗菌加工している材料に変更するだけで、新たな製品の生産が可能だ。

 そのため、材料の調達次第で、同工場の最大生産量の範囲内で、不織布マスク(抗菌タイプ)の生産数量を増やすことができる。「抗菌タイプを新たに製品ラインナップに追加したことで、より衛生的な生活に貢献できる」としている。

 なお、「不織布マスク(抗菌タイプ)」は、9月30日まで開催中の「マスク販売1周年記念!巣ごもり生活応援キャンペーン」の対象商品となり、巣ごもり生活関連製品やサービスを組み合わせた対象セット商品を、COCORO STOREの販売価格から最大40%オフで購入できる。

 マスク購入月の翌月1カ月間、特設サイトに招待し、期間中は何度でも繰り返して利用できる。また、販売するセット商品は、毎月入れ替えを行なう。

 シャープのマスクは、2020年4月27日から抽選販売を開始。累計生産枚数は、2020年11月6日に1億枚に到達。2021年3月25日に累計2億枚に到達している。抽選販売への応募総数は、ふつうサイズが921万8,831人、小さめサイズが28万570人となっている。