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レノボ、大和研究所では初となる親子プログラミングワークショップを開催

横浜市のレノボ・ジャパン 大和研究所で「親子プログラミングワークショップ」を実施

 レノボ・ジャパン株式会社は7月31日、横浜市のみなとみらいに位置する開発拠点「大和研究所」において、4年生から6年生の小学生親子を対象としたプログラミング教室「親子プログラミングワークショップ」を開催した。

Micro:bitを使ってプログラミングを学習

 NECレノボ・ジャパングループでは、毎年夏休みに開催されるさまざまなプログラミング教室に協賛したり、自由研究イベント「NEC Lenovo Programming Summer Camp」を開催するなど、子供向けの教育プログラムを積極的に取り組んでいる。その一環として7月31日に開催されたのが、横浜市の大和研究所で行なわれたプログラミング教室「親子プログラミングワークショップ」だ。大和研究所でプログラミング教室を実施するのは、今回が初となる。

 今回の親子プログラミングワークショップには、4年生から6年生までの小学生親子13組が参加した。講師として子供たちを指導した、レノボ・ジャパン デベロップメントオペレーションズ シニアマネージャーの赤井隆之氏によると、地域の方々に貢献したいという思いと、試験施設のツアーを通して子供たちに物作りの現場を見てもらい、興味を持ってもらいたいという思いから、大和研究所で開催することになったという。

 合わせて、これまでにレノボが開催してきたプログラミング教室同様に、2020年の小中学校でのプログラミング教育必須化を目前に控えた、社会貢献活動の一環としても位置付けられている。

講師として参加した、レノボ・ジャパン デベロップメントオペレーションズ シニアマネージャーの赤井隆之氏
赤井氏だけでなく、大和研究所のスタッフもサポート役として参加

 利用された教材は、イギリスの英国放送協会(BBC)が中心となって開発された教育用マイコンボードの「マイクロビット(Micro:bit)」。手のひらサイズの小さな基板上に、5×5のLED表示機能や2つのスイッチ、加速度センサー、明るさセンサー、温度センサーなどを搭載し、PCを利用して基板の動きやスイッチの操作に合わせてLEDを光らせるといったプログラミングを行なうことで、論理的な物事の考え方を学習できる。

 Micro:bitのむき出しの基板は、子供たちも興味津々で、席に座るやいなや手に取り歓声をあげていた。また、プログラミングを行なうPCとしてはThinkPadが用意された。

 授業では、まずはじめにMicro:bitのLED表示にハート型のアイコンを表示するという簡単な課題から開始された。その後、2つのアイコンを交互に切り替えて表示したり、基板を前後左右に傾けると傾けた方向の矢印を表示するというように、じょじょに課題の難易度が上げられていった。

 最初はPCの操作に戸惑っていた子供も見られたが、多くの子供たちが素早く操作にも慣れ、サポートとして参加していた大和研究所のスタッフの手を借りることなく難なく課題をこなしていた。その様子に講師の赤井氏は驚きつつも、「課題どおりでなくてもいいから、すきにやってみてね」と声をかけて、子供たちの自主性を尊重していたのが印象的だった。

教材としては、BBCが中心となって開発された教育用マイコンボード「Micro:bit」を利用
プログラミングを行なうPCは、ThinkPadが利用された
まずはじめに、プログラミングとはどういうものなのか、簡単に説明
赤井氏が課題を出して、子供たちがプログラムを行なうという形でプログラミング教室は進められた
最初は操作に戸惑う子供も見られたが、すぐに慣れて伸び伸びとプログラミングを楽しんでいた
親子が協力して課題に取り組む姿も見られた
子供たちの飲み込みが早く、サポート役の大和研究所スタッフが助け船を出すシーンはほとんど見られなかった
USBポートにMicro:bitを接続して、自分で作ったプログラムを転送
プログラム通りにMicro:bitが動作すると、あちこちから歓声があがった

 後半の課題では、さらに難易度が高められて、「変数」の概念を取り入れたプログラミングが課題として出された。変数という言葉を聞いたときには、子供たちも最初はきょとんとしていたが、変数とは数字や文字列などを保存する箱のようなもの、という概念を聞いてすぐに理解したようで、「ボタンを押したら変数に1を加えて表示する」、ボタンを押したら1から6までのランダムの数字を表示する」といった高度な課題も難なくこなしていった。そして、1時間ほどのプログラミング教室は和やかななか、終了した。

後半では課題の難易度が上がり、変数を利用した高度なプログラムの課題が出された
高度な課題も子供たちはすぐに理解し、難なくこなしていた

“拷問テスト”を行なう試験設備の見学ツアーも実施

 今回の親子プログラミングワークショップでは、子供たちに物作りの現場を見てPCに興味を持ってもらいたいという思いから、プログラミング教室に加えて、大和研究所が誇る、いわゆる“拷問テスト”を行なっている研究開発用の試験設備を見学するツアーも実施された。

 試験施設の見学ツアーでは、PCに圧力や振動を加えたり、高い場所から落下させたり、高温の環境での動作を検証するといった、実際にレノボのThinkPadシリーズなどで行われている試験風景がほぼそのまま公開された。

 完成したPCを触ったことはあっても、それがどのように試験され作られているのか、その様子を見る機会は少なく、参加した親子にとってかなり貴重な体験となった。この見学ツアーには子供だけでなく子供の親も参加していたが、子供以上に説明員につっこんだ質問をぶつける様子も見られ、親にとってもかなり興味深い見学となったようだ。

プログラミング教室の後は、大和研究所の試験施設見学ツアーが行われた
さまざまな過酷な試験が実施されていることを目の当たりにして、親子共々興味津々の様子
試験機械の中を覗いて、なにが行なわれているのかチェック
無響室では人それぞれに声のパターンが違うことや、それで個人を特定できることに驚いていた
実際にThinkPadに乗っても壊れないことを体験
見学ツアーでは、子供だけでなく親からも質問が飛んでいた

 今回の親子プログラミングワークショップは、プログラミング教室と試験設備の見学ツアーを合わせて、2時間弱で終了となった。参加した子供に話を聞くと、一様に「とても楽しかった、またぜひ参加したい」と、にこやかに答えてくれた。

 講師として参加した赤井氏は、「プログラミング教室に参加したみなさんが楽しんでくれて、プログラミングに興味を持って取り組んでくれたのがとても嬉しく感じましたし、飲み込みの速さにも驚きました。われわれは、子供たちが使うPCも作っていますので、今回参加した子供たちの姿を見て、身が引き締まる思いでした」と感想を述べるとともに、可能であれば大和研究所での親子プログラミングワークショップを今後も定期的に開催したいと語った。