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Facebook、政府支配下にあるメディアにラベルを付与

~報道上の独立性確保の観点から。米大統領選を前に

表示されるラベルの例

 Facebookは4日(米国時間)、政府の支配下にあると同社が判断したメディアのページや広告に対し、「政府の支配下にある」旨のラベルを表示すると発表した。

 理由として、政府支配下にあるメディアは「メディア組織の影響と国家の戦略的裏付けを組み合わせているため」と同社は説明する。

 加えて米国では国営メディアがFacebookに広告を出稿するのはまれとするが、今夏には政府の支配下にあるメディアの米国における広告出稿も禁止する。2020年11月に予定されている大統領選挙に向けてのメディア組織による干渉を防ぐ狙い。

 同社は、2016年の米国大統領選のさいにFacebookを利用したロシア政府の関係者による選挙介入が問題視されており、同社傘下のサービス「Instagram」も含めたコンテンツのファクトチェックや不正行為の監視を強化してきた経緯がある。

 ラベルの表示にあたっては、編集権が独立しているか、取締役や所有者の人事などに政府が関与しているかどうか、情報源の独立性と多様性などの編集ガイドラインの有無などの複数項目を鑑みて決定する。編集上の政府組織の関与がなく、独立性を確保するための保護がなされていると判断した場合はラベルを表示しない。

 また、このラベル表示にあたり同社に異議申し立てをすることもでき、申し立てにあたっては、編集上の独立性を明確に保護する受入国の法令や、編集の独立性確保のための組織内部のプロセス、独立した信頼できる外部組織による評価などを証明する文書を提出する必要があるという。