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Adobe、Photoshop CCに顔編集機能やフォント検索機能を追加

~LightroomにはAdobe Stockに直接アップロードできるプラグインを提供

 アドビスシステムズ株式会社は、クリエイター向けソフト/サービス「Adobe Creative Cloud(以下Adobe CC)」の2016年6月リリースのアップデート内容を公開した。

 本稿は、写真編集向けソフトウェアである「Photoshop CC」および「Lightroom CC」のアップデートの内容となっており、そのほかの製品のアップデートについては別記事にて掲載している。

 Photoshop CCでは、新たに「選択とマスク」および「コンテンツに応じた切り抜き」、「マッチフォント」機能、ゆがみフィルタに「顔ツール」が追加される。

 選択とマスク機能は、範囲選択とマスク作成を行なえる独自のワークスペース機能で、クイック選択機能を利用して、任意の対象を選択できる。従来の選択ツールと比較して、微調整がしやすくなっており、複雑な形状でも簡単に選択できるとする。

 本機能で選択された範囲は、そのまま選択範囲として扱うか、レイヤーマスク化、新規レイヤー/ドキュメントへの複製などが行なえる。

この写真から4K液晶ディスプレイを切り取ってみたい。まずは「選択とマスク」ツールを起動する
ざっくりなぞれば自動で選択される。クイック選択ツールだけでなく、境界線調整ブラシ、通常のブラシが利用できるため、微調整も容易だ
表示モードを白黒にして最終確認すると選択忘れなどの失敗を防げる
レイヤーマスク、新規レイヤー/ドキュメントとして出力できる
綺麗に切り出すことができた

 コンテンツに応じた切り抜き機能は、画像を超えて切り取った際にできる余白を自動で塗りつぶすというもの。通常は画像の角度を変更したい場合、余白を無くすため画像内に納めるようにトリミングを行なうが、同機能を使用することで、撮影した写真の画角などを保持したまま角度を補正できる。

水平に撮れていない写真を、画角を維持しつつ角度修正したい
従来のトリミングでは余白が出ないよう枠内で収めるしかない
上部の「コンテンツに応じる」にチェックを入れ、コンテンツに応じた切り抜きを行なう
画角を維持しつつ綺麗に補正された。ある程度連続したものなら、違和感なく塗り潰される

 マッチフォント機能は、選択範囲内の文字列に使われているフォントを認識し、そのフォントおよび類似したデザインのフォントを提示してくれるというもの。検索対象はPhotoshop CCがインストールされているPC内のフォントのほか、Adobeのフォントライブラリサービス「Typekit」からも検索されるため、所有していないフォントの場合でも、その場でライセンスを入手して使用することができる。

マッチフォント

 顔ツールは、ゆがみフィルタに追加された機能で、自動で写真内の人物の顔を認識し、目/鼻/口/顔の形状の各パーツを変形させるというもの。それぞれのパーツごとにいくつかのパラメータが用意され、表情や顔つきなどを編集できる。

顔ツールはゆがみフィルタから使用できる
自動で顔を認識する。プレビュー版での動作となるが、認識には顔の輪郭線が全て写っている事が必要で、顔に手前の物体が被っている、顎を手で隠す、頬杖をついているといった構図では、顔ツールが利用出来なかった
色々とパラメータを動かしてみた結果
変形後の弊誌編集長

 Lightroom CCでは、新たにAdobe Stockへ直接アップロードできる「Adobe Stockコントリビュ-ター用プラグイン」が追加される。これはそのほかの機能と異なり、近日中の提供となる。

Adobe Stockコントリビュ-ター用プラグインのイメージ
新機能一覧

 メディア向け説明会でこれら機能の解説を行なった、アドビ システムズ株式会社マーケティング本部 栃谷宗央氏は、今回のアップデートでは「使える機能」が追加され、「誰もが喜ぶ」機能強化が行なわれているとアピール。

 コンテンツに応じた切り抜きについては、構図を維持した編集が可能であり、顔ツールについては、「編集したい部位以外に影響が出ない、自然な編集が可能」とアピールしていた。