ニュース

PCIe 4.0対応から14TBモデルまで! 主要SSD・HDDのパフォーマンスをまるっと比較

 この1年のストレージのトピックと言えば、SSDではPCI Express 4.0対応製品の登場、HDDでは最大16TBに到達した大容量化とそれに付随した低価化の進行だろう。(TEXT:北川達也)

主要NVMe SSDベンチマーク

グラフ中の「※」が付いたスペックはメーカー非公開のため著者の推測による

 まずは最新NVMe SSD主要13製品の性能を比較していく。まずはCrystalDisk Mark(以下、CDM)を使用した最大速度の結果だ。CDMでトップは、最大読み出し速度5,000MB/s弱、書き込み速度4,200MB/s強を記録したPCI Express 4.0対応の3製品だ。これらは、同じコントローラ、NANDメモリで設計されているため、全項目でほぼ同じ速度となった。3.0対応SSDでトップに立ったのは、読み出し/書き込みともに3,000MB/sオーバーを記録したSamsungの970 EVO Plusだ。この書き込み速度はほかの3.0対応SSDを圧倒的に引き離している。

 アプリの起動時間はPCMark 10 App Start-upを用いて測定している。このテストでトップは、970 EVO Plus。次点は、SeagateのBarracudaで、4.0対応の3製品は、3番手とそれ以下の中位グループだった。

 また、ゲームの起動時間は、FF14ベンチを使用。これでトップだったのはADATAのSX8200。970 EVO Plusは、ここでも3番手に入り、総合力の高さを発揮している。一方、4.0対応の3製品は、下位グループに沈み高速性を活かせていない。これらの結果から4.0対応のSSDはファームウェアの成熟度が足りない可能性が高いと見る。今後の改善に期待したい。

主要Serial ATA SSDベンチマーク

グラフ中の「※」が付いたスペックはメーカー非公開のため著者の推測による

 続いて、最新Serial ATA SSDから9製品の性能を比較する。最初は、最大性能が分かるCrystalDiskMarkから。SU630以外はすべてが全項目でほぼ横並びの速度だ。SU630が若干振るわないのはQLC NANDかつDRAMレスなのが原因と推測される。

 次にPCMark 10 App Start-upの結果は、唯一14,000オーバーのSamsungの860 EVOがトップ。次点は、MicronのMX500と定番が強さを発揮。FF14ベンチを利用したゲームのロード時間では、MX500がトップ。次点はKingstonのKC600だった。Serial ATA SSDは大きな性能差がないとはいえ、TLC NANDでDRAM搭載製品のほうがやはり強いのが改めて分かる結果だ。

主要HDDベンチマーク

 最後に、最新HDD主要8製品の速度や消費電力を見ていこう。まずは、最大速度だが、トップは書き込み265.3MB/s、読み出し259.4MB/sの東芝 MN07。僅差の2番手は書き込み259.7MB/s、読み出し253.5MB/sを記録したWD Blackだ。両者は現時点のHDDの中でも最速クラスの性能を誇っている。さらに注目したいのが、WD BlueとWD Redの2モデルだ。両者はともに5,400rpmの製品だが、最大速度は200MB/sを超えている。この速度は、1TBプラッタを採用した7,200rpmの製品並みの性能だ。また、WD Blueは、ランダム4KBの書き込みが、10MB/s以上も出るなど飛び抜けて速い。これは、SMRのメディアキャッシュの影響と推測される。

 消費電力については、BarracudaとWD Blueが値としては小さい。加えて注目したいのは、MN07とWD Red。通常、HDDでは記憶容量が増え、内蔵するプラッタの枚数が増えると消費電力も増加する。しかし、両者は大容量ながら、消費電力がかなり低い。これは、ヘリウム充填型HDDの特徴だ。

この記事の続きはDOS/V POWER REPORT 2020年冬号でお読みいただけます。2020年冬号では「PCパーツ100選+700」と題した150ページ超の総力特集を掲載しています。この1年の自作PC市場を総括しているほか、本誌執筆陣の厳しい目と徹底した検証で選出したレコメンド製品を各ジャンルから発表! さらに新顔、定番含めた主要パーツをズラリ紹介しています。どの製品を買ったらよいか迷っているあなたも、どんなパーツが売られているかを知りたいあなたもマストバイの1冊です。

【検証環境】
[NVMe SSD]CPU:AMD Ryzen 7 3700X(3.6GHz)、マザーボード:GIGA-BYTE X570 AORUS ELITE(rev. 1.0)(AMD X570)、ビデオカード:ASUSTeK PH-GTX1650-O4G(NVIDIA GeForce GTX 1650)
[Serial ATA SSDおよびHDD]CPU:Intel Core i5-9600K(3.8GHz)、マザーボード:ASUSTeK PRIME Z390-A(Intel Z390)、グラフィックス機能:CPU内蔵
[共通]メモリ:Micron Crucial Ballistix Sport BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)、システムSSD:CFD販売 S6TNHG6Q CSSD-S6T256NHG6Q(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)、OS:Windows 10 Pro 64bit版