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日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション

~Windows MRヘッドセットも投入

日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション HP Z VR Backpack G1 Workstation
HP Z VR Backpack G1 Workstation

 株式会社日本HPは17日、同社のVRに関する取り組みや、9月28日に日本で発表したワークステーション新製品を紹介する記者説明会を開催した。

 冒頭では、同社執行役員 パーソナルシステムズ事業本部長 兼 サービス・ソリューション事業本部長の九嶋俊一氏が、VRへの取り組みについて説明した。

 これまで何度かPC Watchでも取り上げているのだが、HPは現在3つの事業を基軸に製品戦略を展開している。1つ目はPCや2in1、ゲーミングPC、ワークステーションと言った、HPが従来から展開しており、事業規模がもっとも大きい「コア事業」。この事業では、最高の性能をユーザーに提供するだけでなく、近年問題になっているセキュリティ対策をしっかり行ない、「世界で最もセキュリティ性の高いPC」であることを謳う。

 2つ目は「成長事業」で、Device as a ServiceやリテールのPOSシステムなど、「投資すれば明日にも効果が得られる」もの。そして3つ目が3Dスキャナ、今回の発表会のメインとなるVRやARといった「将来事業」。この分野に関しても積極的に投資を行なっていき、市場を創出していきたいとする。

 市場が育って行くためには、コンテンツを制作する側とコンテンツを消費する側、両方が好循環をしていかなければならない。VRに関しても同じであり、そのためHPでは、VRコンテンツ消費用に、OMENやWindows MR(Mixed Reality)に対応したヘッドセットといったコンシューマデバイス、そしてVRコンテンツ制作用に、高性能なワークステーションやバックパック型ワークステーションを投入していくとした。

 コンシューマ向けに投入するWindows MR対応ヘッドセットは、現時点では他社と横並びのスペックだが、頭に装着する部分に着脱式ケーブルを採用することで利便性を高めているとした。

 また、同社(東京都江東区大島)内に設けているショールーム「カスタマー ウエルカム センター」でも新たにVRを体験できるコーナーを設け、ソリューションとしての導入を検討するさいの参考になるようにした。このほか、火星で人間100万人の暮らしをVRで疑似体験する学生向けの国際的なプロジェクト「Project Mars -Education League JP」の実施についても語られた。

日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション 九嶋俊一氏
九嶋俊一氏
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション HPの事業戦略
HPの事業戦略
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション VRの普及にはコンテンツの制作と消費の両方を育てる必要がある
VRの普及にはコンテンツの制作と消費の両方を育てる必要がある
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション Windows MR対応ヘッドセットの投入
Windows MR対応ヘッドセットの投入
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション カスタマー ウェルカム センターにVRコーナーを設けた
カスタマー ウェルカム センターにVRコーナーを設けた
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション 学生向けのProject Mars -Education League JP
学生向けのProject Mars -Education League JP

VRを含む最新のワークフローをサポートするワークステーション群

日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション チャビア・ガルシア氏
チャビア・ガルシア氏

 続いて、HP パーソナルシステムズ ワークステーション担当 バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのチャビア・ガルシア氏が、9月28日に日本で発表したワークステーション新製品の特徴について説明した。

 なお、9月28日の時点でPC WatchではHPのワークステーション製品を記事として取り上げていなかったため、ここで簡単におさらいしておこう。

 1つ目は、バックパック型のワークステーション「HP Z VR Backpack G1 Workstation」。VRコンテンツの開発/制作に向いた製品であり、コンシューマ向けの「OMEN X by HP Compact Desktop P1000」がGeForceを搭載していたのに対し、本製品がQuadro P5200を搭載する点が最大の違いとなる。

 バッテリパックは本体内に装着せず、ケーブルで腰の左右に置くことで容易な着脱を実現。本体内にもバッテリを内蔵しているため、左右のバッテリを同時に抜いて同時交換できる。

 おもな仕様は、CPUににCore i7-7820HQ(2.9GHz)、メモリ32GB、Intel QM175チップセット、512GB TLC SSD、GPUにQuadro P5200(16GB)、OSにWindows 10 Proを搭載。インターフェイスは、Thunderbolt 3、USB 3.0×4、HDMI 2.0、Mini DisplayPort、音声入出力などを備える。

 ドッキングステーションも付属しており、ショルダーから外して装着すれば、デスクトップとして使えるのが特徴。本体サイズは236.4×60.9×333.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は2.6kg(バックパックキットやバッテリ込みで4.658kg)。税別直販価格は58万円から。

 ガルシア氏は、「HP Z VR Backpack G1 Workstationは、ドッキングステーションにつけて高性能ワークステーションとしてVRコンテンツを制作し、取り外してバックパックにすれば制作したコンテンツをそのまま確認できる。コンテンツの制作は、作っては手直し、作っては手直しの繰り返しなので、このようなソリューションが活きる。トレーニングやシミュレーション、製品開発におけるサイクルの短縮化、医療研究といった分野で活きる」とした。

日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション HP Z VR Backpack G1 Workstationを装着したところ
HP Z VR Backpack G1 Workstationを装着したところ
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション ドッキングステーションに装着したところ
ドッキングステーションに装着したところ
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション デスクトップPCとして利用できる
デスクトップPCとして利用できる
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション 本体上部のインターフェイス
本体上部のインターフェイス
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション バッテリパックはケーブルで外付け化されている
バッテリパックはケーブルで外付け化されている
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション HTC VIVEと組み合わせて利用しているところ
HTC VIVEと組み合わせて利用しているところ
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション 体に装着することで、ケーブルによる動作の制限を大きく改善する
体に装着することで、ケーブルによる動作の制限を大きく改善する
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション Quadro P5000搭載のため、VRコンテンツの開発がそのまま行なえる
Quadro P5000搭載のため、VRコンテンツの開発がそのまま行なえる
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション 想定される利用シーン
想定される利用シーン

 2つ目は、新筐体を採用したデスクトップワークステーション「HP Z8 G4 Desktop Workstation」、「HP Z6 G4 Desktop Workstation」、「HP Z4 G4 Desktop Workstation」の3製品。税別直販価格は順に30万円、276,000円、189,000円。

 Z4では最大10コアのXeon W-2100ファミリ、Z6/Z8では最大24コアのXeon Platinum 8100ファミリを最大2基まで搭載可能となっており、究極の性能を実現する。とくにZ8では、メモリを最大1.5TBを搭載可能で、スペック表にはないが、展示機にはQuadro GP100が搭載されていたなど、まさにモンスターと呼ぶにふさわしい構成となっている。

 ガルシア氏は、「HPのワークステーションは性能面のみならず、信頼性やデザイン面にも重視して開発された。HPのワークステーションは、企業の知的財産といった重要なデータが保管されているため、信頼性については厳格に重視している。過去20年間で累計35万時間を超えるテストを実施している。一方、デザインにおいても、すべてのデザインの目的を意図してデザインをしているとし、他社との差別化を行なっている」とした。

 デジタルワークフローは多様化してきており、ユーザーの複雑な要件に応えるのは難しいが、そのなかでも変わらないのが開発と展開の2つのプロセス。たとえば機械学習の開発(学習)では大量のデータを取り込んで処理する能力が求められ、展開(推論)では低レイテンシが求められる。VRの開発は3Dモデルのインポートや構築で、展開はトレーニングやショールームでの展示、エンターテインメント目的のものだ。この2つのプロセスに双方応えられるのが、Z8/Z6/Z4のラインナップであるとした。

日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション HP Z8 G4 Desktop Workstation
HP Z8 G4 Desktop Workstation
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション 本体内部。NVLinkを採用するQuadro P100が装着されている
本体内部。NVLinkを採用するQuadro P100が装着されている
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション HPワークステーション製品のアプローチ
HPワークステーション製品のアプローチ
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション さまざまなワークフローをサポート
さまざまなワークフローをサポート
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション ワークステーションはとくに信頼性を重視した
ワークステーションはとくに信頼性を重視した
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション 新製品のラインナップ
新製品のラインナップ
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション 冷却性を重視した筐体設計
冷却性を重視した筐体設計
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション 使いやすさ重視のデザイン
使いやすさ重視のデザイン
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション 顧客のニーズ
顧客のニーズ
日本HP、VR開発向けのバックパック型ワークステーション HPのVR対応製品のポートフォリオ
HPのVR対応製品のポートフォリオ