やじうまミニレビュー

iPhoneに外部ストレージを。Apacer「AH790」

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
AH790

 Androidスマートフォンの大半は、microSDカードを備えており、ストレージ容量を拡張できる。その一方でiPhoneは基本的に内部ストレージしか使えず、長期の利用で容量不足に陥ったりする。

 とくに16GBや32GBといった小容量のiPhoneを購入した場合、1~2年使っているとストレージ不足に悩まされる。近年、各種アプリも肥大化する一方なので、ユーザーが使えるストレージは圧迫される。

 筆者が以前使っていた「iPhone 5s」は、当時最大容量の64GBのモデルだが、引退させるまでの3年間の使用で空き容量19.51GBと出ている。16GBや32GBモデルだったら、とっくにデータやアプリのやりくりに困っていたに違いない。

 もちろん、PCを所持していれば、そこにデータや写真、動画などを退避できるわけだが、今どきPCを持ってない人や、所持していても、そのPCのストレージ容量がもともと少ない人も多いことだろう。

 ちなみに筆者はPCを所持しているが、iPhoneとPCを接続したのは数えるほどしかない。スマートフォンはそれ単体ですべての機能を完結すべきだと思っており、PCを“母艦”として使うのは、PDA時代のエクスペリエンスに留めておきたいからだ。

 Apacerの「AH790」は、そういった窮地に陥ったiPhoneを救うために開発したと思われる製品だ。PCで使えるUSB 3.0に加えて、iPhoneやiPadのLightningインターフェイスも搭載。容量ラインナップは16GB/32GB/64GBあり、iPhoneで撮影した写真や動画の退避に好適となっている。

 iPhone内部ストレージとのファイルのやり取りには、専用のファイル管理App「iFileBridge」を介して行なう。起動すると、写真、動画、音楽をジャンル別で一覧表示させるアイコンがあり、ジャンル別にファイルを閲覧して選択、AH790本体にデータをコピーまたは移動ができるようになっている。

 また、データのバックアップおよび連絡先のバックアップ、ファイル管理、そしてAH790に直接保存できるカメラ機能も備えている。機能はシンプルだが、必要十分といったところだろう。

iFileBridgeのホーム画面
本体のバックアップや連絡先のバックアップも可能
データコピー中の画面
音楽のジャンルでファイルを絞り出したところ

 気になる転送速度だが、試しに152.3MBの動画ファイルをiPhoneからAH790転送したところ、15.91秒かかった。逆算すると約9.57MB/s。AH790から同じ動画をiPhoneに戻したところ、13.98秒で、逆算すると約10.89MB/sだ。Lightning対応のメモリとしては妥当な速度だろう。

 一方PCのUSB 3.0に接続したところ、シーケンシャルリードで73.57MB/s、同ライトで18.11MB/sだった。USB 3.0メモリとしては遅い部類ではあるが、Lightningでの利用が前提なので、さほど問題にはならないだろう。

CrystalDiskMarkの結果

 筐体はiPhone 5sのゴールドによく似合う薄い金色。キャップは以前紹介した「AH180」と同様の回転式だが、コネクタを覆いかぶさったところでカチッと止まる点が異なる。高級感はAH180のほうがある印象だ。

 残念ながらAH790は現時点では一般的な家電量販店で入手できず、欲しいユーザーは日本Apacerまで直接問い合わせて欲しいとしている。入手性が改善されれば、iPhoneユーザーとして1個は持っておきたい製品ではある。

製品パッケージ
キャップは回転式
USB 3.0端子を露出させたところ
Lightning端子を露出させたところ