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Applied Materials、DARPAから「人間の脳」を模倣したAI向け新電子スイッチの開発を受注

ERIサミット

 半導体製造装置メーカー大手の米Applied Materialsは24日(米国時間)、米国防高等研究計画局(DARPA)より、人工知能(AI)向けに、人間の脳のはたらきを模した「ニューロモーフィック電子スイッチ」の開発を請け負ったことを発表した。

 具体的には、ARMおよびSymetrixと協働して、同一材料内でデータの保存・処理が可能な新しいニューロモーフィックスイッチの開発を目指す。

 スイッチはSymetrixの開発するReRAMの一種である「CeRAM (Correlated
Electron RAM)」ベースとなり、現行のデジタル方式ではなく、アナログ信号処理を利用することで、AIのコンピューティング性能と電力消費効率の大幅向上を目標としている。

 本発表は、サンフランシスコでDARPAが開催中の第1回「Electronics Resurgence Initiative (ERI)サミット」の中で行なわれた。

 ERIは、DARPAが進めている複数年の研究活動で、同社のチームが参加するのは、ERIのなかの「ERI Foundations Required for Novel Compute (FRANC)」プログラムとなる。ムーアの法則による従来の微細化の限界をはるかに超えたエレクトロニクス性能の向上を目指して、従来の「ノイマン型コンピューターアーキテクチャ」を凌ぐイノベーションを追求しているという。

 研究の中心となるのは、新材料の特性を生かした回路設計とインテグレーションスキームを通じて、「データ移動を除外ないし最小化しながらデータ処理を行なう」という考え方。

 同社では、この取り組みから生まれる新たなコンピューティングトポロジーは、データが保存された場所でのデータ処理を可能にするだけでなく、従来のデジタルロジックプロセッサと大きく異なる構造を持ち、これによって、最終的にコンピューティング性能の大幅な向上の実現が期待されるとしている。