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NEC PCとレノボ、小学生を対象としたプログラミング教室を開催
2016年8月2日 15:46
NECパーソナルコンピュータおよびレノボ・ジャパンは8月2日、世田谷区立松沢小学校において開催された小学生向けプログラミング教室に協力。同校の小学校1~2年生の30人の児童を対象に、NECレノボ・ジャパングループ コンシューマ事業プレジデントの宗像淳氏が講師となり、Webブラウザベースのプログラミング教材である「Hour of Code」を使い、約1時間30分に渡り、プログラミングの基本をゲーム感覚で学んだ。
主催は松沢小学校運営委員会。Hour of Codeの日本の窓口である、一般社団法人みんなのコードの協力も得た。前日には小学校3年生~5年生以上の児童30人を対象にプログラミング授業を開いている。
2020年には、小中学校においてプログラミングの授業が必須になる見込みであり、夏休み期間中を利用して、それに先駆けた形で授業を行なうともに、社会貢献活動の一環にも位置付けた。また、みんなのコードでは、夏休み期間中に全国100校1万人を対象にしたプログラミング教室を実施しており、その取り組みとも連動している。
10時から始まった授業では、NECの一体型デスクトップPC「LAVIE Frista」を利用。NECレノボ・ジャパングループの社員や父兄ボランティアも協力し、子どもたちの体験授業をサポートした。
「MINECRAFTがどうやって作られたかを勉強することになる」と言うと、子供たちは大喜びで歓声をあげた。
宗像プレジデントは、「今日のプログラミング教室を通じて、ぜひPCを好きになってもらいたい」と語った。
授業では、プロセッサが、PCのほかにも、スマートフォン、ゲーム機、テレビ、エアコン、冷蔵庫といった白物家電、ロボットなどのあらゆる機器に搭載されていること、それらの機器を動かすためにプログラムがあることを学習。MINECRAFTが全世界で数多くの子供たちに利用されていることなどを紹介してから、プログラミングの授業を開始した。
Steve(スティーブ)とAlex(アレックス)のいずれかのキャラクターを選択し、ブロックを組み合わせることで、キャラクターを動かすプログラミングを学んだ。LAVIE Fristaは、マウス操作以外にもタッチ操作が可能であり、プログラミング作業をタッチ操作で進める子供の姿も多かった。
プログラミング画面にMINECRAFTの画面が表示されると、「おおっ、出た!」という喜びの声があがった。さらに、前に進む命令をするとキャラクターが前進。また、大きな歓声があがった。
「間違えても大丈夫。なんで間違えたのかを考えることも必要」と宗像プレジデント。だが、子供たちは、ブロックを壊したり、羊の毛を刈ったりといった提示されるパズルを次々と解いていき、宗像プレジデントの心配は杞憂に終わったばかりか、自信をつけた子供たちは、「家を建てましょう」のパズルで、「イージーを選んでください」の指示に、「ヤダー」と反論。宗像プレジデントが、「今日は時間が限られているからイージーを選んで下さい」、「この後も沢山難しい問題が出てくるから」と説得したものの、数人の子供は「ミディアム」や「ハード」を選んでしまったようだ。
しかし、パズルが進むと難易度が上がり、キャラクターの動かし方に失敗する子供たちが増加。サポートする側が大忙しになるという事態に。取材に訪れていたテクニカルライターがサポートするという一幕も見られた。
宗像プレジデントは、「プログラムによって、機器が動いていることを理解してもらえたと思う。コンピュータサイエンスの基礎を学んでもらった。Hour of Codeは、家でも簡単にできるのでやってほしい。これからの新しい世界を作るのは皆さんです」と語り、約1時間30分の授業を終了。子供たちからは、「ちょっと難しかった」、「初めてやったけど楽しかった」などの声が挙がっていた。参加者全員が、次回も参加したいと手をあげた。
授業が終わると、参加者全員にHour of Codeの主催団体であるCord.orgから修了証が贈られた。
NECレノボ・ジャパングループの宗像淳プレジデントは、地元在住ということもあり、松沢小学校運営委員会に参加。昨年までは小学生を対象に、PowerPointを利用したPC教室の講師を務めていた経緯がある。「これまでにもプログラミング教室を開催したいと思っていたが、プログラミングを行なえる機器が学校には揃っていなかった。今回、NECレノボ・ジャパングループが協力し、機器の環境が整ったこと、地元でプログラミングの仕事を行なっている松沢小学校運営委員会に参加している新野隆憲氏の協力や、父兄ボランティアの協力を得ることで人的なサポートが可能になったことで実現できた。今後は、この経験を生かしてプログラミング教室の活動を広げることにも繋げたい」と語った。
また、松沢小学校の中村一裕副校長は、「今回のプログラミングの授業に参加して感じたのは、算数や国語の授業よりも、子供たちが目を輝かせていた点。むしろ、これからは教員側がなぜこの授業をやる必要があるのかという目的意識を持つことが大切である。また、ICT教育は教員1人では授業をサポートしきれない。そうした点では地域との連携なども必要だろう」などと語った。