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Intel、Optaneメモリのロードマップを更新

~ニューメキシコの工場にOptaneラインを追加

Intelが発表したOptaneのロードマップ

 Intelは、9月26日に韓国ソウル市において同社のストレージ製品に関するイベント「Memory & Storage Day 2019」を開催しており、同社のSCM(Storage Class Memory、よりDRAMに近い性能を持つストレージ)製品となるOptaneのロードマップなどに関して発表を行なった。

 また、IntelはOptaneのチップを製造する工場として、ニューメキシコ州リオ・ランチョに所有する工場において、Optaneの製造ラインを稼働させる計画があることを明らかにした。

 Intelは、Micron Technologyとの協業で設立したフラッシュメモリ製造工場でOptaneを製造してきたが、そのパートナーシップは昨年(2018年)に解消されることが明らかにされており、今後Optaneの製造をどうするのかに注目が集まっているかたちになっていたが、Fab 11Xなどの工場があるリオ・ランチョで今後製造が行なわれることになる。

複数世代にわたってOptane DCPMとOptane DC SSDを投入していくとロードマップを明らかに

3D XPoint Technology

 Intelがサーバー向け、そしてクライアント向けに投入しているSCM製品が、Optaneブランドの製品となる。データセンター向けには「Optane DC」、クライアント向けには「Optane Memory」のブランドで展開されている。

 Optaneには、Intelが開発した3D XPoint Technologyが搭載されており、DRAMに近いレイテンシを実現。不揮発性メモリでありながら、SSDとDRAMの中間の性能を実現し、DRAMより大容量を実現しているのが大きな特徴となる。

Optane DCPMとOptane DC SSD

 データ向け製品は大きく2つあり、1つは「Optane DC Persistent Memory」(以下Optane DCPM)、もう1つが「Optane DC SSD」となる。

Optane DCPMの効果

 Optane DCPMは、DRAMとSSDの中間の性能を持つが大容量という特徴を活用し、DRAMの代わりにメインメモリとして活用するコンセプトの製品。一方、Optane DC SSDは高速なSSDとして利用する製品だ。すでに両製品ともに第2世代Xeon Scarable Processorなどと組み合わせて顧客に提供しているが、今回Intelが発表したのはこの後継となる製品だ。

 Optane DCPMの後継製品は「Barlow Pass」という開発コードネームになる。また、Optane DC SSDの後継製品としては「Alder Stream」を提供する。いずれも2020年の出荷が予定されている。

 さらに、Ice Lakeの後継として開発されているSapphire Rapid、そしてそのSapphire Rapidの次世代製品向けにも、Optane DCPM、Optane DC SSDの次々期製品を計画していると説明した。

 今後Optane DCPMやOptane DC SSDの導入を検討しているOEMメーカーや顧客にとっては、将来のアップグレードパスが用意されていることになり、TCO(Total Cost of Ownership)の観点から、重要な発表だということができるだろう。

Intel、ニューメキシコ州のリオ・ランチョにOptaneの開発ラインを設ける計画を明らかに

ニューメキシコ州リオ・ランチョにOptaneの開発ラインを設ける計画

 IntelはこれまでOptaneの製造を、Micron Technologyと合弁で設立したフラッシュメモリー工場で行なってきた。しかし、このパートナーシップは昨年の秋に解消しており、その工場は今後Micron側の所有となることが明らかにされていた。今後Optaneの製造をどうするのかに注目が集まっていたが、今回Intelはニューメキシコ州リオ・ランチョ市に所有する工場に開発ラインを設ける計画だと発表した。現時点では、リオ・ランチョのどの工場で製造されるのか、どのプロセスルールで製造するのかなどに関しては明らかになっていない。

 この開発ラインは、有名な「コピーイグザクトリー」と呼ばれる、配置からラインまでほかの工場をコピーして生産する方式を採用している。リオ・ランチョの工場で開発ラインを動かしたのち、ほかの工場へとコピーされてOptaneを生産する可能性もあると言える。

 今回の発表により、IntelはOptaneに対して今後も製造も含めて投資を行なっていくことが明らかになり、Micronとの提携が解消されたことでやや不透明になっていたOptaneの未来が明確になったと言えるだろう。