ニュース
低負荷なゲーマー向けノイキャン機能がASUS製B550マザーに搭載
2020年6月9日 16:31
ASUSは9日、オンラインでAMDと共同でカンファレンスを開催し、日本では6月20日より順次発売される予定の「B550」チップセット搭載マザー製品について解説を行なった。
B550チップセットは4月末に、エントリー向けのRyzen 3 3100、Ryzen 3 3300Xとともに発表されたチップセット。Ryzen 3 3100/3300Xは、低価格ながらPCI Express 4.0に対応するという特徴があったが、これまでメインストリームを担うB450チップセットでは対応できなかった。B550チップセットと組み合わせることで、ようやくその特徴を活かせる。
とくにRyzen 3 3300Xは低価格ながら3年前のCore i7-7700Kと張り合える性能を発揮しできており、シングルスレッド性能が重視される主流のゲームでは、十分な性能を提供できる。そのコストパフォーマンスを最大限に活かせるのがB550チップセットであり、注目が集まっているわけだ。
さらに、1月末に投入された「Radeon RX 5600 XT」は、ビデオBIOSの更新でビデオメモリ速度が改善し、リファレンスから性能がさらに10%向上、GeForce RTX 2060相当の性能を発揮できる。このRadeon RX 5600 XTもPCI Express 4.0に対応しているため、エントリー価格帯においてRyzen 3 3300XおよびB550との相性は抜群だと言える。
ちなみに、AMDは2016年発表当初からSocket AM4のサポートを少なくとも4年間続けると述べているが、公約どおり2020年のいまでもAM4は継続しており、今後リリースされるZen3アーキテクチャのCPUでも対応予定だ。
しかしご存知のとおり、Zen 2をベースとしたRyzen 3000シリーズは300シリーズのチップセットでは使えず、400シリーズが必要になっている。そして将来的に出るZen 3アーキテクチャは、これまで400シリーズをサポートしないとしてきたが、ここに来て、特定のマザーボードモデルにおいてベータBIOSを提供し対応するとアナウンスされた。仮にサポートされた場合、X470/B450はZen、Zen+、Zen 2、Zen 3をすべてサポートするチップセットとなる。
ASUSからリリースされる3ライン/11モデル
ASUSでは、B550チップセット搭載したマザーボードとして、3つのラインから11モデルを発売予定となっている。
・ゲーマー向けの「ROG STRIX」
- 「ROG STRIX B550-E GAMING」(ATX)
- 「ROG STRIX B550-F GAMING(WI-FI)」(ATX)
- 「ROG STRIX B550-F GAMING」(ATX)
- 「ROG STRIX B550-I GAMING」(Mini-ITX)
・ゲーマー向けで高耐久な「TUF GAMING」
- 「TUF GAMING B550-PLUS」(ATX)
- 「TUF GAMING B550M-PLUS(WI-FI)」(microATX)
- 「TUF GAMING B550M-PLUS」(microATX)
・汎用向けの「PRIME」
- 「PRIME B550-PLUS」(ATX)
- 「PRIME B550M-A(WI-FI)」(microATX)
- 「PRIME B550M-A」(microATX)
- 「PRIME B550M-K」(microATX)
ゲーマー向けのROG STRIXシリーズのトピックとしては、統合ユーティリティ「Armory Crate」上に、AIを使ったマイクノイズキャンセリング機能「AI NOISE-CANCELING MICROPHONE」を実装した点。この機能自体はNVIDIAのRTX Voiceと同じくAIの機械学習を用いてノイズをキャンセリングするものなのだが、GPUではなくCPU側で処理し、性能への影響を最小限に抑えている点が最大の特徴だ。
同社は「RTX Voice」だということを明言こそしなかったが、Ryzen 5 3600X、メモリ16GB、ROG STRIX B550-I GAMING、GeForce RTX 2060ビデオカードを搭載したシステム上において“同様の技術”を使用した場合にゲーム性能が13.24%低下したのに対し、ASUSの技術を使った場合はわずか0.5%の性能低下にとどまったという。
このほか「B550-E GAMING」と「B550-I GAMING」のみの特徴としては、「ALC S210」を用いたオーディオ専用のUSB Type-Cポートを備えている点が挙げられる。付属のUSB Type-C to 3.5mmジャックアダプタを利用すれば、マイクとヘッドフォンが1つの端子になっている手持ちのスマートフォン向けヘッドセットを接続できる。このポートでは電源入力ノイズを低減して、音質向上を図っている点もユニークだ。
このほか、バーチャルミキサー機能の「Sonic Studio Virtual Audio Mixer」が利用可能のほか、アドレサブルRGB LEDコントロールが第2世代に進化し、より高速な制御が可能になった点がポイントだ。
エントリーゲーミング向けの「TUF」シリーズでは、8+2フェーズのハイサイド/ローサイドMOSFETとドライバを統合した「DrMOS」を全面採用し、耐久性を高めた。また、CPUやメモリなどがなくても、USBメモリだけでBIOS更新が可能な「BIOS FlashBack」機能を新たに実装し、新CPU対応の柔軟性を高めた。このほか、Wi-Fi 6や、Realtekの「RTL8125B」による2.5Gigabit Ethernetの搭載などが特徴。
メインストリーム向けの「PRIME」シリーズは、新たにWi-Fiを搭載したモデル(PRIME B550M-A(WI-FI)を用意した点がトピック。上位モデルではThunderbolt 3拡張カード用のピンヘッダを用意するほか、温度センサーの値を参照してファン回転数を制御する「FAN Xpert 4」をサポートするのが特徴となっている。