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Vulkan APIもリアルタイムレイトレーシングに対応

~AMD/NVIDIA/Intelともにハードウェアアクセラレーション対応を表明

Vulkan Ray Tracing

 Khronos Groupは17日(米国時間)、同団体の開発する3Dグラフィック用API「Vulkan」に、レイトレーシング拡張機能(以下Vulkan Ray Tracing)を追加したことを発表した。

 クロスベンダー、クロスプラットフォームに対応し、レイトレーシングアクセラレーションとして業界初のオープンな標準実装規格であるとしている。

 Vulkan Ray Tracingでは、おもにデスクトップPC市場における、リアルタイム/オフラインの両方のレイトレーシングレンダリング需要を満たすことを目標としており、コヒーレントレイトレーシングフレームワークをVulkan APIに統合し、ラスター化とレイトレーシングアクセラレーションの柔軟な統合が可能であり、ハードウェアに依存しない設計によって既存のGPUコンピューティングと専用レイトレーシングコアの両方でアクセラレーションが可能であるという。

DirectX Ray Tracing(DXR)との比較

 Vulkan Ray Tracingについては、AMDのソフトウェア開発担当上級副社長であるAndrej Zdravkovic氏が「拡張機能のすべての主要機能をサポートする予定で、レイシェーディング、レイクエリ、CPUアクセラレーション構造管理など、Vulkan Ray Tracingの実装で優れた性能を確保するため開発者と協力する」と述べているほか、NVIDIAも「リアルタイムゲームやアプリケーションで最高品質の視覚的リアリズムを実現するためのもう1つの重要なステップ」とコメントを寄せている。

 またIntelのグラフィックソフトウェアアーキテクトであるJoshua Barczak氏が「Xeアーキテクチャのロードマップにはレイトレーシングのハードウェアアクセラレーションサポートが含まれており、Khronosと協力してVulkanの完全サポートを実装できることを嬉しく思う」と述べ、Intelの次期GPUアーキテクチャもハードウェアアクセラレーション対応することが明らかとなった。

 Khronosでは、今回は暫定的な拡張機能としての実装であり、開発者らに向けてVulkan GitHub Issues TrackerおよびKhronos Developer Slackを通じた仕様確定前のフィードバックの提供を呼びかけている。

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