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世界シェア4位のOPPOスマホが日本上陸。第1弾はカメラ機能重視の「R11s」

R11s

 各種家電を製造/販売している中国のOPPO。2013年にBDプレーヤーで日本市場に参入したが、2018年新たに日本のスマートフォン市場に参入する。第1弾製品となるのはアッパーミドルクラスの「R11s」。2月9日よりビックカメラおよびヨドバシカメラで販売を開始する。価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格は57,980円前後の見込み。

 R11sは同社が主力に据える「R」シリーズの最新モデル。2017年全体で見ると、Rシリーズ(R9およびR11)は世界でもっとも売れたAndroidスマートフォンだとしており、その主力モデルを持って日本市場に参入するという。

 R11sの特徴は大きく分けて“3つのS”だとされる。1つ目は前面の画面占有率を同社過去最高にまで引き上げ、没入感を高めた“フルスクリーン”、2つ目はデュアル背面カメラや独自の美顔補正技術による“スマートな撮影”、そして3つ目が最新のプロセッサや独自の機能よる“スムーズな操作”である。

R11sが実現した3つのS

 ディスプレイには、アスペクト比18:9、解像度が2,160×1,080ドット表示対応の6.01型AMOLEDを採用。画面占有率は85.8%と、同社のこれまでのラインナップのなかで過去最高を実現。大型ディスプレイを活かしたジェスチャー操作機能を備え、ホーム画面に戻る、タスクの切り替え、コントロールセンターへのアクセスが容易にできるようになっている。

 指紋センサーを背面に配置することで、画面占有率を高めるとともに、スピーカーや近接/光センサー/前面カメラだけを残したスマートなデザインを実現した。

 指紋センサーに加え、顔の128個の特徴点による0.08秒の顔認証機能も搭載。持ち上げるとスタンバイから復帰する機能と組み合わせて使うことで、シームレスに認証して本体を使用可能にできる。

 また、本体背面を曲面とし、手触りを改善するとともに、上部および下部をへこませる「クレッセントアークデザイン」を採用し、小指が当たっても違和感のないようになっている。

 カメラは背面が2,000万画素+1,600万画素のデュアル、前面が2,000万画素のシングル。日中の撮影はおもに1,600万画素のカメラを使う。照度が60LUX以下になった場合、2,000万画素のカメラに切り替わり、センサーの隣り合う画素を1つの画素として使うことで受光面積を広げ、暗所での撮影能力を大幅に高めた。

 レンズはいずれもF1.7で、独自の被写界深度表現アルゴリズムにより、自然なボケ味を実現するという。被写体より手前のボケは抑えられ、被写体より奥のボケは距離に応じて変化するようになっている。なお、どちらのカメラもポートレート撮影に注力して設計された。

 また、膨大なポートレート写真のデータベースから、ニューラルネットワークのアルゴリズムを用いて“美しいポートレート写真”を学習。それに基づき、撮影した顔の特徴を分析し、性別、年齢、肌のキメ、肌の色、表情、肌の状態にもとづき、ユーザーに最適な補正を施して適用する「A.I.ビューティーモード」を備える。

 たとえば、男性の場合はヒゲを残し、女性の場合は肌のコンディションに合わせて最適化するといった具合だという。

 発表会では、R11sの日本国内での早期評価に携わった写真家の角田修一氏を壇上に呼び、R11sで撮影した写真は、すでに一眼レフに近いクオリティであり、新たな作品作りに活かせるレベルのものだとアピールされた。

 本製品はQualcommのSnapdragon 660プロセッサを採用しているが、これは世界初だという。それもそのはずで、Snapdragon 660に内蔵されているイメージプロセッサ「Spectra 160」はOPPOとの共同開発だからだ。R11sのさまざまな写真の機能は、このプロセッサによって支えられている。

 このほか、低電圧/大電流で充電することで、発熱を抑えながら30分で60%の急速充電を実現。これは複数アプリを立ち上げて利用しているときや、ゲームをプレイしている最中でも同様であり、発熱による危険性を抑えられるという。

 OSには、Android 7.1をベースとした「ColorOS 3.2」を採用。iOSやmacOSの「AirDrop」に似た「O-Share」機能に加え、ゲーム中に着信があってもゲームを中断せずに半透過ポップアップで通知を行ない、スピーカーフォンで通話ができる「ゲームモード」の実装が特徴となっている。

85.8%の画面占有率
ジェスチャーによる操作
顔認識も対応
クレッセントアークデザイン
背面のデュアルカメラ
日中の撮影は1,600万画素
夜は2,000万画素カメラが使われる
隣接するピクセルを1つとして扱うことで擬似的に受光面積を広げる
夜のポートレート
自然な被写界深度表現
ベストショットを自動的に選ぶ機能
ポートレートの膨大なデータベースから学習した
クマは消したいけど涙袋は残した……という例
シワや筋肉のたるみを自動補正し、若返りした例
写真家の角田修一氏
角田氏によるポートレート写真例
Snapdragon 660とメモリ4GB+ストレージ64GB
Snapdragon 660内蔵のSpectra 160 ISPはOPPOとの共同開発
電圧を低くし、電流量を増やすことで発熱を抑えたVOOC技術を搭載
独自のColorOS 3.2はAndroid 7.1ベース
AppleのAirDropに似た「O-Share」
そのほかの仕様

 このほかの仕様は、メモリ4GB、ストレージ64GBなどを搭載。SIMはデュアルNano SIM。対応バンドは、FDD-LTEが1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28、TD-LTEが38/39/40/41、WCDMAが1/2/4/5/6/8/19、GSMが850/900/1,800/1,900MHz。本体サイズは75.5×155.1×7.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量は153g。

 1月31日に行なわれた発表会の冒頭で、OPPO Japan株式会社 代表取締役の鄧宇辰氏は、「日本には100年以上の歴史を持つ企業がなんと21,666社存在する。一方でOPPOは2003年に立ち上げ、2008年にスマートフォン市場に進出したばかりの新興企業。しかしわれわれは長期的で健全な成長を目指しており、日本への進出は、こうした長寿企業から学ぶいい機会であると考えている」とした。

 その一方で、OPPOは新興企業ながらも、すでにグローバルで4位、アジアで1位のスマートフォンシェアを持っており、とくに若者にはカメラの機能が優れているスマートフォンブランドとしての認知度が高い。今後も市場のニーズをいち早く汲み上げ、製品にすぐに反映する企業理念によって、地域に特化した製品を市場に投入していきたいと、日本へのコミットメントを語った。

 OPPO Japan株式会社取締役の河野謙三氏は、OPPOのスマートフォンはデザイン、バッテリ、カメラという3大スマートフォンのニーズを満たしており、これが若者を中心に人気を得ている要因だとした上で、日本・横浜にも研究開発拠点を設けたり、Qualcommと5Gへのコミットメントをしたり、AIに関する共同研究を大学と共同で取り組んでいたりと、技術革新に対しても積極的であるとした。

 さらに、OPPOの製品は業界標準を超える822の設計基準や153種類の品質テスト項目をクリアしており、日本のような品質にシビアな市場にも応えられるものを投入していく姿勢を示した。

鄧宇辰氏
日本国内の100年企業
OPPOも長期的かつ健全な成長をする企業を目指す
カメラフォンとして認知されているOPPOのスマートフォン
スマートフォン市場、グローバルでは第4位、アジアでは第1位の実績を持つ
同社の企業理念
河野謙三氏
スマートフォンに求められる3大要素
OPPOの研究開発拠点
OPPO製品の構造設計基準や品質テスト項目
OPPOの開発姿勢
R11sの実機
iOSに似たコントロールセンター。画面下部からのスワイプで現れる
新開発のデュアルカメラ
下部のクレッセントアークデザイン。小指を引っ掛けるのにちょうどいい
ブラックモデル
シャンパン(ゴールド)モデル
レッドモデル