ニュース

新型コロナの影響でDRAM価格が第1四半期から上昇傾向に

 市場調査会社のTrendForceは13日(現地時間)、DRAMの市場価格が上昇傾向にあるとの見解を発表した。

 TrendForceの調査結果によれば、今年(2020年)の第1四半期はDRAMサプライヤー各社が在庫を減らすことに成功しており、今年のはじめと第1四半期を比較すると大幅な在庫削減を達成している。それゆえ、各社は値下げを強いられる状況にならず、DRAMの平均販売価格は直前期比で0~5%ほど上昇した。

 一方で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、各国でロックダウンが実行された結果、物流に混乱が生じており、DRAMのビット出荷(ビット数換算の出荷数)に影響を与えた。そのため、平均価格の上昇幅が低いにもかかわらず、世界のDRAM収益は直前期比で4.6%減の148億ドルとなった。

 また、TrendForceは今年第1四半期のDRAMの受注が第2四半期に延期されたと示唆しており、第2四半期のDRAM平均販売価格が大きく上昇し、ビット出荷が回復することで、DRAM収益の合計値は直前期比で20%を超えると推定。サプライヤー各社は収益と採算性を伸ばすように改善を続けていくだろうと見ている。

 サプライチェーンの混乱がビット出荷を遅延させ、市場は価格上昇と出荷減の状態に変わりつつある。DRAMサプライヤーの大手3社であるSamsung、SK Hynix、Micronらは第1四半期の収益が約3%、4%、11%縮小。第1四半期での市場シェアは順に44.1%、29.3%、20.8%となっているが、TrendForceは各社が今年の生産方針を大きく変えていないことから、第2四半期のシェアはほとんど変動しないと予想している。