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NZXT製Mini-ITXケース「H1」の発火問題で公式が謝罪。直販から削除

H1の問題箇所と暫定対処法(ネジを外す)

 NZXTは1日(現地時間)、同社のMini-ITXケース「H1」の設計の不具合によって発火の恐れがあるとし、その原因の詳細と米国内での対応について発表した。なお、日本ではすでに12月よりリコール対象とされており、ナイロン製ネジを含む修理キットを送付したり、代理店がネジ交換による修理対応をしている。

 H1は、Mini-ITXマザーボードや電源などを縦一列に並べ、ビデオカードをマザーボード背面に回す構造により、長尺ビデオカードを搭載してもフットプリントを抑えるケース。簡易水冷組み込み済みなのも特徴だ。

 H1では、ビデオカードをマザーボード背面に回すさいにライザーケーブルが用いられているのだが、標準ではライザーケーブルを固定するネジが金属製となっており、これがPCB内部の回路とのあいだでショートを引き起こし、発火に至ってしまう恐れがあるという。

 ライザーケーブルはNZXTカスタム品なのだが、デザイン、エンジニアリング、検証のプロセスで、12V電源レーンとネジとのクリアランスの問題について発見できず、結果的にユーザーが組み立てる段階で12V電源レーンとケースがショートしてしまったことが、発火の根本的な原因である。

 ナイロン製ネジを用いれば問題はたしかに発生しないものの、上記問題の抜本的な解決にはなっておらず、ナイロン製ネジを送付してもユーザーが交換しなかった場合など、安全性に対する潜在的な問題がある。

 そこでNZXTは公式ストアからH1を取り下げ、販売しないこととした。米国消費者製品安全性委員会(CPSC)にも報告済みで、CPSCからもまもなくリコールが発表される。NZXTおよびNZXT BLDで購入した製品に関しては、全額返金に応じる。

 冒頭で述べたとおり、日本国内においてH1はすでにリコール対象となっている。対策せず使っているユーザーは、ただちに使用を中止し、代理店に問い合わせをされたい。

H1