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年末登場の「Cascade Lake」は深層学習推論性能がSkylake-SPの11倍に
~2019年に14nmのCooper Lake、2020年に10nmのIce Lakeを投入
2018年8月9日 12:00
Intelは8月8日(現地時間)、米国カリフォルニア州サンタクララ市にある本社の講堂において、同社のデータセンター事業本部(DCG)の戦略などを説明する「Intel Data-Centric Innovation Summit」を開催した。
このなかでIntel 上級副社長 兼 データセンター事業本部 事業本部長 ナビーン・シャノイ氏は、同社が今年(2018年)の末までに投入を計画している次世代サーバー向けCPU「Cascade Lake(カスケードレイク)」について説明とデモを行なった。
また、同社のサーバーロードマップを更新し、同社が2020年に投入を計画している10nm世代の新しいマイクロアーキテクチャの「Ice Lake」のサーバー版の投入に先立って、2019年の末に14nmで製造される「Cooper Lake(クーパーレイク)」を投入することを明らかにした。
Cascade LakeはSkylake-SPに比べて11倍の深層学習推論性能を実現
Intelは昨年(2017年)の6月に開発コードネーム「Skylake-SP」で知られるサーバー向けCPUを「Xeon-SP」として投入した。Skylake-SPは、2ソケット以上をターゲットにした、従来は「EP」で知られるIntelのサーバー向けCPUで、14nm世代の新マイクロアーキテクチャになった製品。現在のIntelのサーバー向けCPUの主力製品になる。
その後継として計画されているのがCascade Lakeで、Skylake-SPと同じ14nm世代で製造されるが、シャノイ氏によれば、「いくつかの新機能が加えられる製品になる」とのことで、機能の追加やマイクロアーキテクチャの若干の改良が加えられた製品になる。
具体的にはOptaneパーシステントのサポート、メモリキャッシュ階層の変更、より高い動作周波数の実現、さらに「Intel Deep Learning Boost」にも新たに対応するという。
Intel Deep Learning Boostは、VNNI(Vector Neural Network Instruction)と呼ばれるXeon Phiでサポートされていた命令セットを含んでおり、より効率よくディープラーニング(深層学習)の推論が行なえるようになるという。
シャノイ氏は詳細を説明しなかったものの、昨年6月のXeon-SPのリリース段階と比較して、Intel Deep Learning Boostを利用すると、深層学習の推論性能が11倍になると言い、Cascade Lakeの実シリコンを利用したデモを行なった。
Cascade Lakeのリリースは「今年の末」と説明しており、Skylake-SPのリリースから約1年半で次の世代の製品に切り替わることになりそうだ。
2019年末にIce Lake世代とピン互換になるCooper Lakeを投入。2020年にIce Lakeを投入
また、シャノイ氏は同社のサーバー向けCPUの新しいロードマップを公開した。それによれば、10nmプロセスルールの新マイクロアーキテクチャとなるIce Lakeベースのサーバー向け製品は2020年にリリースされる予定だ。
そのIce Lakeのリリースに先立って、Ice Lakeとピン互換で同じプラットフォームを利用できる製品として、2019年の末にCooper Lakeを投入することを明らかにした。
Cooper Lakeは14nm世代のプロセスルールで製造され、Intel Deep Learning Boostの新機能としてBfloat16をサポートし、Ice Lake世代のチップセットやIce Lake世代でサポートされる予定の新しいI/Oなどが利用可能になる。
なお、シャノイ氏は「サーバー向けIce Lakeは、2019年末に予定されているクライアント向けとときを置かずリリースされる予定だ。従来はクライアント向けの後1年以上かかっていたが、そういうことはないと思う」と述べた。
これにより、2019年の末にIntelがIce Lakeのクライアント版を計画していることと、その後さほど時間をおかずにサーバー版が2020年に入ってから投入されるという見通しが明らかになった。