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「デザインとはイノベーションと未来の創造」
~日本HP、製品発表会レポート
2017年11月22日 14:20
株式会社日本HPは17日、同社のPC新製品の発表会を都内にて開催した。
本稿では、製品発表会の模様をお伝えする。発表された製品の詳細については、別記事(タッチ対応で世界最薄の13.3型ノート「Spectre 13」、4コア8スレッドCPUになった13.3型2in1「Spectre x360」、ワコムAESペン対応の12.5型2in1「EliteBook x360 1020 G2」、4コアCPU/Quadro搭載のワコムペン対応14型2in1「ZBook x2 G4」)を参照されたい。
発表会には、株式会社日本HP 代表取締役 社長 執行役員の岡隆史氏、同社専務執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の九嶋俊一氏、米HP パーソナルシステムズ インダストリアルデザイン担当 バイスプレジデントのステイシー・ウルフ氏が登壇。
岡氏は、HPの企業理念は「Keep Reinventing」であり、「革新的なテクノロジーで人々の生活をより豊かにする」ことを目指していると説明。HPはさまざま世界初のイノベーションを生み出してきたが、それは将来を見据え、少し先の未来に必要とされるもの、「あったら便利」を考えてきた成果であるとした。
今、PCやプリンタ事業で目指しているのは、世界で最も安心/安全な製品の提供で、今回の新製品もその1つであるとした。
次いで登壇したウルフ氏は、米HPでコンシューマ/ビジネス製品両方のデザイン部門のトップにあたる人物で、同社のデザインについてを語った。
HPのデザインスタジオには、同社の創業者デイブ・パッカード氏の「失敗を恐れずにリスクを冒せ」という言葉が掲げられており、そのプッシュを続けるという考え方が同社では共有されているという。
デザインチームはデザイナーだけでなく、トレンドエキスパート、CMFデザイナー、未来のイノベーション、ヒューマンファクター、製品開発者まで多様な人材で構成されており、出身国もさまざまだという。同氏は、世界市場に向けたデザインを行なうなら、デザイナーもその文化的多様性を反映できていなければいけないからだと述べていた。
同氏は、我々は単なるプロダクトデザイナーではないと述べ、製品というのは多くの側面を持っており、それをデザインするためには多様性でカバーする必要があるとした。これはデザイナーの経歴も同様で、自動車産業や家電業界、スポーツウェアまで、さまざまな企業から人材が集結しており、これによって新しいデザインを創造できるのだと語った。
HPでは、4年前に同社のデザインを革新するというミッションが与えられ、同氏はそのために4年間をチームの育成に費やしたという。
結果、同社のデザイン言語に対して、いきなりベストなものを作れなくても進めていくという「革新的(Progressive)」、全体の統一感という「調和(Harmonious)」、HPというブランドを象徴し、数年後に「あれは良かった、凄かった」と思い出せるような、思い出として残る「象徴的(Iconic)」という3つの信念を生み出したと語った。
それによって、多くのデザイン賞を勝ち取り、ユーザーにも評価され、売り上げも向上したという。
以前の製品では、ただエンジニアの言うとおり、パーツを組み立てただけだったが、今ではイノベーションへの洞察という視点で、データを分析してデザインされているとした。
今ではファッション誌にも製品が取り上げられるようになり、HPは技術だけの会社ではなく、ライフスタイルを提案できる会社になったと語った。
発表された新Spectre 13では、前モデルでは10mmという厚さの筐体にすべては搭載できなかったと述べ、今回はタッチ機能や高い性能、長時間のバッテリ駆動を実現しているとアピール。
ビジネス向けのEliteBookでも、会社が用意したPCではなく、社員が使いたい端末をオフィスへ持ってくるという働き方の変化を反映し、スタイリッシュなデザインを採用。
ビジネス向けのため複数のUSBポートやHDMIなど接続性を維持しつつ、Thunderbolt 3による拡張性も確保しているとした。
また、Bang & Olufsenと共同で調整されたスピーカーは、電話会議などで別途スピーカーを用意しなくても、会議室の全員に聞こえるような音量で再生できるほか、マイクもカフェなどノイズの多い環境でも、明瞭な通話を実現できるとアピールした。
同氏は、今のオフィスでは社員1人に特定の座席が指定されるのではなく、出社して好きな座席に座って仕事を始められるフリーアドレス型への変化が始まっていると述べ、一体型PCのEliteOneでは、そういった環境を鑑みて、どこから見ても美しいデザインを目指したと語った。
着脱式2in1である「ZBook x2」は、写真家やイラストレーター、エンジニア、デザイナーのための製品であると語り、先行して利用しているプロのユーザーからは、キーボードがBluetooth接続のため、外した状態でショートカットキーが入力できる点を高く評価されているとアピールしていた。