やじうまミニレビュー

“巨大スマホ”って感覚。1万7,900円の8.7型タブレット「Teclast T50 Mini」がイイ

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
T50 Mini

 Teclastの8.7型IPS液晶とAndroid 15を搭載したタブレット「T50 Mini」がAmazonで販売開始された。価格は3,000円クーポン適用後で1万7,900円だ。今回サンプルを入手したので、簡単に概要を見ていこう。

 8型前後のタブレットで1万円台というと、Unisoc製のエントリープロセッサを採用したモデルが多い。それに対して今回紹介するT50 Miniのプロセッサは、3万円台のタブレットでも採用例が多いMediaTekの「Helio G99」。絶対性能としてはエントリーの域を出ないのだが、Unisoc製のものよりは性能は高く、1万円台半ばのモデルとしてはハイスペックだ。

 実際に操作してみても、T606を搭載したBlackviewの「Tab 60」(こちらは終売しているが)と比較して、スクロールやタスクの切り替え、アプリのインストール時といったタイミングで、妙な引っかかりを感じることが少ないように感じた。

 また、ディスプレイは1,340×800ドット表示対応の8.7型で、リフレッシュレートは120Hzとなっている。解像度はそれなりだが、高リフレッシュレートにより、UI操作やスクロールもヌルヌル動く印象だった。

液晶解像度は1,340×800ドットと低いが、120Hzなのでスムーズに動く。発色はやや黄色みが強い印象だが、鮮やかさは必要十分
片手で持てるサイズなので、持ち運びなども容易だ
背面のデザインはシンプル。質感は高くなく価格相応
背面カメラ部のアップ

 比較的高性能なプロセッサや120Hz液晶を搭載しているからといって、最新の3Dグラフィックスを駆使したゲームが快適かつスムーズに動くというわけではない。ただ、眺めることが多い「崩壊:スターレイル」は画質を低くすればそれなりには動くし、「Asphalt 8」や「Asphalt:Legends Unite」、「マリオカート ツアー」などは十分プレイ可能な画質とフレームレートだったので、UnisocのT606やそのリネームであるT7200搭載モデルよりはゲーム向きであるのも確かだ。

崩壊:スターレイルは画質を落とせばそれなり。低い解像度が手伝っているのだろう
ジャギーが若干気になるが、Asphalt 8などのレーシングゲームは意外に動く
Geekbench 6の結果
PCMark 10の結果
3DMark Wild Lifeの結果

 8.7型というと「片手で軽く持てる動画視聴端末」というイメージもあると思うが、その点T50 Miniも及第点。先述の通り解像度こそHDクラスであるため、フルHDのような精細感はないのだが、著作権保護のWidevine L1をサポートしており、試してみた限りではNetflixやAmazonプライムビデオではフルHDでコンテンツが再生できた。

Widevine L1対応で、フルHD解像度のコンテンツを再生可能

 この点、以前レビューしたTab 60では、Widevine L1をサポートしていたもののNetflixはSD画質止まりだった。「どうせ液晶解像度がHDクラスじゃあ……」と思われるかもしれないが、NetflixのSD画質ではビットレートが異なるためか、ブロックノイズやジャギーがかなり気になった。一方T50 Miniでは高画質なフルHDソースのピクセルを縮小して出力するので、そういった現象はない。

 しかし、Tab 60は横持ち時に左右にスピーカーが配置されるのに対し、T50 Miniはどちらか片方(カメラを上にする持ち方なら右側)にスピーカーが寄ってしまうのが残念である。どうしても気になるのであれば、ヘッドフォンを利用することをおすすめする。ちなみにスピーカーの音質はごく普通といった印象だ。

Unisoc T606を搭載したBlackview Tab 60(右)との比較。サイズ感はほぼ共通だ。さすがにT50 Miniのほうがキビキビ動く。また、NetflixがフルHD画質になるのも◎
スピーカーは2基だが、片方にしかない

 一般的なWebブラウジングや電子書籍だけでなく、動画もゲームもぼちぼち楽しめるなら、サブに使う「巨大スマホ」として本製品は“アリ”だと個人的に思った。何を隠そう、本製品はSIMスロットがあり、4Gの通話も通信も可能とされているからだ。

2つのNano SIMカードスロット(1基はmicroSDと排他)が搭載されている
付属品。USBのACアダプタは昔ながらのType-Aで5V/2Aタイプ

 対応バンドは1/3/5/7/8/20/34/38/39/40/41と寂しい限りで、かつ筆者手元のLINEMOおよびmineo(S)の通話対応SIMでは通信も通話もできなかった。IIJmioの通信だけ確認できた(この回線は通話契約なし)ので、仮にNTT系列の回線で通話ができれば巨大スマホとなりうる(ただ、スピーカーから音が鳴るので、ヘッドセットの利用を勧める)。

 重量は約368gということで、モバイルバッテリ程度の重さ。本体サイズも212×125×8.2mmなので、小さいメッセンジャーバッグにも収まる。メインと本機を相互に使えばバッテリが減る速度も半分なので、実質モバイルバッテリがもう1台の端末に置き換わったと思えば、ある意味いい買い物だと思うのだが、いかがだろうか。