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Xiaomi、Snapdragon 660/4,800万画素カメラ搭載で約16,000円のスマホ「Redmi Note 7」
2019年1月10日 17:53
中国Xiaomiは10日(現地時間)、コストパフォーマンスを追求する「Redmi」シリーズを、製品シリーズから独立ブランドに引き上げるとし、その第1弾製品として「Redmi Note 7」を発表した。
製品発表会で登壇した雷軍氏によると、Redmiは2013年7月に立ち上がった製品シリーズで、1,000人民元(約16,000円)前後のスマートフォンを主軸に置いて展開してきた。これまでに累計2.78億台出荷しており、逆算すると1営業日あたり20万台出荷していたことになる。
近年は欧州市場の展開に力を入れてきたが、インド市場ではとくに好評を得ているとし、今後さらなる認知度向上のため、Redmiを製品シリーズから独立ブランドに引き上げることを決めたという。
Redmi Note 7のプロセッサには、2.2GHz駆動の“フルスペック版”Snapdragon 660を採用。中国市場には2,000人民元以上のクラスでも1.95GHz駆動の“ダウンクロック版”Snapdragon 660採用機が多数存在するが、Redmi Note 7はその類ではなく、競合以上の性能を発揮する。
デザイン面でも、表面カバーガラスにCorningのゴリラガラス5、背面カバーに0.8mmの強化ガラスを採用、背面にはグラデーションつきモデルを用意。前面カメラ部のみが画面に食い込む“水滴型”ノッチディスプレイを採用し、画面左右のベゼルは1.95mm、A面カバーを含めても2.85mm、外フレームを含めても4.07mmの狭額縁を採用した。
ディスプレイ下部のフレームも抑えた設計となっている。現時点では、「iPhone X」のような極細フレームを実現できないが、これはコストパフォーマンスを追求した結果であるとし、「現時点で採用できなくとも、将来的にコストがこなれてくれば採用する」とし、フラグシップばりのデザイン性を謳った。
多くのスマホが注力しているカメラ機能については、業界最高となる4,800万画素の背面カメラを搭載。センサーはSamsungの1/2インチ「GM1」となっており、暗所では4ピクセルを1ピクセルとして扱うことで、1.6μmの広い受光面積を実現した。
ちなみに、HuaweiはXiaomiに先立って4,800万画素カメラを搭載した「honor V20」、「nova 4」を発表しているが、こちらはソニーの「IMX586」センサーを採用している。GM1は「AIによる超解像で4,800万画素を出力」しているのに対し、IMX586は「ネイティブで4,800万画素を出力」している点が強みとなっている。
この点、雷軍氏は「確かにIMX586のほうが優れている」ことを認めつつも、「IMX586は2018年12月よりようやく量産開始したもので、製品にすぐに搭載して出荷できるものではない(実際にhonor V20やnova 4が出荷されるのは1月下旬の見込み)。GM1はすでに量産しており、われわれのほうが先行して製品を出荷でき、PPT(PowerPoint資料ベース)での発表ではない」と誇ってみせた。
とは言え、IMX586への執着はあるようで、中国の春節(2月5日)以降に、IMX586を搭載した「Redmi Note 7 Pro」を投入することを予告。Redmi Note 7 Proではカメラ以外でもアップグレードがあるようだが、現時点ではその仕様は秘密とのことだった。
このほか、4,000mAhの大容量バッテリ、Quick Charge 4.0への対応(ただし標準付属のACアダプタは10Wで、+10人民元(約160円)の追加で18W ACアダプタを添付)、USB Type-Cコネクタの採用、3.5mmステレオミニジャックの保留、赤外線リモコン機能の搭載、AppleやSamsungと同じSmartPA 98937の採用や、0.64ccのスピーカーボックス、DSMダイナミックアンプ技術の搭載などが特徴。
競合の2,000人民元クラス以上のスペックを備えたRedmi Note 7だが、Redmiシリーズは当初より究極のコストパフォーマンスを実現する製品であることを謳っており、これは当然「同価格ならより高いスペック、同スペックならより安い価格」の実現を意味する。雷軍氏は、Redmi Note 7はこのブランドコンセプトを堅実に踏襲するものであるとし、「999人民元(約16,000円)から」という価格を打ち出した。
なお、これはメモリ3GB+ストレージ32GBモデルの価格であり、メモリ4GB+64GBモデルは1,199人民元(約19,000円)、メモリ6GB+64GBモデルは1,399人民元(約23,000円)となる。
コストパフォーマンスを追求したRedmi Note 7であるが、じつはXiaomiはスペック以上に品質に注力したと言い、2018年はほぼ毎日、製品品質に関しての討論会を開き、品質の改善に努めてきたという。加工時にガラスにわずかな傷でもつかないようする加工技術や、製品の四隅の強化構造、簡易生活防水/防塵機能など、ユーザーが実際に目につかないようなところで製品品質を向上させてきた。
「これだけ力を入れていたのにもかかわらず、ユーザーからRedmi製品の品質に関して討論されることはなかった。つまりは討論する必要がなくなるぐらい、われわれの製品の品質が向上したことの裏返しでもあるのだが、より多くのユーザーにわれわれの高品質をわかりやすく伝えるため、Redmi Note 7から製品保証期間を従来の12カ月から18カ月に引き上げる」と雷氏は説明。
「AppleやSamsungを含め、スマートフォン業界の標準保証は12カ月であるため、「Redmiはスマートフォンの新たな品質基準を定義した」とアピールした。
発表会では、Redmi Note 7を複数の男性が繰り返し踏んでも、ハイヒールを履いた女性が繰り返し強く踏んでも、いっさいガラスが割れることがないことをアピールする動画が流され、注目を集めた。
そのほかの仕様は、液晶が2,340×1,080ドット表示対応の6.3型(450cd/平方m、NTSC比84%、LTPSインセル)、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 5.0、1,300万画素前面カメラなどを搭載。本体サイズは75.21×159.21×8.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量は186g。