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富士通の世界最軽量モバイルノート追求はこれからも。FCCL大隈新社長が宣言

FCCL取締役会長の齋藤邦彰氏(左)と、新しく代表取締役社長に就任した大隈健史氏

 富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)は4月1日、新社長就任会見をオンライン開催した。

 同社は3月に4月1日付けで、代表取締役社長職が齋藤邦彰氏から、Lenovo PCSD アジアパシフィックSMBセグメント担当エグゼクティブディレクターを務めていた大隈健史氏に移ること、そして齋藤邦彰氏が取締役会長に就くことを発表していた。

 就任会見では齋藤氏と大隈氏の両名が登壇し、これからの方針などについて説明した。

 まず齋藤氏は、レノボ傘下のFCCLとなり、2018年5月1日から今日までで、その成果を示すとしていた「Day 1000」を迎え、自信を持ってバトンを渡すことができるとし、大隈氏を紹介。大隈氏は、早稲田大学を卒業後にマッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルティングに従事した後、2012年にレノボグループに入社し、直近ではシンガポールからアジアパシフィック全体の中小企業のビジネス統括者を務めてきた自身の経歴を述べ、新社長としての挨拶を行なった。

 齋藤氏は、人々の生活をより豊かにするためのコンピューティングの社会実装という、これまで続けてきたFCCLの方針は変わらないと明言。PCは人と人をつなぐインターフェイスであり、市場や環境が変化しても、人に寄り添ったコンピューティングを続けていくことが大切であるとした。

 また、FCCLの代表的な製品となった世界最軽量モバイルノート「UH-Xシリーズ」についても、現時点ですでに634gという軽さながら、最軽量モバイルノートを追求していくことをやめないとし、それ以外にもユーザーにベストフィットするポートフォリオやインフラストラクチャ、AIアシスタントの「ふくまろ」のようなソフトウェア面まで、これまでどおり広範囲にしっかりとサポートを行なっていくと述べた。

 一方で、さらなる進化が求められるとも述べ、それについては大隈氏が引き継いで説明を行なった。

 大隈氏は、レノボについて世界で6万人の従業員を抱え、5兆円の売上高を生むグローバル企業であること、FCCLについては世界有数のITソリューション企業であり、DX(Digital Transformation)を強力に推し進めるとともに、世界最軽量のモバイルノートの開発や、ふくまろといったAI技術にも投資を進めているといった、それぞれの特徴を説明。

 今後については、大隈氏自身が感じたアジア地域でのMade in JapanのPCへの期待が高まっていることから、FCCLのPCのアジア地域への展開を進めていくとする。さらに、日本ではあまり知られていないものの、レノボが世界で展開しているPC以外の製品やサービスを国内で展開することに挑戦していきたいとした。

 大隈氏は続けて、今年(2021年)で富士通のPCが40周年を迎える年であり、斎藤氏からバトンを受け継いでFCCLをリードしていけることに非常に喜びを感じているとし、今後もアグレッシブにお客様に貢献していきたいとの抱負を述べた。

 このほか、レノボとNEC PCに対するFCCLの存在意義として、両社の間に立ってFCCL独自の立ち位置を築いていくことが課題になっていくと説明。コンシューマPCについてはこれまでと変わらずに、世界最軽量モバイルノートをさらに追求するとともに、高付加価値のPCを提供していくとした。

会見では斎藤会長がFCCLの王冠とするふくまろの帽子を大隈新社長に贈呈する一幕も見られた