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令和になり、さらに強化されたマウスコンピューターの製造拠点

~不良を削減しつつ、最短翌営業日出荷する体制を構築

マウスコンピューター飯山工場

 株式会社マウスコンピューターは19日、同社飯山事業所の工場リニューアルにあわせて記者説明会を開催。生産性向上や不良率低減に向けた取り組みなどを公開した。なお、同日公開された新製品の情報はこちらの記事(マウス、Kaby Lake-G搭載13型ゲーミングノートやAMD APU搭載ノートを展開)を参照されたい。

生産ラインを拡充。徹底した検査で不良を低減

 説明会の冒頭で挨拶を行なった代表取締役社長の小松永門氏は「直近のビジネスは順調。今後も、消費増税前や、Windows 7サポート終了(EOS)に向けた駆け込み需要が見込まれる。加えて、2018年に比べ一部を除いてIntel CPUの供給も潤沢になりつつあり、AMDの新プラットフォームも登場を控えている」と、今期の市場に対して期待を寄せた。

マウスコンピューター代表取締役社長の小松永門氏

 飯山事業所にはこれまで、iiyamaブランドのディスプレイ開発部隊も同居していたが、同部隊は別棟に移り、空いたスペースにはマウスコンピューターの第3工場を常設し、生産能力を増強した。また、これまで東京にいた開発部門を飯山事業所へ移管させた。これにより、生産と開発双方のフィードバックにかかる時間が短縮された。

 同社では、25周年を迎えた2018年に「MOUSE QUALITY」という指針を打ち立てた。MOUSE QUALITYは「テクノロジー」、「ファクトリー」、「セールス」、「サービス」、「リペア」の5つの品質で構成される。

 このうちの「テクノロジークオリティ」は、最新技術を搭載した製品を市場に投入するまでの時間の短さを示しており、BTOを得意とする同社の強みでもある。しかし、単に市場投入が早いだけではユーザーを満足させられない。製品の品質が担保されてこそ、製品化の早さがいきる。そこを受け持つのが飯山工場であり、「ファクトリークオリティ」として日々研磨し、製品の品質を高めている。

 ここで言う製品の品質とは、たとえば、各部材の特性チェックであったり、温度ストレス試験、静電気試験、振動落下試験などの環境試験などを含むが、最近では、騒音レベルチェックやすべり(摩擦)チェックなども加えている。テクノロジークオリティにもとづいて、早期の製品化を目指す一方で、高性能なパーツを採用したがために、ファンノイズが大きくなったのでは製品の品質が下がると考え、そういった部材・構成は開発やプリプロダクションの段階で品質管理部門が却下の判断を下すようにしている。じっさい、2018年は70ほどのプリプロダクションのうち、約2割に対して総合品質が基準に満たないと判断し、設計変更を実施。一部については製品化も断念するなど、品質管理部門は厳しい判断を行なっている。

 また、プリプロダクションを通過し、量産に移った製品についても、製造および品質管理部門の双方が製造ラインで何重にも及ぶ検査を行なっている。その様子は以下に写真とともに紹介するが、こういった品質改善の努力により、生産時の不良、出荷後1カ月の不良、出荷後1年以内の不良、いずれもこの7年で大幅に削減されたという。

 生産体制については、これまで繁忙期の臨時稼働だった第3工場を常設化することで、こういった検査基準・内容の厳格化の一方で、最短ではBTOでも翌営業日に出荷するなど、生産能力を増強している。

製造ラインの紹介と説明を行なった生産本部の松元一成氏
品質管理の説明を行なった品質管理部の竹内太郎氏
倉庫での部材の受入時は、資料にもとづいて、マウスコンピューターが認めた部材であるかどうかをチェック
すべての部材についてバーコードで個体管理を行なう。ケースなどバーコードがもともとついていない部材については、同社が独自に発行するバーコードシールを貼付する
製造管理表。組み立てを行なう曜日に応じて違う色の表を使って管理している
膨大な数の部材が並ぶ倉庫
CPUなどの高額な部品については、社長でも特別な許可なしには立ち入りできない専用の部屋で保管、管理されている
製造管理表のバーコードをスキャンする
すると部材棚の必要な部材が置かれている場所のランプが点灯するので、ピックアップ
1台のマシンに必要なパーツを1つのケースにまとめる
ピックアップした部材が間違っていないかを別の担当者が再確認しつつ、部材ごとのバーコードをスキャンして登録。これによりどのマシンにどのパーツを使ったが個別に把握できる
ラインで製造を開始。各セルでは製造表をスキャンすると、使われているパーツの組み立て指示がディスプレイに表示される
マシンによって使うマザーボードはモデルもメーカーも異なるが、BIOS(UEFI)の設定はすべて共通化しており、マシンごとにその設定を書き込む
クリエイター向けのDAIVについては、個体ごとにディスプレイの色域などが基準値を満たしているかを暗室で検査
測定結果
組み立てが終わったマシンは、負荷試験を行なう
こちらは温度ストレス試験を行なう恒温槽
振動検査台
こちらはディスプレイ用だが40℃程度で動かし続ける高音室。製品の長期にわたる寿命を検査するためのもの。長いものはすでに数カ月ここで稼働し続けている
製造、梱包が終了し、出荷を待つマシン
ただし、製造が完了したマシンも抜き取り検査を行なう。この検査は製造部門ではなく、品質管理部門が実施。万が一組み立てに問題が発覚した場合は、ラインに差し戻す。納期に影響が出かねないが、品質を最優先にした結果である