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欧州委員会、Googleに対し過去最高約3千億円の罰金。反トラスト法違反

 欧州委員会は27日(ベルギー時間)、Googleが同社の検索エンジンの優位性を濫用し、自社のショッピング比較サービスが有利になるようにしたことが反トラスト法に抵触するとし、24.2億ユーロ(約3,043億円)の罰金を科すと決定した。これまで最高額だったIntelの10億6千万ユーロを塗り替え、EU史上最大となる。

 対象となったショッピング比較サービスとは、「Google Shopping」のことで、2004年のサービス開始時には「Froogle」という名で、名前を数回変えて現在のGoogle Shoppingになっている。2006年の社内文書における「Froogleはうまくいっていない」という趣旨の記述から、Googleがより多くのトラフィックを稼ぐために同社の検索サービスで不当に有利となるようにしたとされる。

 GoogleはWeb検索結果でGoogle Shoppingがシステム的に有利になるようにした以外にも、競合のショッピング比較サービスの検索ランクを不当に下げていたことが明らかにされた。一般に、検索結果に対するクリックの95%は1ページ目に対するもので、35%が一番上に表示される検索結果に対するものとなっている。これにもとづき、競合に対する影響は甚大だと判断された。

 GoogleのWeb検索のヨーロッパにおけるシェアは極めて高く、欧州経済領域(EAA)内で2008年以降90%を超えつづけている。また、ネットワーク効果により、より多く使われる検索エンジンがより良い検索エンジンとなるため、参入障壁も極めて強力で、Googleの独占が指摘された。

 欧州委員会はGoogleに対し、90日以内の改善と、今後も競合を平等に扱うように求めている。