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Intel、第8~6世代CPUで脆弱性対策後のベンチマーク結果を公開
~性能低下はおおむね数%以内
2018年1月12日 15:31
米Intelは10日(現地時間)、同社CPUが影響を受ける脆弱性「Spectre」および「Meltdown」について、対策ファームウェアの状況などについて情報を公開した。
Google Project Zeroによって発見された脆弱性で、Intelによれば、現時点では同脆弱性によって顧客データが盗まれたといった報告は受けていないという。
Intelでは、マイクロコードを更新し、投機実行機能に手を加えることで脆弱性の対策を図っているが、それによる性能の低下が懸念されている。
今回Intelが公開したのは、第6/7/8世代Coreプロセッサでの「SYSmark 2014 SE」、「PCMark 10」、「3DMark Sky Diver」のベンチマーク結果。
CPU | Core i7-8700K(第8世代) | Core i7-8650U(第8世代) | Core i7-7920HQ (第7世代) | Core i7-6700K(第6世代) | ||
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コードネーム | Coffee Lake-S | Kaby Lake-R | Kaby Lake-H | Skylake-S | ||
OS | Windows 10 | Windows 7 | ||||
ストレージ環境 | NVMe SSD | SATA SSD | HDD | |||
ベンチマーク結果 ※脆弱性対策前のスコアを100%としての相対値 | ||||||
SYSmark 2014 SE - 総合 | 94% | 95% | 93% | 92% | 94% | 100% |
SYSMark 2014 SE - オフィス生産性 | 95% | 95% | 95% | 90% | 93% | 96% |
SYSMark 2014 SE - メディア制作 | 96% | 97% | 96% | 96% | 97% | 97% |
SYSMark 2014 SE - データ/財務分析 | 97% | 98% | 98% | 103% | 99% | 106% |
SYSMark 2014 SE - 応答性 | 88% | 86% | 86% | 79% | 89% | 101% |
PCMark 10 - 総合 | 96% | 96% | 97% | 96% | 96% | 96% |
PCMark 10 - Essentials | 96% | 96% | 97% | 96% | 93% | 95% |
PCMark 10 - Productivity | 96% | 94% | 95% | 94% | 97% | 97% |
PCMark 10 - Digital Content Creation | 98% | 98% | 98% | 99% | 97% | 97% |
3DMark Sky Diver - 総合 | 100% | 99% | 100% | 101% | 100% | 100% |
3DMark Sky Diver - Graphics | 100% | 99% | 100% | 101% | 100% | 100% |
3DMark Sky Diver - Physics | 99% | 98% | 100% | 99% | 97% | 99% |
3DMark Sky Diver - Combined | 100% | 99% | 100% | 101% | 100% | 101% |
WebXPRT 2015(Windows 10はEdge、Windows 7はIE利用) | 92% | 90% | 93% | 90% | 95% | 92% |
最も性能の低下が大きいSYSMark 2014の応答性テストでは、Windows 10、SATA SSD環境のCore i7-6700Kで21%の低下が起きている。
Bapcoによれば(PDF)、応答性テストでは、Microsoft OfficeやAdobe製品、Google Chrome、WinZipなどを使って、アプリの起動/インストール、タブを開いた状態でのWeb閲覧、ファイルコピーによる写真操作、マルチタスキングなどが検証される。
ただし、大多数のテストでは6%未満~8%程度の減少に収まっていることから、演算処理性能への影響は比較的軽微で、おもにI/O性能(ストレージの読み書き)に影響が出ていることがわかる。
Intelでは、第8世代プロセッサ(Kaby Lake-RおよびCoffee Lake-S)でのSSD性能への影響は小さく、予想される全体の性能低下は6%未満としている。ただし、複雑なJavaScript操作を含むWebアプリを使う場合など、特定のケースで最大10%程度のより大きな影響を受ける可能性がある。
ゲームなどのグラフィックス集約型、財務分析のような計算集約型の処理については、影響は最小限としている。
第7世代モバイルプロセッサ(Kaby Lake-H)についても、第8世代と同程度の影響だという(SYSMark 2014 SEで約7%)。
第6世代プロセッサ(Skylake-S)では、影響はやや大きいものの、第8/7世代のプラットフォームとほぼ一致してるとする。加えて、Windows 10環境よりも、Windows 7環境の方が影響が小さいという。
米Microsoft Windows & Devices Group Executive Vice PresidentのTerry Myerson氏が指摘しているが(投機実行の脆弱性修正、Haswell世代以前では性能への影響大参照)、第4世代のHaswellアーキテクチャ以前のCoreプロセッサでは、より大きな影響を受けるものと見られている。
Intelでは、数日以内にサーバープラットフォームでの計測データも公開する予定。