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IBM、「POWER9」プロセッサ搭載のサーバーシステム「Power Systems AC922」
~GPUとCPUでメモリを共有しAI学習処理を高速実行
2017年12月6日 19:19
米IBMは5日(米国時間)、「POWER9」プロセッサ搭載の新サーバー「Power Systems AC922」を発表した。
Power Systems AC922は、PCI Express(PCIe) 4.0やNVIDIAのインターコネクト規格「NVLink」、オープンなプロセッサ間コヒーレントインターコネクト「OpenCAPI (Open Coherent Accelerator Processor Interface)」を組み込んだ初の製品となり、PCIe 3.0ベースのx86システムよりも9.5倍高速(x86とPCIe 3.0 x16の最大転送デート15.75GB/s、POWER9とNVLinkの最大転送レート150GB/s)な転送の実現を謳う。
システムはAIワークロード向けに構築されており、Chainer、TensorFlow、Caffeなどの一般的なAIフレームワークおよび、Kineticaなどの高速データベースで高い性能を実現できるよう設計されているという。
POWER9(20コア)×2、1,024GBメモリ、Tesla V100×4搭載のシステムと、Xeon E5-2640 v4(10コア、2.4GHz)×2、1,024GBメモリ、Tesla V100×4との比較では、深層学習(ディープラーニング)フレームワークのトレーニング時間(2,240×2,240ドットのEnlarged Imagenet DatasetのEnlarged GoogleNetモデルを1,000回実行した場合)で、3.8倍高速化でき、より正確なAIアプリケーションをより迅速に構築できるとする。
AC922は、前述の高速なインターコネクトを活用し、アプリケーションがシステムメモリをGPUメモリとして活用できるようにすることで、AIモデルが大きくなってしまい、GPUメモリが不足してしまう問題に対応している。NVLinkにより、CPUとGPU間でメモリを共有しても、x86サーバのようにPCIe 3.0によるボトルネックが発生しないという。
AC922では、16/18/20/22コアのPOWER9プロセッサを2基を搭載可能で、最大44コア構成が可能。GPUはTesla V100を2~6基搭載できる。