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令和になり、さらに強化されたマウスコンピューターの製造拠点
~不良を削減しつつ、最短翌営業日出荷する体制を構築
2019年6月25日 15:55
株式会社マウスコンピューターは19日、同社飯山事業所の工場リニューアルにあわせて記者説明会を開催。生産性向上や不良率低減に向けた取り組みなどを公開した。なお、同日公開された新製品の情報はこちらの記事(マウス、Kaby Lake-G搭載13型ゲーミングノートやAMD APU搭載ノートを展開)を参照されたい。
生産ラインを拡充。徹底した検査で不良を低減
説明会の冒頭で挨拶を行なった代表取締役社長の小松永門氏は「直近のビジネスは順調。今後も、消費増税前や、Windows 7サポート終了(EOS)に向けた駆け込み需要が見込まれる。加えて、2018年に比べ一部を除いてIntel CPUの供給も潤沢になりつつあり、AMDの新プラットフォームも登場を控えている」と、今期の市場に対して期待を寄せた。
飯山事業所にはこれまで、iiyamaブランドのディスプレイ開発部隊も同居していたが、同部隊は別棟に移り、空いたスペースにはマウスコンピューターの第3工場を常設し、生産能力を増強した。また、これまで東京にいた開発部門を飯山事業所へ移管させた。これにより、生産と開発双方のフィードバックにかかる時間が短縮された。
同社では、25周年を迎えた2018年に「MOUSE QUALITY」という指針を打ち立てた。MOUSE QUALITYは「テクノロジー」、「ファクトリー」、「セールス」、「サービス」、「リペア」の5つの品質で構成される。
このうちの「テクノロジークオリティ」は、最新技術を搭載した製品を市場に投入するまでの時間の短さを示しており、BTOを得意とする同社の強みでもある。しかし、単に市場投入が早いだけではユーザーを満足させられない。製品の品質が担保されてこそ、製品化の早さがいきる。そこを受け持つのが飯山工場であり、「ファクトリークオリティ」として日々研磨し、製品の品質を高めている。
ここで言う製品の品質とは、たとえば、各部材の特性チェックであったり、温度ストレス試験、静電気試験、振動落下試験などの環境試験などを含むが、最近では、騒音レベルチェックやすべり(摩擦)チェックなども加えている。テクノロジークオリティにもとづいて、早期の製品化を目指す一方で、高性能なパーツを採用したがために、ファンノイズが大きくなったのでは製品の品質が下がると考え、そういった部材・構成は開発やプリプロダクションの段階で品質管理部門が却下の判断を下すようにしている。じっさい、2018年は70ほどのプリプロダクションのうち、約2割に対して総合品質が基準に満たないと判断し、設計変更を実施。一部については製品化も断念するなど、品質管理部門は厳しい判断を行なっている。
また、プリプロダクションを通過し、量産に移った製品についても、製造および品質管理部門の双方が製造ラインで何重にも及ぶ検査を行なっている。その様子は以下に写真とともに紹介するが、こういった品質改善の努力により、生産時の不良、出荷後1カ月の不良、出荷後1年以内の不良、いずれもこの7年で大幅に削減されたという。
生産体制については、これまで繁忙期の臨時稼働だった第3工場を常設化することで、こういった検査基準・内容の厳格化の一方で、最短ではBTOでも翌営業日に出荷するなど、生産能力を増強している。