やじうまミニレビュー

充電用Cケーブルがハブに合体!エレコムの“神アイテム”は本当に使えるか試してみた

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
エレコム「U3HC-C040PBK」。実売価格は4,000円前後

 エレコムの「U3HC-C040PBK」は、最大100W対応のUSB Type-Cケーブルに、4ポートのUSBハブを合体させた逸品だ。ふだん使っている充電用のUSB Type-Cケーブルと取り替えるだけで、USB PD充電器からノートPCを充電しつつ、さらにマウスやキーボード、ストレージなどのデバイスも使えるようになるという神アイテムである。

 もっともこうした欲張りな製品は、実際に使ってみると思わぬ利用制限があって拍子抜けすることもしばしばなわけで、本製品がどうなのかは気になるところ。実機を購入したのでレビューをお届けする。

給電用のUSB Type-Cケーブルに4ポートUSBハブが合体

 本製品は、長さ1mちょっとのUSB Type-Cケーブルの中間に、4ポートのUSBハブが合体した構造になっている。ケーブルの片端をUSB充電器に、もう片端をPCにつなぐことで、PCへの充電を行ないつつ、USBハブとして、マウスやキーボード、ストレージを利用できる。

 利用にあたってはUSBハブが近い側のコネクタをPCに、遠い側のコネクタを充電器に接続する。反対向きには取り付けられないので要注意だ。もっともハブ側が遠くにあっては抜き差しが不便なので、自然とこのつなぎ方になるだろう。

全長は2mで、バスパワー式のUSBハブがPC接続用のポート寄りに配置されている
ポートはいずれもUSB Type-C。充電用のC-Cケーブルと置き換える形で導入する
ハブはUSB Type-A 2基とUSB Type-C 2基。転送速度は5Gbps
ノートPCを充電中のUSB Type-Cケーブルを……
本製品に交換することで充電にプラスしてハブ機能も使えるようになる

 USBハブはバスパワー駆動で、マウスやキーボード、さらにUSBメモリやポータブルSSDなど、給電を必要としないデバイスを接続できる。USBハブであって充電器ではないので、このUSBポートを使ってスマホなどを充電することはできない。

 ちなみにセルフパワータイプの周辺機器はどうなのか試したところ、きちんとACアダプタ経由で電力を供給しさえすれば、特に問題なく利用できるようだ。このあたりは一般的なUSBハブと特性に違いはないと見られる。

 なお本製品は充電器に接続していなくてもバスパワーのUSBハブとして使えるため、ケーブルの片方をどこにも挿さないまま、USBハブ機能だけを利用することも可能だ。片方の端子が宙ぶらりんなので一瞬ギョッとするが、デバイスの特性を理解していれば、この状態で使えても何らおかしくないことがよく分かる。

PCからUSBハブまでの部分はバスパワーで動作するので、反対側のケーブルが充電器に接続されていなくともUSBハブとして問題なく使える

USBハブの転送速度は5Gbps。電力は若干差し引かれる点に注意

 このほかの挙動についてもう少し詳しく見ていこう。

 本製品は100Wの出力に対応するが、USBハブが約10Wの電力を消費するため、最大出力100WのUSB PD充電器に本製品を接続した場合、PCからは90Wの電源として認識される。実際にPCのユーティリティで確認したところ、USB Type-Cケーブル直結だと100Wとみなされるのに対して、本製品経由だと90Wに目減りすることが確認できた。

 65W、45Wの充電器だとどうなるか試したところ、PCのユーティリティ上では差し引かれることなく65W、45Wの電源として表示されたが、ノートPCが要求する出力ギリギリの充電器を使っていた場合、実際に供給される電力が目減りすることで、充電できなくなる可能性もある。10Wぶんが差し引かれることを前提に、なるべく出力に余裕のある充電器を使うことを心掛けたい。

100WのUSB PD充電器に、通常のUSB Type-Cケーブルで接続したところ。ノートPC(ThinkPad)のユーティリティからは100Wの電源と認識される
USB Type-Cケーブルではなく本製品経由で接続すると10W差し引かれ、90Wの電源と見なされる

 データ転送の速度はどうだろうか。USBハブの最大転送速度は5Gbpsということで、接続するストレージがそれ以下ならば影響はないが、それ以上に対応する製品だと当然ながら速度は落ちる。

 試しにUSB3.2 Gen 2x2(20Gbps)対応の外付SSDを、本製品経由/PC直結の2通りの方法で接続して速度をチェックしたが、本製品経由だとボトルネックとなり速度が制限された。こうした特性も、一般的なUSBハブと変わらない。

最大転送速度が5Gbpsとの記載がある。USB 3.2 Gen 1相当だと考えられる
USB3.2 Gen 2x2(20Gbps)に対応したキングストン「SXS2000」をPCのUSB Type-Cポートに接続し、読み書き速度をCrystalDiskMark 8でテストしたところ。Readで最大1,037MB/sの速度が出ている
本製品のUSBハブに接続して同様のテストを行なったところ、およそ半分の464MB/sまで目減りした。本製品がボトルネックになったと考えられる

映像信号の伝送は不可。シンプルな環境への導入に向く

 このように基本的には「USB Type-Cケーブル+USBハブ」で、制限があってもそれはUSBハブ側の制限であることが多いが、USB Type-Cケーブルと置き換えることで明確に使えなくなる機能もある。たとえば外部ディスプレイとの接続がそれだ。

 本製品はデータが流れるのがPCとUSBハブの間だけで、それ以外の部分は給電のみなので、映像信号が流せないのは当然といえば当然なのだが、すでに使っているUSB Type-Cケーブルを本製品に交換することで、こうした汎用性が失われる場合もあるので注意したい。

 ドックを利用している場合も同じことが起こる。ドックに接続しているディスプレイへの映像出力が不可能なのはもちろん、ドックに接続しているマウスやキーボードを使っての操作も行なえない。できるのは給電のみだ。

 本製品のUSBハブから先は電力供給しか対応しないのでこれも当たり前なのだが、オールインワンのドックを使っているとどのような信号が流れているか把握していないことも多く、実際に試して初めてうまくいかないことに気付いた、というケースもあっておかしくない。

 ちなみに本製品をPCにではなく手持ちのドックに接続し、本製品につないだマウスとキーボードがPCから認識できるかも試してみたが、こちらも無反応だった。

ケーブルチェッカーにつなぐと、通常のケーブルとは明確に違うことがよく分かる

 そうした意味でも本製品への置き換えに向くのは、ドックやハブなどを介さず、PCとUSB PD充電器をケーブル1本で接続しているシンプルな環境ということになる。具体的に考えられるのは旅行先や出張先、あるいは社内でも最小限のPC環境を会議室に持ち込んでの利用などで、そうした環境ならばリスクも少ない上、荷物を減らせる効果も生きてくるはずだ。

 実売価格は4,000円前後と、単体のケーブルと比べても法外に高いわけではなく、使える機能の差を考慮すると十分に納得がいく。今回見てきたようないくつかの機能制限はあり、未知の環境での利用にあたっては事前の動作チェックが望ましいが、それさえ怠らなければ便利に使えるシーンは多そうだ。筆者はひとまず、遠征先のホテルでの作業に持ち込んでみたいと考えている。

製品パッケージ。説明が難しい製品ゆえ、このパッケージの記述にも苦心の跡が見える