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「パスワード」アプリがすごい!Macのパスワード管理の基本をマスターしよう

 最新のmacOS Sequoiaには、「パスワード」アプリが新たに標準搭載されています。このアプリを使えば、パスワードやパスキー、確認コード、「Appleでサインイン」の認証情報などを1つの場所で管理したり、安全ではないパスワードを変更したり、新たなパスワードを作成したりすることができます。ここでは「パスワード」アプリの基本的な使い方をまるっと紹介していきます。

「パスワード」アプリが搭載されたことで、Macのパスワード管理はこれまで以上に簡単に行なえるようになりました

「パスワード」アプリを設定する

 macOS Sequoiaに標準搭載されている「パスワード」アプリを起動すると、「“パスワード”はロックされています」という画面が必ず最初に表示されます。

 ここでMacのログインパスワードを入力しないとロックを解除できないため、他人に大切なパスワードにアクセスされる心配はありません。

 ロックを解除したあとは「パスワード」アプリのメイン画面が通常開きますが、最初の起動時は「パスワード」アプリの説明画面や通知の設定画面が開きます。

 また、環境によっては「保存済みパスワードを読み込みますか?」という画面も表示され、パスワードの移行が可能です。これまで別のパスワード管理アプリを利用していた場合は、書き出したCSVファイルを選択してパスワード情報を読み込みましょう。

「パスワード」アプリを起動するには、[アプリケーション]フォルダ、またはLaunchpadからアイコンをクリックしましょう
起動時にはMacのログインパスワードが求められます。また、アプリを一定時間起動したままにすると自動でロックがかかります
初めて「パスワード」アプリを起動した際は、アプリの紹介画面が表示されます。[続ける]をクリックします
「パスワード」アプリの通知を説明する画面で[続ける]をクリックすると、「パスワード」アプリの通知パネルが表示されます。通知を許可するか設定しましょう
他のソフトウェアからパスワードを移行するかを尋ねられる場合があります。[読み込むファイルを選択]をタップしてCSVファイルをインポートしましょう
初期設定を済ませると、「パスワード」アプリのメイン画面が表示されます。これまでMacに保存していた(または移行した)パスワードやパスキーなどが画面に表示されるはずです
初期設定時に「保存済みパスワードを読み込みますか?」という設定画面が表示されなかった場合は、アプリ起動後のメイン画面に[パスワードを読み込む]ボタンが表示されるのでそれをクリックしましょう

パスワードを検索する

 では、ここからは「パスワード」アプリの基本的な使い方を解説していきます。まずはパスワードの検索です。

 Webサイトやアプリなどのパスワードが分からなくなったときは「パスワード」アプリを開き、サイドバーで[すべて]を選択。そして画面をスクロールしたり、検索フィールドにアカウントの名前を入力したりして探し出します。

 そして目的のアカウントを選択すると、画面右側に詳細情報が表示され、[パスワード]欄にある連続するドットの上にポインタを置けばパスワードが表示されます。

 ここで副ボタンクリック([Control]キー+クリックまたは右クリック)すれば、パスワードをコピーすることも可能です。

 また、サイドバーには[すべて]というカテゴリ以外に、[パスキー][コード][Wi-Fi]といったカテゴリも用意されています。

 パスキーや確認コード、Wi-Fiのパスワードを個別に検索したい場合は、それぞれのカテゴリごとに表示を絞って検索を行ないましょう。

サイドバーの[すべて]を選択すると、画面中央にアカウント一覧が表示されます。スクロールしたり、検索フィールドから目的のアカウントを探します
パスワードが多く保存されていて見つけにくい場合は、検索フィールドの上にある矢印ボタンをクリックして、アカウントを並べ替える方法を選択しましょう
アカウントを選択すると、画面右側にユーザ名やパスワード、URL、共有などの詳細情報が表示されます(表示される項目はアカウントの内容によって異なります)
[パスワード]欄にある連続するドットの上にポインタを重ねると、パスワードが表示されます。副ボタンクリックでコピーもできます
サイドバーには[パスキー]や[コード][Wi-Fi]というカテゴリが用意されています。[コード]をクリックすると、1回限り使用する確認コードだけを抜き出して表示できます
[Wi-Fi]カテゴリではWi-Fiのネットワーク名(SSID)とパスワードを保存した内容を一覧できます。Wi-Fiの[ネットワークのQRコードを表示]ボタンをクリックすると、接続用のQRコードが表示できます

パスワードの安全性を確認する

 「パスワード」アプリは、パスワードの安全性を確認するためにも利用できます。

 アカウント名の脇に[!]がついている場合は、そのアカウントのパスワードが容易に推測可能だったり、ほかのアカウントで使い回されていたりすることを示します。

 実際に[!]がついたアカウントを選択して詳細情報を表示すると[安全なパスワードではありません]や[使い回されたパスワード]などのアラートが表示されるのですぐに気がつくでしょう。

 サイドバーの[セキュリティ]カテゴリをクリックすれば、安全性に問題のあるアカウントだけをリストアップすることが可能です。

 大切な個人情報を守ったり、不正アクセスを防止したりするために、こうした危険なパスワードはできる限り早く変更するようにしましょう。

[!]がついているアカウントを選択すると、詳細情報欄に[安全なパスワードではありません]や[使い回されたパスワード]などのアラートが表示されます
サイドバーの[セキュリティ]カテゴリをクリックすると、安全性に問題のあるアカウントだけをリストアップできます

パスワードを変更する

 「パスワード」アプリが優れているのは、パスワードの変更をアプリ上から実行できるところです。

 アカウントにアラートが表示されている場合、詳細情報画面には[パスワードを変更]というボタンが表示されるのでクリックします。

 すると、そのアカウントのWebサイトにジャンプするので、サイトにログインしてすぐにパスワード変更の手続きを行なうことができます。

 また、たとえアラートが表示されていないアカウントでも、[Webサイト]欄にあるアドレスをクリックすれば、Webサイトを開くことが可能です。

[安全なパスワードではありません]などのアラートの下にある[パスワードを変更]をクリックすると、Webブラウザが開いてそのアカウントのWebサイトに移動します
[Webサイト]欄にあるアドレスをクリックして、Webサイトを開いたり、アドレスをコピーしたりすることも可能です
Webサイト上でパスワードを変更すると、パスワードを更新(アップデート)するか聞いてきます。[パスワードをアップデート]をクリックすれば、「パスワード」アプリに保存してあるパスワードも書き替えてくれます
パスワード更新のウインドウが表示されない場合は、画面右上にある[編集]ボタンをクリックすれば、パスワードなどの詳細情報を手動で変更できます

新規パスワードを作成する

 「パスワード」アプリでは、Webサイトやアプリなどで使用するパスワードを新たに作成することもできます。

 サイドバーで[すべて]をクリックして上部にある[+]をクリック。すると「新規パスワード」の画面が表示されるのでアカウントのユーザ名やパスワードなどを入力しましょう。

 この際、パスワード欄をクリックすると、自分でパスワードを作成しなくても、「パスワード」アプリが安全性の高いパスワードをレコメンドしてくれます。

 また、このパスワード作成機能はSafari上でパスワードを設定するときにも利用できます。

 こうして作成したパスワードは「パスワード」アプリに記録され、次回そのサイトにアクセスした際はユーザ名やパスワードが自動的に入力されるので、ユーザが覚えておく必要はありません。

 Webサイトによってはうまく自動入力されない場合もありますが、その際は「パスワード」アプリからコピーして利用しましょう。

検索フィールド上部にある[+]をクリックすると「新規パスワード」の画面が表示され、新規パスワードを作成できます
SafariでWebサイトのパスワードを設定する際も、「パスワード」アプリのパスワード作成機能が利用できます。[強力なパスワードを使用]するを選ぶと、自動的にパスワードを作成して入力してくれます
作成したパスワードは「パスワード」アプリに記録されます。そして次回以降サイトのログインする際は、ユーザ名やパスワードが自動で入力されます

【見出し】
便利な操作&設定を覚えておこう

 ここまで解説した基本的な事項を覚えておけば、「パスワード」アプリは難なく使うことができるようになるでしょう。ただし、「パスワード」アプリは非常に多機能なアプリです。

 たとえば、アカウント名を副ボタンクリックすると、複数のメニューが表示され、そのアカウントの詳細情報を新規ウインドウで開いたり、パスワードをAirDropで共有したり、新規共有グループを作成したり、作成済みのグループへ移動したりすることができます。

 また、[パスワード]メニューから[設定]をクリックすると、細かな設定をユーザ好みにカスタマイズすることが可能です。

 たとえば、デフォルトではオフになっている[メニューバーに“パスワード”を表示]をオンにすれば「パスワード」アプリをメニューバーからすぐに開くことができます。

 また、[漏えいの危険があるパスワードを検出]にチェックを入れれば、Macが自動的にパスワードを監視して、Appleが保持する既知の漏洩パスワードの中に自分のパスワードが含まれている場合に警告を出してくれます。

 「パスワード」アプリの基本的な使い方に慣れたら、いろいろな操作や設定を試してみてパスワード管理を強化してみましょう。

アカウントを副ボタンクリックすると、[新規ウインドウで開く]や各種コピー、[グループへ移動]などのメニューが表示されます
[設定]画面では、アカウントの表示形式を変えたり、詳細なオプション設定を自分好みにオン/オフできます

すべてのパスワードを一箇所で

 Macでパスワードを管理するには、これまで「キーチェーンアクセス」という標準ソフトを利用するのが一般的でした。

 しかし、キーチェーンアクセスは[アプリケーション]→[ユーティリティ]フォルダ内にあるため、ユーザがその存在に気づかない可能性がありました。

 また、その名前から、パスワード管理のためのソフトだと認識されにくかったように思います。

 近年のmacOSでは「システム設定」の[パスワード]項目や、Safariの「設定」→[パスワード]からも保存したパスワードにアクセスできるようになっていますが、複数の場所に存在するのが分かりにくいと感じる人も多かったはず。

 そうした中で、macOS Sequoiaで新たに搭載された「パスワード」アプリは、初心者にとってもパスワード管理のアプリだと分かりやすく、またパスワードの確認や管理、作成、安全性のチェックなどが一箇所で行なえるので便利です。

 また、「パスワード」アプリはiOS 18を搭載したiPhoneや、iPadOS 18を搭載したiPadにも標準搭載されており、iCloud経由でパスワードが同期されます。

 インターネットを安全にアクセスするためにパスワード管理の重要性が年々高まっている中、Appleデバイスには欠かせないアプリなので、しっかりと使い方をマスターしておきましょう。

macOS Sequoiaにも「キーチェーンアクセス」は引き続き搭載されています。しかし、キーチェーンアクセスを開こうとすると図のように「パスワード」アプリを使うよう促されます
「システム設定」のサイドバーの一番上にある[Apple Account]をクリックして[iCloud]を選択し、[iCloudに保存済み]にある[パスワード]がオンになっていれば、iCloudに同期されています。オフになっている場合はクリックして、[このMacを同期]をオンしましょう
iPhoneやiPadの場合は「設定」を開いて[Apple Account]をタップ。次に、[iCloud]をタップして同様に[パスワード]がオンになっているかを確認します。オフの場合はクリックして[このiPhoneを同期]もしくは[このiPadを同期]をオンにしましょう