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HP、プロ向けVRバックパックPC「HP Z VR Backpack」を発表

~Core i7、Quadro P5200を搭載したハイエンドスペック

HPのHP Z VR Backpack。HPによればプロフェッショナル用途向けのウェアラブルVR PCとしては世界初の製品

 HPは7月30日~8月3日に米国ロサンゼルス市で開催されているSIGGRAPH 2017に出展し、同社の最新製品などを展示した。その中でも注目を集めたのは、「HP Z VR Backpack」と呼ばれる背中に背負うバックパック型のVR用PCだ。

 HP Z VR Backpackは、プロフェッショナル用途向けのウェアラブルVR PCとしては世界初を謳う製品。ほかのバックパック型PCが、GeForceやRadeonといった一般消費者向けのGPUを搭載しているのに対して、本製品はプロ向けのQuadro P5200を搭載できるのが大きな違いとなる。

CPUはクアッドコアのCore i7-7820HQ、NVIDIAから未発表のQuadro P5200を搭載

 HP Z VR Backpackは、以下のようなスペックになっている。

【表1】HP Z VR Backpackのスペック
CPUCore i7-7820HQ
GPUQuadro P5200(16GB、GDDR5)
メモリ最大32GB(2×SO-DIMM)
ストレージ最大1TB
ネットワークGigabit Ethernet/IEEE 802.11ac無線LAN
サイズ333×236×60.9mm(幅×奥行き×高さ)
重量4.65kg
OSWindows 10 Pro
HP Z VR Backpack

 CPUはCore i7-7820HQで、Intel HD Graphics 630のiGPUを内蔵したクアッドコアCPUとなる。GPUはオプションでNVIDIAのQuadro P5200を搭載可能としているが、この記事を書いている時点ではNVIDIAからQuadro P5200という製品は発表されていないので、今後発表される製品だと考えることができる。なお、モバイル向けのQuadroの最上位製品がP5000になるのでP5200はその改良版ないしは高クロック版となる可能性が高い。

 メモリはSO-DIMM2つで装着する形で、16GB×2で最大32GBまで搭載できる。ストレージはM.2の形式で装着可能になっており、最大1TBの構成が可能になる。

バックパック部分と分離する形状
左右にはバッテリを装着できる

 形状としては、MSIなど台湾のPCメーカーが開発したバックパックVR PCに近い形状になっているが、ユニークな仕組みも採用しており、バッテリを装着することができるバックパック部分とPC本体が分離することだ。分離したPCはドッキングステーションを使って、ディスプレイ、キーボード、マウスなどを装着することで、デスクトップPCとして使うことができる。また、Thunderbolt 3に対応したUSB Type-C端子が用意されており、Thunderbolt 3のドッキングステーションを利用しても拡張が可能だ。

ドッキングステーションに装着してPCとして利用できる
I/O周り

PC用のVR HMDと組み合わせて利用する、米国では3299ドルからで9月から発売予定

 バックパック部分にはバッテリを取り付けるスペースが用意されており、完全無線でプレイできる。ディスプレイ出力としてはHDMIとMini DPの2つが用意されているが、デモではHDMI出力を無線で飛ばす装置をつけて、無線で外部ディスプレイに映しながらVRを楽しむという使い方も可能だとアピールされた。

デモではHMDにはHTC VIVEが利用されていた
VRをやるときはこんな感じになる

 デモで利用されているVR HMDはHTCのVIVEで、HTC VIVEにPCから電源を供給する電源ポートも用意されている。基本的にはDPなり、HDMIから出力するだけなので、電源さえ取れればどんなHMDでも対応可能ということだった。

 HPによれば、HP Z VR Backpackは9月から受注が予定されており、米国では3,299ドルからの価格が想定されている。