西川和久の不定期コラム

Helio G99/12GB/256GB+4Gと少し欲張った12型Androidタブレット「Blackview Tab 18」

Blackview Tab 18

 Blackviewは、Android 13を搭載した12型タブレット「Tab 18」をAliExpressで発売開始した。11月18日までセール価格の3万3,828円で販売中だ。編集部から実機が届いたので試用レポートをお届けしたい。

4G対応の12型Android 13搭載タブレット

 Blackviewは本連載初登場。サイトを眺めると、スマホ、タブレット、PC、そしてスマートウォッチを主に扱っている。また、それなりの割合で、IP68&IP69K防水、落下防止、MIL-STD-810Gなど、いわゆるタフネス系のデバイスが含まれる。

 今回ご紹介するタブレット、「Tab 18」は、そのタフネス系ではなく、Androidを搭載した12型の一般的なタブレットとなる。MediaTek Helio G99搭載のミドルクラスだが、メモリ12GB、ストレージ256GB、そして4GとWidevine L1対応と、少し欲張った内容だ。主な仕様は以下の通り。

Blackview「Tab 18」の仕様
SoCMediaTek Helio G99 (オクタコアCPU、Cortex-A76×2/2.2GHz+ Cortex-A55×6/2GHz)、Mali-G57 MC2を内包
メモリ12GB/LPDDR4X
ストレージ256GB
OSDokeOS_P 4.0(Android 13ベース)
ディスプレイ12型IPS式(2,000×1,200ドット)、Widevine L1認証
ネットワークWi-Fi 802.11ac、Bluetooth 5.0
SIMデュアルnanoSIM(1つmicroSDカードと排他)
バンド2G Bands: B2/B3/B5/B8
3G Bands: B1/B8
4G Bands: FDD: B1/B3/B7/B8/B20/B19/B40
インターフェイスUSB Type-C、Harman/Kardonクアッドスピーカー
カメラ前面:800万画素/背面:1,600万画素
バッテリ/駆動時間8,800mAh/最大12時間/33W急速充電対応
サイズ/重量約277.3×173.2×7.9mm(幅×奥行き×高さ)/632g
付属品USB Type-C/Type-Cケーブル、イヤフォン(USB Type-C)、ACアダプタ(33W)、カバー兼スタンド
別売「Bluetooth磁気キーボード」、「Magnetic S Pen Gen 2」(4,096レベル筆圧感知対応)
AliExpressセール価格3万3,828円(50%オフ)/11月18日まで

 SoCはMediaTek Helio G99。オクタコアCPUで、Cortex-A76×2/2.2GHz+Cortex-A55×6/2.0GHz。GPUとしてMali-G57 MC2を内包する。4月にNEC「LAVIE Tab T11(T1175/FAS)」をご紹介したが同じSoCだ。

 メモリは12GB/LPDDR4X、ストレージは256GBと多め。OSはAndroid 13ベースのDokeOS_P 4.0を搭載する。

 ディスプレイは、12型IPS式(2,000×1,200ドット)。16:9.6と少し16:10には足りないが、16:9よりは広め。Widevine L1対応なので、Netflix、Amazon Primeビデオ、HuluなどでHD画質以上のコンテンツを楽しめる。またオプションで4,096レベル筆圧感知対応の「Magnetic S Pen Gen 2」も使用可能だ。

 ネットワークはWi-Fi 802.11ac、Bluetooth 5.0。加えてデュアルnanoSIM(1つmicroSDカードと排他)も搭載。先のWidevine L1とともにポイントが高い。対応バンドは表の通りだが5Gには未対応。

 インターフェイスはUSB Type-C、クアッドスピーカー(Harman/Kardon)。3.5mmジャックはないものの、USB Type-C接続のイヤフォンが付属する。カメラは前面800万画素/背面1,600万画素。

 8,800mAhのバッテリを内蔵し、最大12時間駆動可能。33W急速充電対応する。サイズ約277.3×173.2×7.9mm、重量632g。セール価格で3万3,828円。内容を考慮すると結構安い。ただ50%オフなので、これ以上高くなると普通な感じだろうか。本記事掲載後、残り数日しかないが、欲しい人はこの機会にゲットした方がいいだろう。

前面明るく綺麗でハイコントラストなパネル。縁は今どきとしては結構ある。中央上に前面カメラ
背面。右上に背面カメラ。中央下のシールに技適マーク
右側面に指紋センサー兼電源ボタン、音量±ボタン、nanoSIM/microSDカードスロット。下側面にクワッドスピーカー(1/2)。左及び上側面(スピーカーのみ)には何もない
カバー兼スタンド(裏から)。付属のカバーは折りたたむとスタンドにもなる
nanoSIM/microSDカードスロット。奥SIM1、手前SIM2+microSDカード。着脱はイジェクトピン使用
付属品はACアダプタ(33W)、USB Type-C/Type-Cケーブル、USB Type-C型イヤフォン、カバー兼スタンド、イジェクトピン、予備シールド
重量は実測で585g、スペック上の632gより少し軽い
カメラは一見デュアルに見えるが内側はLEDフラッシュ

 ルックスや質感などはメタリックな感じでまったく問題なし。重量は実測で585g。手持ちの11型が488gなので100gほど重く、その分、厚めで縁も広い。付属のカバー装着時は889g。

 前面はパネル中央上に前面カメラ。背面は右上にカメラとLEDフラッシュ。中央下にあるシールには技適マークが見える。右側面に指紋センサー兼電源ボタン、音量±ボタン、nanoSIM/microSDカードスロット。下側面にクワッドスピーカー(1/2)。左及び上側面(スピーカーのみ)には何もない。

 付属品はACアダプタ(33W)、USB Type-C/Type-Cケーブル、USB Type-C型イヤフォン、カバー兼スタンド、イジェクトピン、予備シールド。

 12型のパネルは明るく色も綺麗。コントラストも高い。なかなか良いパネルが使われている。もちろんタッチの反応も問題なし。設定/ディスプレイ/色温度と画面最適化で通常、鮮明、プロ(スライダーで色温度調整)もできる。

 カメラは前面はビデオ会議なら(拘らなければ)十分使える感じだが、背面はありがちなタブレット画質。スマホがあれば積極的に使う理由はない。

 発熱は季節柄もあるだろうが、試用した範囲では特に気にならなかった。サウンドは4スピーカーだがステレオは横位置時のみ。最大にすると煩いほどパワーがあり、音楽や動画などを十分楽しめる。付属のイヤフォンは少し音がこもり気味だが音の傾向は同じだ。

OSはAndroid 13ベースのDokeOS_P 4.0

 初期起動時、ホーム画面は2画面。Dockには電話、メッセージ、Chrome、YouTube、設定、カメラ。これからも分かるように本機搭載の4Gはデータ通信だけでなく通話にも対応する(今回は未確認)。ストレージは256GB中15.2GBが使用中。IMEはGboard。

 上からのスワイプでクイックアクセス/通知エリア、下からのスワイプでアプリ一覧、壁紙長押しで壁紙の変更など、OSはAndroid 13をベースとしたDokeOS_P 4.0だが、操作系に特に変わったものはない。認証はパターン、PIN、パスワードなど一般的なのに加え、指紋と顔に対応する。

ホーム画面(1/2)
ホーム画面(2/2)
Yandexフォルダ
クイックアクセス/通知エリア
設定/タブレット情報
設定/ストレージ
設定/SIMカードと流量管理
設定/SIMカードと流量管理/SIM1 > APN

 nanoSIMに関してはセットし、設定/SIMカードと流量管理、SIM1→APNで普通に設定可能だ。APNもご覧のように、有名所は登録済。再起動などの必要もなく、少し待つと電波を掴む。

 インストール済みのアプリは、「カスタマーフィードバック」、「カメラ」、「カレンダー」、「キッズスペース」、「ゲームモード」、「システムスチュワード」、「デバイスを探す」、「ドライブ」、「フォト」、「マップ」、「マルチチェックメモ」、「メッセージ」、「ワークスペース」、「引越しアシスタント」、「音声レコーダー」、「緊急情報」、「時計」、「設定」、「天気予報」、「電卓」、「電話」、「凍結室」、「連絡帳」、「EasyShare」、「Files」、「FMラジオ」、「Gmail」、「Google」、「Google TV」、「GPay」、「Keepメモ」、「Maps」、「Meet」、「RuStore」、「Yandex」、「YouTube」、「YT Kids」などだ。

 今回のサンプルがロシア向けバージョンだったということもあり、一部翻訳が微妙だったり、翻訳されていないものもあるが、実際に日本向けに出荷されるものはきちんとローカライズされる。Google標準アプリ+α的な感じなので特に問題ないだろう。FMラジオは付属のType-C接続イヤフォンをアンテナ替わりにするのだが、調べたところ日本の周波数には未対応だった。

アプリ一覧(1/2)
アプリ一覧(2/2)

 PCモードは、画面キャプチャから分かるようにWindowsっぽいマルチウィンドウを扱えるモードとなる。Bluetoothなどでキーボードを接続すると自動的にオンにすることも可能だ。

PCモード

 このほかにも設定/バッテリーでパフォーマンスモード、バッテリーセーバー、スーパーバッテリセーバー。設定/システムでRAM Fast加速など、システム系の設定にも対応。今回の評価は全てデフォルト(=オフ)の状態で試用している。

MediaTek Helio G99搭載機としては平均的なパフォーマンス

 ベンチマークテストは簡易式でGeekBench 6とGoogle Octane 2.0の結果を掲載した。GeekBench 6はSingle-core 736、Multi-core 2,061、Vulkanは1,248。Google Octane 22,131。4月に同じSoCを搭載したNEC「LAVIE Tab T11(T1175/FAS)」をご紹介したが、多少凸凹はあるものの、スコアはほぼ同じだ。

 バッテリ駆動時間は、明るさ、音量ともに50%。Wi-Fi接続でフルHD動画を連続再生したところ約10時間でバッテリが切れた。仕様上、最大12時間とあるので、テスト内容を考慮すると妥当なところだろう。

GeekBench 6(Single-core/Multi-core)のスコアはそれぞれ736/2,061
Geekbench 6のVulkan 1,248
Google Octane 2.0の22,131
バッテリ駆動時間は約10時間

 以上のようにBlackview「Tab 18」は、MediaTek Helio G99/12GB/256GBを搭載した、12型タブレットだ。4GやWidevine L1対応なので、外でも使え、高品位な動画も観ることができる。

 試用した範囲で特に気になる部分もなく、これでセールとは言え、3万円ちょっとならお買い得だ。ミドルレンジで4GやWidevine L1に対応した安価な12型タブレットを探しているユーザーにお勧めできる1台と言えよう。