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スタンフォード大、10,000ppiを実現するOLED製造技術

〜ソーラーパネルの技術を応用

 スタンフォード大学および韓国の研究チームは22日(現地時間)、最高10,000dpiを実現できる超高解像度OLEDディスプレイ製造技術を開発したと発表した。

 今現在OLEDディスプレイは、RGBのサブピクセルが各々発光するタイプと、全体がホワイトに光り、フィルタによって最終的なサブピクセルの色を決めるタイプの2種類がある。前者は大型化がしにくいためスマートフォンのようなデバイスで使われていて、後者は焼付きが発生しやすいためTVのようなデバイスで多く使われている。

 このうち前者(RGBタイプ)が大型化しにくい要因の1つは、RGBサブピクセルは、各々の光の波長が異なるため、素材をエミッター上に不均等な厚さに配置する必要があり、それ自体が困難なことであった。

 今回開発されたOLEDディスプレイ製造技術は、ソーラーパネルにも使われている「optical metasurface(光学メタサーフェス)」と呼ばれる、ナノスケールの波形を持つ反射金属のベース層の採用。光の特性を操作でき、さまざまな色をピクセル内で共振させられる。これにより、各ピクセルを同じ高さに揃えることができ、大型でもマイクロスケールでもOLEDを製造しやすくなる。

 ラボによる試作品テストでは、白色OLED採用のものより色純度が高く、発光効率が2倍に向上したという。また、1インチあたり10,000ピクセルという超高解像度も達成できるとしている。

 実際のディスプレイの製品化に向け、現在Samsungと協業しており、TVのみならず、VRデバイスでの活用も期待される。