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Surface Pro 7+は日本の企業/教育機関向けに開発
2021年1月21日 14:00
2020年1月15日から出荷を開始した「Surface Pro 7+」に関して、米Microsoft Surfaceマーケティング担当コーポレートバイスプレデジデントであるマット・バーロゥ氏が取材に応じた。
バーロゥ氏は、「Surface Pro 7+は、日本の多くの法人ユーザーや教育機関、パートナーから、変化が激しい現在におけるニーズをじっくりと聞き、そのフィードバックをもとに進化させて作り上げたものである。日本の企業、日本の教育機関のために構築されたものであり、日本の市場向けにもちょうどいいタイミングでリリースができた。日本の法人や教育機関に届けられることがうれしい」と語った。
また、「Surface Pro 7+の発表から10日が経過したが、日本をはじめとする世界中の法人ユーザーから高い評価を得ている。かなりの受注がある」などと述べた。
Surface Pro 7+は、Surface Proシリーズの象徴的なフォームファクタを踏襲しつつ、第11世代Coreプロセッサを採用。従来モデルと比較して、約2.1倍の性能とともに、最大15時間のバッテリ駆動時間を実現。LTE Advancedモデルを新たに用意しているのが特徴だ。中小企業から大規模企業、教育機関のニーズを念頭に置いてデザインしたという。
バーロゥ氏は、「今回のSurface Pro 7+は、ユニークなタイミングで発売する製品となった。企業では、さらに在宅勤務が長期することを認識しており、それに伴い、具体的な要望が増えてきた。たとえば、LTEによる接続がほしい、最新の第11世代のプロセッサを搭載してほしい、バッテリ駆動時間を長くしてほしいといったものであり、そうした要望を反映し、それを望む顧客のために出荷を優先した」とコメント。
「Surface Pro 7+という名称は、標準的に利用されているSurface Pro 7をベースに強化したことを示す意味がある。+という名称には、LTE対応、新たなプロセッサの搭載、長時間バッテリ駆動といった市場の要望を実現した意味を込めた。フォームファクタを維持し、次世代の性能を提供し、さまざまなアクセサリがそのまま使えるということが、+という意味である」と述べた。
また、「Surface Proシリーズの象徴的なフォームファクタの採用は、多くの法人ユーザーが求めているものである。アクセサリやケーブル、ドッグの再購入の心配がなく、その上で機能面の強化を図ってほしいという要望があった。
接続性に対する要望も高く、それに応えるために、LTE Advancedモデルを用意したことで、利用者はどこにいても、接続性を保つことができる。エッセンシャルワーカーにとっても、在宅勤務をしているユーザーにとっても、信頼性の高い常時接続環境を実現できる。働く人や学生にとって、Surface Pro 7+は、もっとも魅力的なデバイスである。法人や教育機関に向けて、もっとも汎用性が高いデバイスと言える」などとした。
市場調査会社のIDCでは、ネットワークに常時接続するデバイスの出荷は、2021年には77%増加すると予測しており、同氏はこの成長にSurface Pro 7+が貢献することを示しながら、「LTEのオプションは、もっとも要望が多かったものの1つである。在宅勤務の環境では、働く時間帯に、家族がNetflixを視聴したり、Xboxでゲームをプレイしたりといったこともあり、Wi-Fiの帯域幅の問題が発生しやすい。LTE Advancedによる接続が加わったことで、どんな環境でも、セキュアな環境で仕事ができる。日本のユーザーにとっても最適な接続環境を提案できる」とした。
さらに、バーロゥ氏は、Surface Pro 7+がリモートワークに最適なデバイスであることも強調した。
「Surface Pro 7+は、人と人とのつながりにもっとも適したデバイスである。これまでにもカメラやマイクの性能に対しては継続的な投資を行なっており、今回の製品でも、1080pのフルHD対応の前面カメラと背面カメラの搭載、Dolby AtmosスピーカーやDual far-fieldスタジオマイクも搭載している。ビデオ会議で、見え方や聞こえ方を重視したい人はSurface Pro 7+を選択してほしい」とする。
また、「タブレット、ラップトップとしての利用だけでなく、外部ディスプレイを接続したデスクトップとしての利用、ペンで描くようなスタジオの形態でも利用できる。4つのデバイスが1つになったようなものである。そして、どんなITリテラシーの人でも使えるのも特徴だ」と述べた。
リムーバブルSSDのほか機種への採用も検討
Surface Pro 7+は、Surface ProシリーズとしてはじめてリムーバブルSSDを採用している。
これについて、バーロゥ氏は、「セキュリティ、プライバシー、データ保持のニーズに対応することができる。企業や従業員が自分の情報に対して、より柔軟にコントロールできるようになる。着脱可能なSSDを採用することで、高いセキュリティ基準を求める企業のリモートワークにも対応できる」とする。
デバイスをリプレースしたり、廃棄する場合にもリムーバブルSSDは便利であることも示した。
Microsoftでは、Surface Pro 7+のリムーバブルSSDの取り外しについては、Microsoft認定パートナー企業や、IT部門による作業を推奨している。今回の製品の販売ルートが、法人ルートおよび教育機関が対象となっており、個人ユーザー向けの販売がない。そのため、個人が自ら交換することは想定していないというのがその理由だ。
なお、リムーバブルSSD は、Surface Laptop 3やSurface Pro Xでも採用されているが、ほかの機種への展開については、「適切なタイミングで、適切なデバイスに付与していく」と述べた。
いまもっとも求められているのがSurface
Surface Pro 7+は Windows Enhanced Hardware Security機能を有効としたかたちで出荷。電源を入れた瞬間から、IT部門が物理的に触れることなく、デバイスのライフサイクル全体にわたってクラウドを介して管理、更新ができる。これにより、IDを保護し、悪意のあるドライバーやサプライチェーン攻撃からデバイスを保護できるとした。
今回のSurface Pro 7+では、配送についても改善を図っているという。
「従業員がどこにいても、簡単にデバイスを届けられるようにしたい、より環境に優しい梱包にしてほしいという声を受け、法人向けには新たなパッケージを用意した。これは、23%軽量化しており、梱包材には、99%が天然繊維をベースにした素材を使用。そのうち、64%がリサイクル素材でできている。これは、Microsoftのサステナビリティへの継続的なコミットメントを反映したものである」とした。
一方、バーロゥ氏は、Surfaceを取り巻く環境と、Microsoftの姿勢、製品化に向けた基本的な考え方も示した。
「この数年間、働き方も、働く場所も、使うツールも進化してきた。それが、この1年間のリモートワークの浸透によって、さらに加速されている。管理職の82%が、パンデミック後には、より柔軟な在宅勤務ポリシーを持つようになると考え、従業員の71%が少なくとも部分的に在宅勤務を続けたいと考えている。
この1年間は、リモートで働き、学び、生活をしてきた。そして、つながるためには、テクノロジが重要になっていることも理解された。Microsoftは、生産性、創造性、つながりを生み出すテクノロジにコミットしている。場所がどこであっても、すべての個人が、仕事と学びを成功させるようにする。あらゆる企業、学校が、継続的に適用し、進化するためのデバイスがますます必要になると考えている」とする。
続けて、「テクノロジにアクセスするための主たるデバイスはWindowsパソコンになってくるだろう。そして、Surfaceのような柔軟性があり、生産性が高いデバイスを求める声はますます高まっている。それは、エンタープライズ市場において、Surfaceの利用率が前年同期比で倍増していることからも裏づけられる。
リモート勤務やリモート学習が進むなか、Surfaceの価値が認められており、世界中のさまざまな規模の企業や従業員にさまざまな可能を提供し、生産性、接続性、汎用性を提供できる。いま、もっとも求められているデバイスがSurfaceである」と語った。
なお、1月下旬から法人および教育機関向けに発売する予定の「Surface Hub 2S 85インチ」については、「ハイブリッドな働き方が求められるなかで、企業は大画面でコラボレーションが可能なデバイスの可能性を認識しはじめている。そうしたニーズに対応したデバイスになる」と位置づけた。