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PFN、独自設計の深層学習用プロセッサ「MN-Core」

~行列演算特化で半精度演算性能524TFLOPS

MN-Core

 株式会社Preferred Networksは、深層学習に特化したディープラーニングプロセッサ「MN-Core」を発表した。

 MN-Coreは、深層学習における「学習」フェーズの高速化を目指し、行列演算に最適化した専用チップ。近年のチップ開発でとくに重要視される、電力性能(消費電力あたりの演算性能)において、半精度で1TFLOPS/Wという世界最高クラスの性能を実現できる見込みとしている。

 高密度にハードウェア実装された行列演算器(MAU: Matrix Arithmetic Unit)を備え、条件分岐のない完全SIMD動作をするシンプルなアーキテクチャ設計により、大量のデータを一度に処理できるという。

 製造プロセスはTSMCの12nmで、消費電力は500W(予測値)、ピーク性能は倍精度32.8TFLOPS、単精度131TFLOPS、半精度524TLFOPS。

アーキテクチャ

 同社では、2020年春の稼働に向けて、MN-Coreによる新大規模クラスタ「MN-3」を構築する予定で、MN-3は1,000ノードを超える専用サーバーからなり、最終的な演算性能を2EFLOPSまで拡大することを目標にしているという。

 MN-3以降では、得意分野の異なるMN-CoreとGPGPUを組み合わせて利用することで、より効率的な計算環境の構築を目指す。

MN-3

 同社の開発する深層学習フレームワーク「Chainer」においても、MN-Coreをバックエンドとして選択できるように開発を進め、ソフトウェアとハードウェア両方向からのアプローチにより、深層学習によるイノベーションを推進していくとしている。

 12月12日より東京ビッグサイトにて開催される「SEMICON Japan 2018」で、MN-Coreをはじめとする自社開発深層学習向けハードウェアがブース展示される予定。

MN-Core実装用のPCIeボード。32GBのメモリを備える
7Uサイズのサーバー。4枚のMN-Coreボードを搭載できる