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Arm、性能1.3倍向上のGPU「Mali-G57」などメインストリーム向けチップIP

Mali-G57の電力効率

 英Armは23日(現地時間)、機械学習処理ユニット(NPU)の「Ethos-N57」および「Ethos-N37」、GPU「Mali-G57」、ディスプレイ処理ユニット(DPU)の「Mali-D37」を発表した。メインストリームデバイス向けに設計されており、IPとしてメーカーに提供される。

Ethos-N57/N37

 Ethos-N57/N37は、Int8/Int16データタイプへ対応し、データ移動と関連する電力消費を最小限に抑える高度なデータ管理技術、Winograd実装といった技術を採用し、競合するNPUよりも2倍以上の高い性能を発揮するとしている。

 Ethos-N57では秒間2兆回の機械学習処理性能をターゲットに最適化、Ethos-N37は推論処理プロセッサとして最小クラスのフットプリント(1平方mm未満)で同1兆回の処理性能に最適化されている。

想定製品レンジ

Mali-G57

 Mali-G57では、上位製品のMali-G77と同様に「Valhall」アーキテクチャを採用しており、スマートフォン上で家庭用ゲーム機ようなグラフィックを実現するとしている。

 複雑なxRワークロードに対する機械学習性能は60%向上し、機能としてVR周辺視野向けの中心窩レンダリング対応などが追加されている。前製品のMali-G52との比較では、性能密度1.3倍、電力効率1.3倍の高性能化を謳う。

機械学習性能は6割向上
Valhallアーキテクチャ

Mali-D37

 Mali-D37は、1平方mm未満のフットプリントでディスプレイ機能を提供するDPU。フルHD解像度をターゲットに、GPUとMMU-600を含むメモリ管理から基本的な表示処理をDPUにオフロードすることで、最大30%システム電力を削減できるとする。

 「Assertive Display 5」と組み合わせることで、混合HDRやSDRコンポジションなどのMali-D71で利用できる機能を実装可能となっている。