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GIGABYTE、世界初のAll Intel InsideとAzure AI活用ゲーミングノートを国内販売

記者会見の冒頭で挨拶する台湾GIGABYTEのノートPC担当マーケティングのエミリア・チュー氏

 台湾GIGABYTEは、1月24日に都内で記者会見を開催し、GIGABYTEブランドのゲーミングノートPC「Aero 15」およびAurosブランドのゲーミングノートPC「Aorus 15」を、2月上旬より日本でも販売すると発表した。価格はAero 15が35~45万円、Aorus 15が25~35万円を予定している。

 記者会見の冒頭、台湾GIGABYTEのノートPC担当マーケティングのエミリア・チュー氏が登壇。

 エミリア氏は、「本日は、我々にとって非常に特別な日となりました。本日紹介するヒーロープロダクトが、Aero 15です。Aero 15は、ハイエンドゲーミングPCとしてだけでなく、動画や画像の編集を行なうプロのビジネスユーザーまで、快適に利用できるように設計されています。そして、このたびGIGABYTEは、Aero 15をはじめとしたノートPCをもって、日本市場に本格参入いたします」と述べ、日本市場への本格参入を発表した。

Aero 15(CES 2019で撮影)

 今回、日本での発売を発表したのは、エミリア氏が紹介した「Aero 15」と、GIGABYTEのゲーミングPC「Auros」ブランドの「Auros 15」で、CES 2019開催に合わせて発表したゲーミングノートPCの新モデルとなる。

 Aero 15は、CPUに第8世代Core i7-8750HまたはCore i9-8950Hを採用するとともに、ディスクリートGPUとしてGeForce RTX 20シリーズを採用。また、Intel製CPUに加えてIntel製SSD「760p」、Intel製Thunderbolt 3コントローラ、Intel製無線LANモジュール「Killer Wireless-AC1550」を採用しており、GIGABYTEは世界初の“All Intel Inside”PCと説明する。

 ディスクリートGPUには、GeForce RTX 2080 with Max-Q DesignまたはGeForce RTX 2070 with Max-Q Designを採用。このほか、メモリにはSamsung製のDDR4-2666モジュールを採用するなど、各種搭載パーツのブランドを特定するというこだわりようだ。

 ディスプレイは15.6型で、ベゼル幅が最薄部5mmの狭額縁仕様となる。パネルには、リフレッシュレート144Hzに対応するLG製フルHD IPS液晶または、AUO製4K IPS液晶を採用。このうちAUO製4K IPS液晶は、Adobe RGBカバー率100%の広色域表示に対応するとともに、デルタEが1未満という優れた色差性能も備えており、プロのグラフィックス用途にも対応。

 キーボードは、100%アンチゴースト、Per Key RGBイルミネーション機能を備えるフルサイズキーボードを採用。テンキーも搭載しており、ゲームからビジネスまで快適な利用が可能としている。本体サイズは356.4×250×18.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は2kg。

15.6型液晶を採用し、ベゼル幅は最薄部5mmの狭額縁仕様。パネルにはリフレッシュレート144Hzに対応するLG製フルHD IPS液晶または、Adobe RGBカバー率100%の広色域表示対応のAUO製4K IPS液晶のいずれかを搭載
左側面。Gigabit Ethernet、USB 3.1、HDMI 2.0、USB Type-C、オーディオジャックの各ポートを用意
右側面。SDカードスロット、Thunderbolt 3、USB 3.1×2、電源コネクタの各ポートを用意
100%アンチゴースト、Per Key RGBイルミネーション機能を備えるテンキー付きフルサイズキーボードを採用
Aero 15は、CPUに第8世代Core i7-8750HまたはCore i9-8950Hを採用するとともに、ディスクリートGPUとしてGeForce RTX 20シリーズを採用しつつ、薄型軽量ボディを実現。ゲーミングだけでなく、プロビジネス用途にも対応
CPU、SSD、Thunderbolt 3、無線LANと、すべてIntel製となる”All Intel Inside”仕様となっている
ディスクリートGPUとしてGeForce RTX 20シリーズを採用
メモリにはSamsung製DDR4-2666モジュールを採用するなど、細かなパーツもブランドを指定している
94Whの大容量バッテリを搭載し、最大10時間の駆動が可能
Auros 15のおもなスペック

 Aurosブランドの「Auros 15」は、よりゲーミング用途を追求したモデルとなっている。CPUはCore i7-8750Hを採用するとともに、ディスクリートGPUにはGeForce RTX 2070またはGeForce RTX 2060を採用と、Aero 15とは若干仕様が異なっている。

 加えて、Auros 15ではサイズが361×246×24.4mm(同)、重量が2.4kgと、やや分厚く、また重量も重くなっている。ただ、Auros 15ではCPUおよびGPUのクーラーとして6本のヒートパイプを採用する強力なクーラーを採用(Aero 16ではヒートパイプ2本のクーラーを採用)するとともに、筐体にも9カ所の開放部を設けることによって、GPUがTDP 115Wで動作するようになっている。

 ディスプレイにはフルHD表示対応のLG製15.6型IPS液晶を採用。この液晶はリフレッシュレート144Hzに対応するとともに、NVIDIAの同期技術G-SYNCもサポートする。このようにAuros 15では、よりゲーミングに特化した仕様を追求しているという。

 このほか、Intel製SSD「760p」、Intel製Thunderbolt 3コントローラ、Intel製無線LANモジュール「Killer Wireless-AC1550」の採用、100%アンチゴースト、Per Key RGBイルミネーション機能を備えるテンキーつきフルサイズキーボードの搭載といった特徴はAuros 15同様となっている。

Aurosブランドの「Auros 15」(CES 2019で撮影)
ディスプレイには、リフレッシュレート144Hz、NVIDIA G-Syncに対応するLG製15.6型フルHD IPS液晶を採用
Auros 15では、6本のヒートパイプを利用した強力なクーラーを採用するとともに、ボディに9カ所の開口部を設けて冷却能力を高めており、GPUはTDP 115Wで動作する
ボディ底面。大きな吸気口が見える
Aero 15同様に、100%アンチゴースト、Per Key RGBイルミネーション機能を備えるテンキー付きフルサイズキーボードを搭載する
左側面には、Gigabit Ethernet、USB 3.1、SDカードスロットを用意
背面には、電源コネクタ、HDMI 2.0、Mini DisplayPort、USB Type-Cを用意
右側面には、オーディオジャックとUSB 3.1×2を用意
Auros 15のおもなスペック

 このように、ゲーミングノートPCとして充実した仕様を備えているAero 15とAuros 15だが、最大の特徴となるのが、Microsoftと協力し、MicrosoftのクラウドAIサービス「Azure AI」を活用することで、PCリソースの動作設定を自動的に行なうというAI機能を搭載している点だ。

 Aero 15、Auros 15でAI機能を有効にしている場合、利用中のCPUやGPUの動作状況、キーボードの利用状況、空冷ファンの動作状況、サウンド機能の動作状況を監視するとともに、定期的にAzure AIサーバーに動作状況を送信。そして、Azure AIで蓄積された情報を解析することで、アプリケーションごとに最適な各リソースの動作設定を導き出し、自動的に設定される。これによって、ユーザーに負担をかけることなく、アプリケーションごとに最大の性能を引き出せるようになるという。

 GIGABYTEによる検証では、AI機能を利用しない場合に比べてゲームでのフレームレートは10fpsの向上、動画エンコード速度は約18%の高速化を確認したとのことだ。

 Azure AIサーバーへの情報の送信は、最短5秒の間隔で行なわれるそうだが、送信データの容量は極力少なくなるように配慮しているという。また、ネットワークに接続せずにAI機能を利用する場合には、あらかじめ保存されているGIGABYTEのラボで設定した情報をもとに各リソースの動作設定が行なわれることになる。

Aero 15およびAuros 15には、Microsoft Azure AIを活用したAI機能が搭載される
PCの動作状況を監視しつつ、定期的にAzure AIに送信。Azure AIに蓄積されたデータからアプリごとに最適なリソース設定を割り出し、自動的に反映することで、最大限の性能を発揮
AIを利用することで、ゲームではフレームレートが10fpsほど向上
動画エンコード速度は、AI利用で18%高速化したといいう

 Aero 15およびAuros 15は、2月上旬の発売を予定しており、冒頭でも紹介したように価格はAero 15が35~45万円、Aorus 15が25~35万円(いずれも税込)。販売チャネルは、まずはAmazonでの販売を行なうとともに、今後は量販店などにも販路を広げていきたいとのことだ。