西川和久の不定期コラム

パネル大型化、スペックも向上した10.3型Androidタブレット「NEC TE510/KAS」

TE510/KAS

 NECは6月16日、TE410/Jの後継機種、TE510/KASを発表。6月18日より販売を開始した。編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けしたい。

前モデルから少しパワーアップした10.3型スタンダードモデル

 前モデルに相当するTE410/Jは、たまたま筆者が試用しているので興味のある人は合わせてご覧いただきたいが、SoC Snapdragon 450(8コア/1.8GHz)、メモリ2GB(LPDDR3)、ストレージ16GB、パネル10.1型IPS式1,920×1,200ドット、サイズ/重量168×242×8.1mm(幅×奥行き×高さ)/約480gという仕様だった。

 対して今回ご紹介するTE510/KAは、パネルを10.3型に大きくしつつ狭額縁化により、サイズ/重量153.3×244.2×8.2mm(幅×奥行き×高さ)/約460gと、同レベルにまとめ。さらにSoCをMediaTek Helio P22T(8コア/2.3GHz)へ強化し、メモリは変わらないものの、ストレージを32GBへ倍増、Android 9、顔認証、Type-Cなどに対応した。おもな仕様は以下のとおり。

NEC「TE510/KAS」の仕様
SoCMediaTek Helio P22T(8コア/2.3GHz)
メモリ2GB(LPDDR3)
ストレージ32GB
OSAndroid 9
ディスプレイ10.3型IPS式1,920×1,200ドット
ネットワークIEEE 802.11ac、Bluetooth 5.0
インターフェイスUSB Type-C、microSDカードスロット、Dolby Atmos対応ステレオスピーカー、3.5mmジャック
カメラ前面:約500万画素/背面:800万画素
センサーGPS、加速度、照度、近接
バッテリ駆動時間約11時間
サイズ/重量153.3×244.2×8.2mm(幅×奥行き×高さ)/約460g
税別店頭予想価格29,800円前後

 SoCは先に書いたとおり8コア/2.3GHzのMediaTek P22T。このP22T、MediaTekのサイトで調べたところ、“Lenovo Smart Tab M10 Plus”の紹介ページに「powered by the MediaTek Helio P22T」とあるが、そのリンク先はHelio P22とTがなく、8コアであるが最大2.0GHzとクロックが若干低くなっている。Tがつくのはクロックアップ版なのだろうか(ほかのSKUもTがある方が最大クロック数が高い)。

 ほかがP22と同じだとすると、12nmプロセス、CPU 8x Cortex-A53、GPU IMG PowerVR GE8320、リリースは2018年第2四半期。ほかのサイトなどを見ると2.0GHzのP22で前モデルのSnapdragon 450とほぼ同等的な記述が多く、CPUに関しては+0.3GHz分高性能といったところか。

 メモリはSoC的にはLPDDR3とLPDDR4Xに対応しているが、本機はLPDDR3で2GBを搭載。ストレージは32GB。これは前モデルの倍増だ。OSはAndroid 9。この時期10でないのが残念なところ。

 ディスプレイは、10.3型IPS式1,920×1,200ドット。前モデルの10.1より若干大きいが狭額縁でフットプリントはほとんど同じに収まっている。

 ネットワークは、IEEE 802.11ac、Bluetooth 5.0。そのほかのインターフェイスは、USB Type-C、microSDカードスロット、Dolby Atmos対応ステレオスピーカ、3.5mmジャック。カメラは前面:約500万画素/背面:800万画素。センサーはGPS、加速度、照度、近接を搭載。また前モデルでは非対応だった顔認証にも対応する。

 サイズは153.3×244.2×8.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量約460g。バッテリ駆動時間は、最大約11時間。税別店頭予想価格は29,800円前後。また持ち運び時の本体保護やスタンドとしても使えるフォリオケースも別途用意している。

パネル上に約500万画素前面カメラ。前モデルはiPad的だったが、狭額縁で少し雰囲気が変わった
背面。左上に約800万画素背面カメラ。色はシルバー
左側面にフォリオケース用のコネクタ、下側面にType-CとスピーカーR
右側面に音量±ボタン、電源ボタン、microSDカードスロット。上側面に3.5mmジャックとスピーカーL
microSDカードスロット付近。イジェクトピンを使うタイプ
付属品。ACアダプタのサイズは約42×40×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量38g、出力5V/2A。Type-A/Type-Cケーブル、イジェクトピン
重量は実測で442g。仕様の約460gより若干軽い
iPad Pro (2018 11)との比較。狭額縁でType-Cになったぶん、サイズは少し違うがiPad Pro@2018 11に気持ち近い感じか

 筐体は狭額縁で黒、背面がシルバー、ナビゲーションボタンはソフトウェア式と、今時の雰囲気に仕上がっている。実測で442g。片手でも楽々持てる重量だ。

 前面はパネル上に約500万画素前面カメラ。背面は左上に約800万画素背面カメラ。左側面にフォリオケース用のコネクタ、下側面にType-CとスピーカーR。右側面に音量±ボタン、電源ボタン、microSDカードスロット。上側面に3.5mmジャックとスピーカーLを配置。付属品は、ACアダプタ(サイズ約42×40×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量38g、出力5V2A)、Type-A/Type-Cケーブル、イジェクトピン。

 10.3型のディスプレイは、明るさ、コントラスト、発色、視野角全て良好。この価格帯なら文句なし。最大輝度だと眩しいほど。設定/ディスプレイ/カラーモードで、標準/明るい、色温度の設定、目の保護でブルーライトカットなどにも対応している。

 背面カメラは約800万画素、出力画素数は2,448×3,264ドット。Exifによると焦点距離は2mmとなっている。メニューバー右上にある設定で表示サイズ(8MP/5MP/2MP)、動画の画質(1080p/720p)、アルバム、ISO(自動/100/200/400/800/1600)、ホワイトバランス(オート/白熱灯/昼光/蛍光灯/曇り/たそがれ/日陰/温かな蛍光灯)、露出(±2)、撮影モード(オート/夕焼け/横向き/ビーチ/雪景色/スポーツ/ろうそく)、グリッド線、タイマー、サウンド、カウントダウンの音などが設定できる。中央のアイコンはフィルタで、なし/モノ/セピア/白黒反転/水彩/黒板/白板の選択が可能だ。

カメラアプリ
室内自然光サンプル(ISO124, 1/100秒, f/2)

 ここのところ天気が悪く、たまたま晴れたタイミングで室内で撮ったが、大きいため手ぶれしやすい上に、絵的にはご覧のとおり。ミドル(エントリー?)レンジ以上のスマートフォンがあれば、あえて本機で撮影する必要もないだろう。約500万画素の前面カメラは試したところ、割と肌色が自然だった。

 発熱は試用した範囲ではまったく気にならなかった。サウンドは横位置で左右側面にスピーカーが配置されステレオ感はある。音質は、高音も低音も出ないカマボコレンジではあるものの、それなりに音楽や映像が楽しめる。もう少しパワーが欲しいところか。イヤホン出力もハイクオリティとは言えないものの、聴けないほど酷くはない。価格を考えると上手い落としどころだ。

初期セットアップ

 初期セットアップは、Wi-Fiに接続後、Googleアカウントなどは設定せず、新規として作業した。計6画面とかなり少なく、初心者でも容易に設定できるだろう。

ようこそ
Wi-Fiに接続
アプリとデータのコピー(コピーしない)
Googleログイン(スキップ)
Googleサービス
画面ロック解除方法を設定する(スキップ)

 タブレットの保護はパターン/パスワード/PINに加え顔認識にも対応している。眼鏡の有無に関係無な認識するものの、認識するにしても一呼吸必要。また暗めの場所は苦手のようだ。

タブレットの保護 / 顔認証+PIN
起動時の保護
画面ロックの設定 / PIN入力
顔認証
顔を録画 / 完了

クセのない操作性とマルチユーザーを拡張したキッズモード

 Androidのバージョンは9.0。ストレージは32GB中8.29GBが使用中だ(若干の画面キャプチャを含む)。IMEはiWnn IMEがインストールされている。なお、直近のセキュリティアップデートは2020年4月5日だった。

 初期起動時のホーム画面は1画面。中央にinfo.Boardウィジェットが陣取る同社独特の構成となる。上から下へのスワイプでクイックアクセス/通知エリア、下から上へのスワイプでアプリ一覧。壁紙長押しでホームの設定/ウィジェット/壁紙……と、操作性は一般的だ。ナビゲーションバーは設定/システムで、クラシックモード/生産性モード/ジェスチャーモードが設定でき、デフォルトはジェスチャーモードとなっている。

 ドックに、サポート/Google/Microsoftフォルダ、YouTube、Playストア、Yahoo! Japan、フォトを配置。

ホーム画面
サポートフォルダ
Googleフォルダ(1/2)
Googleフォルダ(2/2)
Microsoftフォルダ
クイックアクセス/通知エリア
設定/タブレット情報
設定/ストレージ

 インストール済みのアプリは、「オリガミ」*、「お客様登録」*、「カメラ」、「カレンダー」、「サービス一覧」*、「さとふる」*、「ドライブ」、「パスワードマネージャ」*、「フォト」、「マップ」、「マニュアル」*、「らびぽパーク」*、「音声レコーダー」、「時計」、「設定」、「電卓」、「翻訳」、「連絡先」、「Chrome」、「Dolby Atmos」、「Duo」、「Excel」、「Files」、「G CROWN」、「Gmail」、「Google」、「i-Filer」*、「info.Board」、「OneDrive」、「OneNote」、「OutLook」、「Playストア」、「Playムービー&TV」、「PowerPoint」、「Skype」、「Teavelzoo」(縦のみ)、「U-NEXT」*、「Word」、「Yahoo! Japan」*、「YouTube」、「YT Music」……の41個。

 上のリストのなかで*印つきはWebサイトへのリンクのみで、10個もある。ストレージ容量の関係もあるだろうが、ちょっと拍子抜けの感じだ。また、Teavelzooは横表示には非対応だった。もう少し調整した方がいいのではないだろうか。

アプリ一覧(1/2)
アプリ一覧(2/2)

 売りの機能の1つとして、“キッズモード”があげられる。マルチユーザーの拡張的な扱いで(設定/アカウント/複数ユーザー)、利用可能なアプリや利用時間などを制限できる。ただホーム画面にショートカットなどがなく、ぱっと見、どこにキッズモードがあるのか普通だとわからない。この点は以前TE507/KASを試用した時にも指摘しているが、今でも仕様は変わっていないようだ。

設定/アカウント/複数ユーザー/ユーザー
設定/アカウント/複数ユーザー/ユーザー/キッズモード追加
キッズモードを追加する
お子様のプロフィール
利用させるアプリ/利用させないアプリ
テストアカウントの概要
テストを追加しました
テスト(制限付きプロファイル)が追加された

 ウィジェットは、「カレンダー」、「ドライブ」、「マップ」、「マルチユーザー」、「時計」、「設定」、「翻訳」、「連絡先」、「Chrome」、「Gmail」、「Google」、「info.Board」、「OneDrive」、「OneNote」、「Outlook」、「Smart Launcher」、「YouTube Music」。

ウィジェット(1/4)
ウィジェット(2/4)
ウィジェット(3/4)
ウィジェット(4/4)

エントリーモデルとは言え2020年としては低い性能

 ベンチマークテストは簡易式でGeekBench 5.0とGoogle Octane 2.0の結果を掲載したかったのだが、GeekBench 5.0がCPU、OpenCLともにかなりの時間がかかった上に、最後は異常終了。結果的にスコアは得られていない。

 Google Octane 2.0の4,442からもわかるように、前モデルの3,906よりは速くなっているものの、筆者の合格ライン1万の半分以下。画面をタップ/スワイプした時の反応が一呼吸遅れるなど、安価なモデルとはいえ、今時としてはかなり遅い。

 ただ、いったんアプリが起動するとそれなりに動き、動画再生も含めとくに不満なく作動する。実用レベルギリギリと言ったところか。

 バッテリ駆動時間は、明るさ、音量共に50%。Wi-Fi接続でフルHD動画を連続再生したところ約13時間でバッテリが切れた。仕様上、約11時間なので気持ち長い感じだ。また前モデルより大幅に伸びている。12時間超えればバッテリの持ちは良い方だろう。

Google Octane 2.0。4,442(前モデルは3,906)
約12時間経過して残9%(前モデルは約7時間経過して残10%)

 以上のようにNEC「TE510/KAS」は、MediaTek Helio P22T/2GB/32GBを搭載した10.3型のAndroid 9搭載タブレットだ。前モデルと比較して、SoCのパワーアップはもちろん、狭額縁になり見た目がスマート、Type-C、顔認証対応など、いろいろ改善されている。マルチユーザー/キッズモードも家族で共有するなら必要な機能だ。

 SoCが非力で作動が一呼吸遅れるなど、パワーユーザーにはお勧めできないが、大手メーカー製で低価格なAndroidタブレットを探しているユーザーに使ってほしい1台と言えよう。