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中国・小覇王の新ゲーム機「Z+」の詳細

~Windows 10とWindows 10 IoTのデュアルブート機

小覇王Z+

 中国で元々ファミコン互換機の製造を手がけていた小覇王は3日(現地時間)、中国で開かれたゲームショー「ChinaJoy」で、ハイエンドゲーム機市場への参入を正式に発表した。

 発表されたゲーム機は「Z+」という名前だ。PC Watchでは、すでにAMDのセミカスタムSoCの搭載についてすでに報じたが(記事:AMD、Zen+VegaのセミカスタムSoCを中国のゲーム機向けに提供参照)、小覇王のWeiboでは、Z+の詳細がさらに明らかとなった。

 Z+最大の特徴は、AMDのセミカスタムSoCの搭載よりも、デュアルブートとなっている点だ。片方はデスクトップ版のWindows 10で、普通のPCのように使え、当然PC向けゲームがプレイできる。そしてもう片方はWindows 10 IoT Enterprise(RS1)をコアとして設計した「Z+プラットフォーム」となっており、いわゆる10フィートUIに特化し、独自ストアの利用や、ストリーミング配信/視聴が可能となっている。

 つまりユーザーとしては、本機だけでオープンなWindowsプラットフォーム向けのゲームがプレイできる一方で、クローズドなZ+プラットフォーム上では、AMDのPSB技術やTPM、MicrosoftのDevice Guard、そして完全な独立OSにより、ピュアでチートプログラムなしのプレイ環境を享受できる。また、Z+プラットフォームではゲームデベロッパーに最適なライセンス保護が約束される。

 このほか、カスタムのUEFIリカバリ機能を搭載し、自動的に公式アップデートを適用。筐体サイズは4.9Lで、電源を内蔵することで、家庭内のさまざまな場所に置けるとした。ゲームプレイ時の騒音は33dBに抑えたほか、低電力モードを搭載し、待機時30Wの低消費電力で、常時ファイルをダウンロードするマシンとして使ったり、NASとして使うことも可能としている。

 ストレージは128GB SSD+1TB HDDで、本体を分解せずともストレージの交換/拡張が可能。また、デュアルHDMI 2.0出力によるVRや4K/60fpsへの対応、IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.2、4基のUSB 3.0ポート、2基のUSB 2.0ポートなどを搭載する。

 製造は台湾Compalが行ない、製造に関するODM契約は2016年に締結したものだとしている。中国での小覇王Z+の推奨小売価格は4,998人民元(約82,000円)で、8月中にも販売が開始される予定。