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Unreal Engine 4がDXRによるリアルタイムレイトレに対応

Atomic Heartでのリアルタイムレイトレーシング実装。鏡像もレイトレーシングに基づいた正しい描写になる

 Epic Gamesは12日、リアルタイムレイトレーシングに対応する、同社のゲーム開発エンジン「Unreal Engine(UE)」のバージョン4.22 Previewを公開した。

 今回のUEへのレイトレーシング実装は、DirectX 12で実装されたレイトレーシングAPI「DXR」が用いられており、DXRで公式にサポートされている、GeForce RTX 20シリーズ、およびTITAN Vなど一部のVolta GPUでのみ利用できる。

 バージョンは4.22で、当初予告されていたとおりの対応となった。なお公開されたのはプレビュー版であり、安定版の提供時期は未定。

 レイトレーシングの低レベルサポートでは、レイ(光線)によるシェーダ生成、衝突シェーダといったレイトレーシング効果を利用できる。

 高レベルサポートでは、ソフトシャドウ、反射、反射した影、アンビエントオクルージョン(AO)、リアルタイムグローバルイルミネーション(RTGI)、テクスチャLOD、影/反射/AOのデノイザー、パストレースなどをサポートするとしている。

 なお、DirectX 12対応でRTコア非搭載のGeForce GTX 10シリーズやRadeonなどのGPUについては、Microsoft側がDXRでレンダリングコードに特別なパスなしにソフトウェア実行できるような開発を行なわない限り、UE側でサポートする予定はないとフォーラムで回答されている。

 2019年2月現在、リアルタイムのレイトレーシングレンダリングに対応したゲームタイトルとしては、DICE開発の「Battlefield V」、4A Games開発の「Metro Exodus」などがあるが、いずれも独自のゲームエンジンを利用している。

 Mudifish開発の「Atomic Heart」(2019年発売予定)が、初のリアルタイムレイトレーシング対応UE4タイトルとなる見込みで、今回のUE4のリアルタイムレイトレーシング対応により、DXR対応タイトルの開発が進むことが期待される。