西川和久の不定期コラム

マウス、第8世代Core i7搭載で12万円台の13.3型モバイルノート「MousePro-NB391Z-MHD」

MousePro-NB391Z-MHD

 マウスコンピューター株式会社は、1月19日は、第8世代Coreプロセッサを搭載した13.3型ビジネスノート「MousePro-NB391Z-MHD」を発表した。プロセッサ、メモリ、ストレージの構成によっていろいろなモデルがあるなか、上位モデル相当が編集部から送られてきたので、試用レポートをお届けする。

搭載するプロセッサに応じて選べる3タイプ

 同社は第5世代Coreプロセッサ搭載の「NB390」シリーズを販売していたが、この「NB391」シリーズは第8世代プロセッサを搭載した新型となる。

 搭載プロセッサ以外で、旧型と新型のおもな違いは、USB 2.0×2/USB 3.0×1からUSB 3.0×3、バッテリ駆動時間が延び、キーストロークが約1.8mmから約1.5mmへ、パネルの最大角度が約140度(+10度)へなどとなる。

 MousePro-NB391Z-MHDはいくつかモデルがあり、代表的なものを挙げると、Celeron 3865U(2コア1.8GHz)/4GB/500GB HDD/HD解像度/62,800円の「MousePro-NB391C」、Core i5-8250U(4コア、1.6GHz)/8GB/128GB SSD/フルHD解像度/99,800円の「MousePro-NB391H-SSD」、そして今回ご紹介するCore i7搭載の「MousePro-NB391Z-MHD」だ。

 MousePro-NB391Z-MHDのおもな仕様は以下のとおり。

【表】MousePro-NB391Z-MHDのスペック
MousePro-NB391Z-MHD
プロセッサCore i7-8550U(4コア8スレッド/1.8GHz~4GHz/キャッシュ8MB/TDP 15W)
メモリ8GB×1/DDR4-2400(最大32GB)
ストレージ128GB M.2 SSD+500GB HDD
OSWindows 10 Pro(64bit)
ディスプレイ13.3型フルHD(1,920×1,080ドット)、光沢なし、タッチ非対応
グラフィックスIntel UHD Graphics 620
ネットワークGbEigabit Ethernet、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.2+LE
インターフェイスUSB 3.0×3、100万画素カメラ、SDカードリーダ、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、音声入出力
バッテリ3セル/10.8V/3,275mAh
駆動時間約7.5時間
サイズ/重量約324×234×22.5~25mm/約1.5kg
価格123,984円

 プロセッサはKaby Lake RefreshのCore i7-8550U。4コア8スレッドでクロックは1.8GHzから4GHz。キャッシュは8MB、TDPは15Wと、モバイルノート用としては強力なものだ。メモリは、DDR4-2400の8GB。スロット自体は2つあり、最大32GBまで搭載可能。

 ストレージは、今回の構成では、システム用にM.2 SSD 128GBと、データ用にHDD 500GB。OSはMouseProブランドなので、標準は64bit版のWindows 10 Proとなる。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 620。外部出力用にHDMIとミニD-Sub15ピンを備えている。ディスプレイは非光沢の13.3型フルHD(1,920×1,080ドット)。タッチには非対応だ。

 ネットワークはGigabit Ethernet、IEEE 802.11ac対応(Intel Dual Band Wireless-AC 3168)。Bluetoothは4.2+LE。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×3、100万画素カメラ、SDカードリーダ、音声入出力。先に書いたように、USBポートがすべて3.0になっている。

 サイズは約324×234×22.5~25mm、重量約1.5kg。バッテリ駆動時間は3セル/10.8V/3,275mAhの標準バッテリで、駆動時間は約7.5時間。14.6時間(構成による)駆動を可能にする大容量バッテリ(6セル/11.1V/5,900mAh/9,800円)もオプションで用意されている。

 価格は今回の構成で税別114,800円。4コア8スレッド第8世代Core i7、メモリ8GB、M.2 SSD+HDDでこの値段はリーズナブルと言えよう。

 なお、オプションで、Windows 10 Home、メモリ16GB~32GB、M.2/NVMe SSD(最大1TB)、最大2TBのHDDなどを選ぶこともできる。

パネル中央上にWebカメラ、その左右にアレイマイク。前面側面左側にステータスLED
バッテリは着脱式。手前のスリットにスピーカー。メモリやストレージにアクセスできる小さいパネルはない
Gigabit Ethernet、HDMI、カードリーダ、USB 3.0(常時給電)。パネルはこの角度が最大
ロックポート、電源入力、ミニD-Sub15ピン、USB 3.0×2、マイク端子、ヘッドフォン端子
天板にロゴと、背面に着脱可能なバッテリ
キーボードは10キーなしのアイソレーションタイプ。タッチパッドは2ボタン式
キーピッチは実測で約18.5mm(仕様上約18.75mm)
ACアダプタのサイズは約85×35×25mm、重量151g、出力19V/2.1A
重量は実測で1,478g
バッテリの重量は実測で185g

 筐体は全面ブラック。天板とパームレスには金属製ではないが、ヘアライン仕上げっぽい加工が施されている。重量は実測で1,478g。13.3型のこのクラスとしては、軽くないものの、ずっしりと重たいほどでもない。

 天板はロゴのみ。前面はパネル中央上にWebカメラ、その左右にアレイマイク、前面側面左側にステータスLED。左側面にEthernet、HDMI、カードリーダ、USB 3.0(常時給電)。右側面にロックポート、電源入力、ミニD-Sub15ピン、USB 3.0×2、マイク端子、ヘッドフォン端子を配置。

 パネルは写真の角度が最大で、従来機種より10度広くなっているとのこと。裏は後ろに着脱可能なバッテリを搭載、手前のスリットにスピーカー。スピーカーのスリットが左右対称位置にないのがマイナスポイントか。

 付属のACアダプタは、サイズ約85×35×25mm、重量151g、出力19V/2.1A。標準バッテリの重量は185g。標準バッテリも単体で販売されており価格は6,800円(税別)。予備に1本カバンへ入れておけば、長時間のバッテリ運用も安心だ。

 13.3型のディスプレイは、明るさ、コントラストともに良好。明るさはバックライト最小でもそれなりに見える。発色は派手さはないもののニュートラルな感じだ。仕様上IPS式とは書かれていないが、視野角もそれなりに広い。

 キーボードは10キーなしのアイソレーションタイプ。主要キーのキーピッチは仕様上約18.75mm。右手前が少しせまくなり、[Enter]キーの横にある“む”キーが異様に広くなっているのが気になるところ。また旧モデルから改善されたキーストロークは、実際横に並べて比較していないのでなんとも言えないが、ソフトタッチで疲れにくい感じだ。

 パームレストとタッチパッドは13.3型のわりに広めに確保されている。タッチパッドは2ボタン式。

 ノイズと振動は十分許容範囲に収まっている。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけるとおもに左側が暖かくなるが、熱いというレベルにはならない。

 サウンドはカマボコレンジでかつパワーもさほどない。おもにビジネス用途なので、目くじら立てるほどでもないだろう。

 以上のように昔ながらの(クラシックな)バッテリ着脱可能な13.3型ノートPCではあるものの、ミニD-Sub15ピン、USB 3.0×3など、必要十分なポートを装備。実用的な1台にまとまっている。

シンプルな構成にCore i7とSSDで快適動作

 OSは64bit版のWindows 10 Pro。Core i7、SSD、メモリ8GBなのでストレスなく操作できる。初回起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面。プリインストールは、ユーザーサポートグループにある、PDFのマニュアル2つとマカフィー。デスクトップは壁紙のみの変更で左側にショートカットもなく非常にシンプルだ。

 ストレージは128GBのM.2 SSD「HFS128G39MND」と、500GB/128MB/5,400rpmの「ST500LM030」。どちらも基本1パーティションで、システム用のC:ドライブは約118GBが割り当てられ空き99GB。データ用のD:ドライブは約464GBが割り当てられすべてフリーとなっている。Wi-FiとBluetoothはIntel製、GbEigabit EthernetはRealtek製だ。

スタート画面(タブレットモード)。プリインストールされているのは、ユーザーサポートグループにある、マニュアル2つとマカフィー
起動時のデスクトップ。壁紙のみの変更と非常にシンプル
デバイスマネージャー/主要なデバイス。ストレージは128GBのM.2 SSD「HFS128G39MND」と、500GB/128MB/5400rpmの「ST500LM030」。Wi-FiとBluetoothはIntel製、GbEigabit EthernetはRealtek製
ストレージのパーティション。C:ドライブは約118GB、D:ドライブは約464GBが割り当てられている

 プリインストールのソフトウェアは、同社おなじみの「CONTROL CENTER」、「Windows 10 ユーザーガイド」、「ハードウェアマニュアル」、そして、「マカフィーリブセーフ」。ほかはハードウェアのツール系と、ほぼ素のWindowsになっている。用途を考えると、いろいろ入っているより、こちらのほうが扱いやすい。

CONTROL CENTER
ハードウェアマニュアル(PDF)

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2/Home accelerated、CrystalDiskMark。バッテリ駆動時間テストはBBench。またCrystalMarkの結果も掲載した(4コア8スレッドと条件的に問題があるので参考まで)。

 winsat formalの結果は、総合 6。プロセッサ 9、メモリ 9、グラフィックス 6、ゲーム用グラフィックス n/a、プライマリハードディスク 8.15。メモリのバンド幅は14,443.15740MB/s。PCMark 8 バージョン2/Home acceleratedは3,413。

 CrystalDiskMarkは、Seq Q32T1 Read 549.4/Write 205.0、4K Q32T1 Read 329.7/Write 193.8、Seq Read 494.2/Write 204.3、4K Read 28.66/Write 85.34(MB/s)。CrystalMarkは、ALU 75,086、FPU 57,299、MEM 53,584、HDD 35,335、GDI 15,660、D2D 5,239、OGL 11,646。

 第8世代のわりに若干遅いのは、メモリが8GB×1でシングルチャネル動作になっているからだと思われる。デュアルチャネル動作になっても体感で差が出るほどではないものの、オプションで4GB×2があってもいいような気がする。

 BBenchは、バッテリ節約機能オン、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で27,170秒/7.5時間。

 公称約7.5時間なのでジャストな結果となった。予備で185gの標準バッテリをもう1本持っていれば倍の時間動作する(もしくは大容量バッテリを使う手もある)。

「winsat formal」コマンド結果。総合 6。プロセッサ 9、メモリ 9、グラフィックス 6、ゲーム用グラフィックス n/a、プライマリハードディスク 8.15
PCMark 8 バージョン2/Home accelerated「3,413」
PCMark 8 バージョン2/Home accelerated(詳細)。クロックは800MHzから最大の4.0GHzまで。温度は60℃から90℃程度と幅がある
CrystalDiskMark。Seq Q32T1 Read 549.4/Write 205.0、4K Q32T1 Read 329.7/Write 193.8、Seq Read 494.2/Write 204.3、4K Read 28.66/Write 85.34(MB/s)
BBench。バッテリ節約機能オン、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果は、バッテリの残5%で27,170秒/7.5時間
CrystalMark。ALU 75,086、FPU 57,299、MEM 53,584、HDD 35,335、GDI 15,660、D2D 5,239、OGL 11,646

 以上のようにmouse「MousePro-NB391」シリーズは、第8世代プロセッサを搭載した13.3型ノートPCだ。このクラスとしては若干重いものの、バッテリが着脱式なので、この点を重視するユーザーも多いのではないだろうか。

 仕様上とくに気になる部分もなく、プロセッサ、メモリ、ストレージなど基本構成を用途や予算に応じていろいろ選べるのはポイントが高い。派手さはないが、サポートも含めビジネス用として堅実なノートPCを求めているユーザーにおすすめの1台と言えよう。